「雅、ハンカチ

あと、飲み物これ飲め

唇ガサガサだ」

渡されたハンカチを受け取って、顔を拭いた

幾らハンカチで涙をぬぐっても、ぬぐっても

止まることが無い涙

「飲めるか?」

キャップを開けたまま差し出されたお茶の入ったペットボトルを受け取る

それを、ゆっくり飲んでいった

何が、彼をこんな風にしてしまったのか

どこで、彼がこんな選択をするようなことがあったのか

何が、彼を死の道に引き込んだのか

それだけが、気がかりだった