なぜこんな行動をとったのかわからない。
私はしばらく学校に行けずにいて、豊田さんの家にやってきた。
豊田さんの隣の家は黒崎くんの家なのに、なぜこんなところにやってきたのだろう。
なんだか、豊田さんに頼りたかった。
畳の部屋に通された私は、豊田さんに言われて腰をおろす。
お茶を運んで来た豊田さんが、私の目の前に座る。
仏壇にはおばあちゃんの遺影。
どことなく黒崎くんに似てる。優しい目元が。
「東京とは違って時間がゆっくり流れているだろ?」
お茶を飲みながら小さく頷いた。
「田舎はいいよ。何もないけどね。何だか、人と人との距離が近いような気がしてね。あ、だからって別に東京が悪いってことじゃないよ」
すぐにフォローする豊田さんがかわいくておかしかった。