長椅子の座面に置かれた左手に、そっと手を伸ばしかけて

そっと引っ込めた

“「外では触れないでね」”

そう言っていた彼の言葉が一瞬頭をよぎった

怪しまれない為

不自然さを出さない為

結婚を隠す為

私たちが友達を演じ続けれるようにするため



わたしが、彼の側にいる為に、、、、、。


人前で私は彼に触れない

そして、彼の私に触れない