メールの通知音がして、静かにメールを開く


件名は無し

添付ファイルのみが付いた文字のないメール

写真に写っていたのは、赤い車

そしてそれに乗り込む私の姿と、爽大さん


送り主は、"森崎 悠大"


右手に持っていたはずのフォークが、カランッと音を立てて地面に落ちた

金属音だけが、耳に入って来てスローの反響音のような音を響かせ、耳に流れ込んできた


「捨てられる」


真っ先に思い浮かんだのはそれだけで

彼に突き放されるのが何よりも怖くて

ただ、上手く回らない頭を回しても、いつもみたいな言い訳も出てこない