10年後、思い出したくなる物語





翌日の放課後。




体育祭実行委員会が無い日は、やる事がない。

実行委員になるまではそれが普通だったのに、早く帰ることがつまらなく感じるなんて。


最近の私はどうかしている。




教室の窓からグラウンドを眺めると、サッカー部のジャージを着たグループが盛り上がっているのが見えた。


「あれ…」

沢崎くん?

よく見るとそこに沢崎くんが混ざっていて、何やら中心にいる様子だった。


もしかして、仲直りしたのかな。

何となく気になって眺めていると、同じジャージを着た女子生徒と話しているのが分かった。

そうか、マネージャーの幼馴染と喧嘩中って言ってたな。

2人が笑い合っているのを見て、心臓がちくっとした。


ちくっと?


私はシャッとカーテンを閉めると、カバンを持って教室をあとにした。

「なに、これ」



何?何だこれ。

これじゃあまるで、まるで私…





「国枝さん?」


小走りで下駄箱までたどり着いたとき、呼び止められた。

振り向くとそこには末次先輩が「やっ」と手をあげて立っていた。