「乗れよ」

歩道に車を平行に横づけして、運転席から助手席のドアを開けた

素直に乗り込めば、走り出す車

「なんで、何も言わなかった

声をかければよかっただろ」

「忙しそう、だったから

迷惑かけれないし」

「館内走りまわされて、探させる方が迷惑だ

おかげで汗かいっちまった」

ネクタイを緩めて、コンビニの駐車場に車を止める

「財布は?」

「あ、」

「忘れたのか、いい

俺の金で買うから。とりあえずコンビニの中入るぞ

なんか食わねぇと俺も胃がいてぇ」

食べないと、ああ、そうか

もう、何時間も何も食べてないや