パラパラとページをめくっていたら、ある写真を見て、心臓が一回大きく高鳴った。
こ、これ......。
「と、豊田さん!!」
突然大声をあげた私に、豊田さんは目を丸くする。
「これ、この子。この女の子、誰ですか?」
どれ?と豊田さんがアルバムを覗いた。
そして、大きく笑う。
「アッハッハッハ! これは女の子じゃないよ!達也だよ」
......え?
く、黒崎くん!?
私が見た写真には、あの頃約束をした子と同じ女の子が写っていた。
女の子じゃなかったの?
しかも、黒崎くん!?
「あの頃は佐恵子が女の子がほしいって言っててね。達也の顔も女の子みたいな顔をしていたから髪をこうやって結んでいたんだよ。小学校に上がる頃になると達也が嫌だって言い出してしなくなったんだけどね」
顔を近づけてよく見てみたけど、細い髪の毛を2つに結んでいるその子は、やっぱり男の子には見えないし、決して黒崎くんだとは思わない。