「タバコを勤務中に吸うような

そんなタクシーに乗ったのか」

彼の顔を見ていたはずの目線を自分の手元に戻した

タバコの匂い、、、

あの日、タバコなんて吸ってなかった

タクシーだって、清潔な車両だった

原因は、一つしかない

「どこかで移ったんじゃないかな」

誤魔化すように適当な言葉を並べて

ダイニングテーブルの上の自分のスマホに手を伸ばす

一番新しいメールは、消してない

暗号化されたメッセージでも、問い詰められれば終わりだ