10年後、思い出したくなる物語




やってきたのは、電車で二駅隣の駅前にある可愛らしいお店。


「カフェ?ですか?」


「そ。正確には、ケーキバイキングの店」


店員さんに案内された席に向かい合って座る。

「僕さ、甘い物すごい好きなんだけど。ほら、1人じゃ入れないでしょ?こういう店」

末次先輩がそう言うので、店内をぐるりと見回してみると、ほとんど女子。
白とピンクとパープルが基調の可愛らしい店内。


正面に視線を戻すとそこには末次先輩。


私たちの席だけ異質なオーラに感じてしまう。

「…確かに、そうかもです」

「でしょ。それに、国枝さんこの世の終わりみたいな顔してたから」

「え!私ですか?」

そんな顔をしていたなんて、自覚は無かったけれど。


「甘い物でも食べて、何でも相談乗るよ」


末次先輩はそう言ってニッコリ笑うと「とりあえずケーキ取りに行こ」と席を立った。