静かにそのメールを消してメールボックスから離れる

3段のカラーボックスから本を取り出して

気を取り直すついでにパラパラとページを捲った

紅葉の赤い葉の切り絵の施してある黒いしおり

本好きの私に彼が買ってくれたもの

それをもうずっと使っていた

角や側面が若干塗装が外れてシルバーの部分が見える

そのしおりを小指と薬指の間に挟んで前回の続きであるしおりを挟んであったページに目を通す

サスペンス小説で舞台が外国の物語

山場を迎えている物語は会話よりも説明文字の方が多くなっていく

綺麗な物語なんてない

歪んでいて、ひねくれていて

それでいいてリアルではありえないようなことばかり起きる

まるで、おとぎ話のように、、、、


綺麗な物語なんて現実には存在しない