翌日。
学校へ行く気になれず、転校して初めて欠席した。
頭が痛いと下手な嘘をついて。
あのグループに嫌な目を向けられて過ごすよりは、ここのほうがうんといい。
お父さんが豊田さんのところに農作業に出ている間、私は仏間に向かってお母さんと向き合った。
「こんな姿、お母さん見たら不安になるよね」
言いながら涙が浮かんだけど無理やり飲み込む。
「内緒にしてようと思ったけど、きっとお母さんは全部お見通しだから」
生前、お母さんは私の隠した気持ちをすべてわかっていた。
亡くなった今も、きっと向こうで私の心をよんで心配しているに違いない。
「ごめんね。お母さん。うまくやるつもりだったけど、そううまくはいかないみたい。どうやったらうまくやれるのかもわからない。お母さんなら、こういうときどうする?」
秒針の音だけが聞こえる。
質問したって、答えが帰ってくるわけもないのに。
何をやっているのだろう。
とことんバカな私。
「これから、学校に行けなくなったらどうしよう。お父さんにも心配かけてしまうし......。」
お父さんには、感づかれてしまうまえに、どうにかしてしまわないと...。
学校に行けない理由を聞かれ学校にでも連絡されてしまっては、また大事になる。
告げ口しただろと、あの3人の行動をヒートアップさせるだけだ。