今朝の天気予報でいつもより早く梅雨入りしたと言っていた。


私をさらに憂鬱にさせる。


黒崎くんの登校は、相変わらずマイペース。


前に瀬戸くんが『親友だからって毎日一緒にいるわけじゃない』と言っていたけれど、黒崎くんがいないとき、瀬戸くんが他の人と一緒にいるわけでもない。


そういうところは、二人の間に深い友情があるのかなと思う。


居場所のない教室は地獄だ。


監視するように私を見る彼女たち。


私にだけ鋭いを目を向け、他の人が話しかければ自然と笑顔でかえす。


私の何がいけないのだろう。


私はただ、黒崎くんが好きなだけ。


彼女と同じ気持ちなのに。


彼女は許されて、どうして私は許されないのだろう。


唇を噛み締めるとからだの奥深くから大きな波が押し寄せた。


4時限目のチャイムがなる直前に教室を走り出す。


廊下で瀬戸くんにぶつかった。


「俺もサボろうかなぁ」


呑気な声をひとり残して、私は走る足をとめなかった。