「それにしても、悠大の野郎
何であんな峠に行ったんだろうな」
お通夜も終わって、親族以外は会場から出た
残ったのは、爽大さんのお父さんと、爽大さん
そして爽大さんの兄と、私
気まずい空間
「警察の調べでは、速度違反で、カーブを曲がり切れずに山に突っ込んだそうです」
「崖下に落ちなかったのが幸い、ってとこか」
弁当屋で買ってきた弁当をチマチマと食べて
食欲もない、むしろ吐きそうな胃の中に詰め込む
「雅?お前大丈夫か?
顔が青いぞ」
「いい、大丈夫」
近くの瓶ビールを開けて、グラスに一度入れて
胃の中に一気に流し込んだ