「大丈夫か?」

フォーマルスーツの上着を脱いでうつぶせになって布団に身を預けた

今更頭がガンガンと痛む

「下を向くな、吐くぞ」

「うん」

ゆっくり上を向いて、深呼吸をする

「飲めない奴が飲むなよ

それも一気に飲みやがって」

頭を撫でる手

もっと、撫でて欲しい

けれど頭から手が離れる旅に不安が襲う

「手、離さないで」

彼の暖かい手

優しく撫でる手

そんな単純な行為なのに、安心する

「そばに、居て」

「ああ、そばに居る」

手のひらだけは頭に置いたままゆっくり頭を撫でる