学校行事は私にとって邪魔なものでしかない。
ましてや修学旅行なんて、行かなくてもいいし必要性を全く感じない。
班決めも誰とでもいいし、どこを回ってもいい。
私はただ同じ班の人たちについていって、帰ってくるだけ。
途中でさりげなくはぐれた振りをしてひとりで過ごすのもありだ。
とにかく、班決めの間、余ったところに入るように静かにしておこう。
「はいはーい!俺ら班決め終わりー!」
瀬戸くんの声と同時に、私の体は力強く引き寄せられた。
え?と戸惑う間もなく私の回りに集まっていた3人が、机をくっつけ4人グループを作っていた。
メンバーは言うまでもなく、いつものメンバーだ。
「ねぇねぇ黒崎くんはどこに行きたい?」
取り巻きはどうしたのだろう。
好きな人のためなら、友情なんてどうでもいいのかな。
瀬戸くんから体を離しながら彼女の友達を見ると、不満げな顔ひとつせず他にグループを作っていた。
さすが。
人気者のリーダーがすることは何でも許されるのか。