そばにいてほしい。


いつしか、そんな気持ちを抱くようになった。


封印したはずなのに。

人に愛されることをあきらめた。


友達をあきらめた。


そんな贅沢なこと望んだらいけないのに...。


「セナ! 帰ってきたなら声をかけ...」


家に駆け込んで、お父さんの声を無視して2階の自分の部屋にとじこもった。


鞄を投げ捨て、制服のままベッドに倒れ込む。


涙が出た。

泣いたってどうにもならないのに。


私が欲を持たなければ、流さなくてもいい涙だったはずだ。


私はバカだ。


諦めることに覚悟の弱い大バカ者だ。


卒業まで、この学校で過ごさなければいけないのに...。


今度こそ、忘れよう。

人のぬくもりを。


そして、黒崎くんの優しい笑顔を。


私は、ひとりだ。