やっぱり、ビクビクせずにはいられなかった。


私はどうしても人目が怖い......。


「おはよー!ねぇ、ちょっといい?」


仲良さそうに話しかけてきた彼女に、身の毛がよだった。


予感はしていた。それが的中しただけ。


覚悟はしていたつもりだけれど、足が震える。


私は、何でもないふりをしながら、彼女たちのあとをついていった。


屋上へと続く階段には、誰もいない。


そこで立ち止まった彼女たちが、私を振り替える。


私は、ハイエナに囲まれた弱い動物のように怯えて立った。


「昨日、マリカが見たんだって」


なにを?聞くまでもなく、何を見たのかはわかった。


「何をしてたの?」 


言う必要があるのだろうか。


休日に私が誰と何をしていようが、わたしの勝手だ。


それを教える義務もないし、あなたたちに知ってほしくもない。


そう言えたらいいのだけど、その強さを無くしてしまった私の体はどんどん縮こまっていく。


「答えなさいよ」


あなたたちはどのような答えを求めてるの?


みまちがいだよ。


私たちはたまたま会って少しだけ話をしていただけだよ。


それとも、デートに誘われたと、正直にはなす?