部屋の中には、少し知らない人が増えていた その中の1人が、爽大さんを見てこちらに駆け寄ってきた 「爽大、やっぱりだめだ 遺言状らしきものも、遺書も見つからなかった 警察は事故で処理するそうだ」 「そうですか、すみません」 「いや、いい 俺も気になってたから」 綺麗に切られた青髭もない顔 後ろにまとめてワックスで固められひとまとめにくくられた黒い髪 この人は、誰? 「雅、この人はうちのホテルの統括責任者の田所さん」