「あ!
そういえば、お前の彼女どうなった?」
“彼女”
そのワードが心に刺さる。
自分の親の為にに好きでもない女の人と結婚する。
結婚のそしてフェイクと称して彼女を作るはじめにそれを提案したのは私だけど、もう3年が来るのに、いつ聞いても辛い。
愛されてるのは、彼女の方で、私は彼がのし上る為の道具でしかない。
限定的な結婚だけど、彼のことは、好きだ。
4年しか一緒に入れないことがすごく寂しくて、毎日が過ぎないことを願うばかりで、苦しい。
「いつもと変わらないよ、多分今日家で待ってるんじゃないかな?」
「行ってこいよ、可愛い彼女が待ってんぞー」
ニヤニヤしながら言う友達に、これ以上喋らないで欲しいと願いながら
手提げのバッグにルーズリーフと教科書を詰め込んで、立ち上がる。
この男は午前で講義は終わりらしいが、私はまだ2コマ午後からある。寝ててもどうにかなる授業だけど、それは教授に失礼だから、きちんと起きて受けるつもり。
「じゃあ、僕はこれで。じゃあね、モリちゃん」