「雅」

長い指が、頬を撫でる

ふんわりと発された声は、何度も、何度も私を呼んで

「大丈夫だ」

と言って、微笑んでくれる

「ほんとの事を話せばいい

アイツだって、バカじゃない」

「言えない

それをしたら彼は、、、、、」

"彼女"の元に行ってしまう

分かっていたから、言いたくなかった

分かっていたから、認めたくなかった

分かっていたから、知らないふりをしたかった