「あ、これ可愛い」

講義のない休日、リビングのソファーで寝転がってソファーの2/3を占領して、彼が座っている

それが、今の私たちの状態

膝枕なんて、多分頼み込んでもしてくれない

寝転がりながらブランドのオンラインサイトを見ながら、気に入ったアクセサリーをカートにいれる。

「何買ったの?」

自分のスマホから目線を外して、私のスマホを覗き込むように見てきて

一瞬で顔をしかめ、眉間に深いシワを寄せた。

自分で見ておいてその反応はどうかとも思う。

「俺のはいらないからね」

「一つしかカートに入れてないよ」

指輪の写真を見て嫌そうな顔をして、また自分のスマホに目線を戻した。

結婚しても、表立ったことはしていない。
だから、私の指にもピンキーリングや、オシャレでつける指輪はいっぱいあっても、左右の薬指には何の指輪もつけてない。

表立ったことをしたくないから、指輪をつけないというのも、彼の趣向だ。もう一ついうなら、彼は私みたいに日常的に装飾品を買ったり、つけたりするのを嫌がるから。

ネックレスも
ブレスレットも
指輪も
ピアスも
イヤリングも

どれも彼は嫌い。

無駄なものにお金を使うのは嫌いな、倹約家だ