「雪、、、、」

玄関のドアを開けると、さっきと違う景色

灰色の空から、チラホラと舞い降りてくる

白い、雪

あまり気分が上がらない

ゆっくりとした足どりで駅に向かって歩く

地下道に入れば、地上より幾分かはマシで

ポケットに入れていた手を出して、すこし早足であるく

「雅」

聞きなれた声より少し低い声

駅の近くのケーキ屋さんの前

そこに路上駐車してある赤い車からする声

ハザードランプが点滅する車を、もう何度も見て来た