10年後、思い出したくなる物語







クッシュン


どれくらい経っただろう。

自分のくしゃみで目が覚めた。


寝てしまっていたらしい。



「サボりー」


「わっ?!」


ゆっくり目を開けると、目の前に沢崎くんの顔があってびっくりした私は勢いよく立ち上がった。

すると、バサっと肩からブレザーのジャケットが落ちた。

私はブレザーを着ていて、カッターシャツ姿の沢崎くんを見ると、恐らく彼のジャケットだと分かった。


「ご、ごめん。ハイ」

すぐに拾って沢崎くんに渡すと、「寒すぎんだけど。この部屋」とジャケットを羽織った。





「何で居るの?」

「手伝いに行けって末次さんに言われて」

沢崎くんは隣のパソコンの前にある椅子に座った。

実習室の椅子はキャスター付きで割と座り心地が良い。


「来てみたら寝てる人いて笑った」


「ちょ、ちょっと休憩しただけだよ」


「休憩ね。ところでこれ、国枝さんが作ったの?」


沢崎くんは私のパソコンのモニターを指差した。

体育祭のポスターは一応全部完成させたんだった。


「うん、清書しただけだけど」

「へぇ〜。すご。相変わらず特技が独特だな」


沢崎くんは感心したように、モニターに映し出されたポスターを見ていた。