「喜美子さんも、なにか悩み事があるとウチにきていたからねぇ。やっぱり親子だねぇ」


お母さんも、豊田さんの家に?


まぁ、その当時はここが黒崎くんのお母さんの家になるわけだもんね。


親友の家。


だけど、お母さんが親友の家に行くのと、私が豊田さんの家に行くのとではまた違うような気がするけれど。


「喜美子さんは娘と喧嘩しているのにここにきていたんだよ。変でしょう?」


「え?喧嘩をしたのに、なんで?」


私が聞くと豊田さんは、湯呑みに口をつけながら肩をすくめた。


「私と話をすると落ち着くんだって。癒し系かな?」


お茶目に笑う豊田さん。