ライに洞窟の拡張をお願いして、俺は、カイとウミと洞窟の周りを探索する事にした。
敵性生物の存在も気になるが、植生や水場なども気になっている。できれば、近くで確保できたほうが嬉しい。
「カイ。ウミ。魔物をさけて周囲を回りたいができるか?」
『容易な事です』『もちろんです』
カイとウミから、明快な答えが返ってくる。
周辺と言っても、何が有るのかわからないので、洞窟がある岩山を”まず”は一周する事にした。
カイとウミが先導する形で、岩山を右回りで進んでいく。小高い感じになっている場所だが、洞窟の前の開けた場所を抜けると、木々が生い茂る森になっている。
/***** ライ Side *****/
あるじさまからの命令は、洞窟に通路を作る事。
僕は、カイ兄やウミ姉のように戦えないから、あるじさまからの命令は嬉しい!僕にしかできない事だって言ってくれた。
でも、なんでこんな簡単な事ができないの?
わからないけど、あるじさまの為に、僕は頑張る!
通路はこんな感じかな?
壁とかは、そのままでいいって言っていたから、今度は、部屋を作ろう!
さっきの部屋と同じくらいの大きさって言われたから・・・こんな感じかな?
うん!いい感じ!
そうだ!入り口に、あるじさまが作ったような物を付けたら褒めてくれるかな?
うーん。できそうだから、作ってみよう!
岩だと思ったけど、土だったのかな?
魔蟲が沢山居たみたい。食べちゃおう!
美味しかった。
そうだ、もう少し部屋を作ってみよう。また、魔蟲が居るかも知れない。
あるじさま。カイ兄。ウミ姉。まだかな・・・。
/***** カズト・ツクモ Side *****/
岩山の周りは、自然豊かな状況だ。植生も、地球と変わらないように思える。
大きな岩山だと思ったが、岩ではなく、埋まった状態になっているようだ。
もしかしたら、ダンジョンができていた所に、何らかの原因で、岩が落ちて、入り口を塞いだ。
さらに土砂が、入り口を塞いだ。岩の切れ目の洞窟を、ゴブリンたちが伸ばした結果、ダンジョンと繋がったのではないだろうか?
想像の上に、妄想を重ねた推論だから、別に当っていなくても構わない。俺が納得できればいいだけだ。この仮設が正しければ、あのダンジョンは、"若くない"という事になる。
『ぴんぽーん』
「スクルド様?」
『正解。若くないですよ。古参の部類になります。近くに、もう一個のダンジョンがありますが、そっちは若いですけどね』
「そうなのですね?・・・それよりも、勝手に、俺の思考を読まないでもらえますか?のぞき見なんて、悪趣味ですよ」
『ごめん。ごめん。もうしないから安心してね』
「はぁわかりました」
これは、のぞき見も、思考を読むのも、止めてくれないだろうな。
「カイ。ウミ。戻るよ!」
『はい』『わかった』
洞窟の寄木細工をあわせて、中に入る。
ライが待っているであろう広間に向かう。
え?なに?
「ライ?」
『あっあるじさま。おかえりなさい』
少し甲高い子供っぽい声が聞こえてきた。
「ライなのか?」
『うん!念話使ってみた!』
「え?念話なんて、どこで?」
広間を出るまで、ライにスキルカードがない事は確認している。
短時間で、どうやって?ダンジョンに・・時間的に無理だ。それならどうやって?
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 称号:カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:物理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// レベル1:火種(22)・微風(10)
// レベル2:岩(12)・水(4)
// レベル3:
// レベル4:隠蔽(4)・岩弾(8)
// レベル5:念話(2)・呼子(3)
// レベル6:眷属化(1)
// レベル7:
// レベル8:
// レベル9:
// レベル10:
// 体力:D
// 魔力:F
また、進化している。スキルカードが大量に取得している。念願の水まで得ている。
それに
// スキル:溶解
// ビッグ・スライム固有スキル
// 酸:酸で対象を溶かす(飛ばす事ができる。レベル4の弾が必要)
// 腐:取り込んだ物を腐らせる(飛ばす事ができる。レベル4の弾が必要)
// 溶:取り込んだ物を溶かす。魔力依存。
進化して、固有スキルを得て、一気に部屋を加工したのか?
「ライ。念話のスキルを出して、カイやウミと同じようにしよう」
『うん!』
ライが、スキルカードを吐き出すように出してくる。
「え?念話だけでいいよ」
『わからないから、あるじさまが持っていて!』
「いいの?」
『うん!カイ兄も、ウミ姉も、そのほうがいいって!』
「そうか、わかった。ありがとう」
ライから、出されたカードを受け取っていく。念話のカードを、一枚見つけて、ライに付ける。
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 称号:カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:物理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:念話
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 体力:D
// 魔力:F
固有スキルの枠がまだ有るようだ。
岩弾も付ける。これで、攻撃手段ができた。
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 称号:カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:物理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:念話
// 固有スキル:岩弾(酸弾)
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 体力:D
// 魔力:F
岩弾だけを付けたのだが、”酸弾”が増えている。固有スキルの酸の影響だろう。攻撃手段が増えるのは良い事だ。
それにしても、ライがどうやって、スキルカードを得たのか気になる。もしかしたら、この世界の攻略方法がそこに隠されているのかもしれない。
考察をする前に、スキルカードを取り込んでおこう。
// 固有スキル:固定化(レベル3)
// 固有スキル:眷属化(レベル1)
// 固有スキル:創造(レベル2)
// スキル枠:鑑定
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// レベル1:火種(22)・微風(12)
// レベル2:炎(1)・岩(12)・水(4)
// レベル3:
// レベル4:隠蔽(4)・岩弾(7)
// レベル5:念話(1)・呼子(3)
// レベル6:眷属化(1)
// レベル7:
// レベル8:
// レベル9:
// レベル10:
// レベル∞:転移門(2)
// 体力:G
// 魔力:A-
そうか、固定化を行っていたからレベルが上がったのだな。
枠も増えた事だし、念話を自分につけておくか、眷属化と相性が良さそうだし、これから、カイやウミやライに、指示を出すときにも念話のほうが良い場合も有るだろうからな。
// スキル枠:念話
念話を起動する
『カイ』
『カズト様』
『よかった。これでいいのだな』
『はい。念話ですか?』
『そうだ』
念話は、起動するときに、話したい相手を指定する。指定する方法も、ARで選ぶような感じだ。GUI よりも、CUI のほうが好きなのだけど、これは"by design"だと思って諦めよう。慣れの問題なのだろう。
いろいろ問題はあるが・・・。
「ライ。沢山の部屋をありがとう。扉も付けてくれたのだな」
『はい!あるじさま』
ライが、ぴょんぴょん跳ねている。褒められて、嬉しいという感情が伝わってくる。
転移門を設置する部屋が一つあれば、後はゆっくりと作っていくつもりだったのだが、ライのおかげで一気に解決できそうだ。
広間を見渡すと、7つの部屋が作られているようだ。
一つは、注文通りの大きさで、後はサイズがバラバラだ。ライの気分で作ったのだろう。注文した部屋を真ん中にして、左右に3部屋づつ作られている。
中央を、転移門の部屋にして、右側の小さい部屋が、トイレ。その隣が、風呂。その隣が、炊事場。だな。仮だけど・・・。
左側の比較的大きな部屋が、倉庫で、その隣は開けておいて、一番出口に近い所を寝室にしよう
そうなると、灯りの問題が発生するな。何か、方法を考えないとだめだろうな。いつまでも、剣を松明代わりにしているわけにはいかない。
ゴミの中から使えそうな物を見繕って、ランタンでも作ろうかな?
「カイ。ウミ。ライ。俺は、ちょっと使える物がないか探してくる。自由にしていていいぞ」
『かしこまりました』『はい』『はぁーい』
うーん。本当にゴミだよな。
全部燃やしたい気分になってくる。匂いもきついしな。ライに全部処分してもらったほうがいいかな?鉄製品だけ分けておいて、後は処分でいいよな。布?も気分がいいものでもないし・・・。
決めた、全部処分!
一旦、皆の所に戻って、ライを連れてくる。カイとウミも一緒についてきた。
「ライ。ここに、ある物で、鉄以外の物を全部消化できる?」
『うん!食べていいの?』
「いいよ」
『やったぁぁぁ!!!』
許可を出した途端に、ライが大きくなり、ゴミを飲み込む形になった。5m四方くらいに乱雑に置かれていた、ゴミを飲み込める大きさになり、鉄以外を全部綺麗に消化してしまった。鉄の部分だけを吐き出した。それを、受け取って、形を変えておく。何かに使えるかもしれないので、”融合”させておく事にする。あぁぁ・・・どっかに、伝説の鍛冶職人とか落ちていないかな。そうしたら、道具作りとか、あれや、これや、できるのにな。
生活空間と、転移門は分けた方がいいのだろうか?
スタンピードが発生したときに、逆流してこないとも限らない。二重三重の防御壁を設置できるようにしておいたほうがいいだろうな。
まぁいい。誰かに何か言われるような事でもないし、ここに、転移門を作ってしまえ!
「ライ。その鉄を、さっきの部屋に置いておいて欲しい」
『はぁーい』
「そう言えば、カイやウミは、この暗い中でも見えるのだよな?」
『あっはい。僕たちは夜目が利きます。ライは、周りの魔素を使って、辺りを認識しています』
「そうか・・・。それなら、多少暗くても大丈夫なんだな」
『はい』『うん。このくらいの暗さなら平気!』
『あるじさま。それでは行ってきます』
「あっライ。お願いね。俺もすぐに戻ると思うから、向こうで待っていてね」
『はぁーい』
さて、転移門を取り出して・・・。床に、スキルカードを置いて”発動”。
・・・
・・・
・・・
ん?何も発生しない。スキルカードも無くならない。それに、魔力が抜けていく感じが一切しない。
あれ?
『あぁ客人』
ん?声が?
「スクルド?」
『スクルドは、末の妹になります』
「??」
『はじめましてですね。客人。ウルズといいます』
ウルズと来たか・・・北欧神話の”ノルンの女神”だったよな。
『名前は、客人にわかりやすいように変換されていると思って下さい。神名を聞くと、心が壊れてしまいますからね』
「・・・ご配慮ありがとうございます」
『いえ、いいのですよ。それで、本題に入っていいですか?』
「え?あっはい。お願いします」
『客人は、スクルドから受け取った転移門を起動させようとして、失敗していますよね?』
「そうです」
『それは、起動の為の、魔力が足りていないのです。あの子から、説明はありませんでしたか?』
「・・・いえ」
『そうですか、こちらの不手際のようですね。申し訳ない。簡単に説明します』
「お願いします」
ウルズの説明を要約すると、スキルカードのレベルは、そもそも、スキルを発動する為の、魔力を示している。レベル1は、魔力J。レベル2は、魔力I。と、いった感じで、レベル10で、魔力A。が必要になる。転移門のスキルカードのレベルは∞となっている。これは、魔力Sが必要になり、魔力Sは、魔力A+の上にあたるのだという。
ついでに価値に関しても聞いてみたら、俺にわかりやすい表現として、レベル1は1円。レベル2は、10円。相当という事だ。レベル10では、10億相当になるらしい。この辺りは、街に行って確認すればいいのだが、指標ができたのは嬉しい。
『客人。それで、転移門は、その場所に設置するのか?』
「あっはい。お願いします」
『少し離れていなさい。まったく、あの子は、スキルだけ渡しても、ダンジョンと結び付けないとだめでしょうに・・・』
なにか、ブツブツいいながら、作業をしてくれている。
何も変化は感じられない。心持ち、部屋が広くなった感じがしたくらいだ
『もういいわよ。部屋の中心で”起動”と唱えれば、転移のカウントダウンが始まるわ。魔法陣が展開するには少し狭かったから部屋も大きくしておいたわ。行った事がある階層なら、転移できるからわよ。戻ってくるのも、セーフエリアで、”帰還”と唱えれば戻ってこられるわよ』
「ありがとうございます」
部屋の中心に、俺が置いたスキルカードが残されていた
『カードは、持っておきなさい。今回は、こちらの不手際だから、プレゼントよ』
「え?あ、ありがとうございます」
『それじゃぁね』
軽い感じだけど良かったのか?何も言われなかったし、よかっと思うようにしよう。
今日も疲れた。
部屋に戻って寝よう。明日は、ダンジョン攻略を進めよう。
敵性生物の存在も気になるが、植生や水場なども気になっている。できれば、近くで確保できたほうが嬉しい。
「カイ。ウミ。魔物をさけて周囲を回りたいができるか?」
『容易な事です』『もちろんです』
カイとウミから、明快な答えが返ってくる。
周辺と言っても、何が有るのかわからないので、洞窟がある岩山を”まず”は一周する事にした。
カイとウミが先導する形で、岩山を右回りで進んでいく。小高い感じになっている場所だが、洞窟の前の開けた場所を抜けると、木々が生い茂る森になっている。
/***** ライ Side *****/
あるじさまからの命令は、洞窟に通路を作る事。
僕は、カイ兄やウミ姉のように戦えないから、あるじさまからの命令は嬉しい!僕にしかできない事だって言ってくれた。
でも、なんでこんな簡単な事ができないの?
わからないけど、あるじさまの為に、僕は頑張る!
通路はこんな感じかな?
壁とかは、そのままでいいって言っていたから、今度は、部屋を作ろう!
さっきの部屋と同じくらいの大きさって言われたから・・・こんな感じかな?
うん!いい感じ!
そうだ!入り口に、あるじさまが作ったような物を付けたら褒めてくれるかな?
うーん。できそうだから、作ってみよう!
岩だと思ったけど、土だったのかな?
魔蟲が沢山居たみたい。食べちゃおう!
美味しかった。
そうだ、もう少し部屋を作ってみよう。また、魔蟲が居るかも知れない。
あるじさま。カイ兄。ウミ姉。まだかな・・・。
/***** カズト・ツクモ Side *****/
岩山の周りは、自然豊かな状況だ。植生も、地球と変わらないように思える。
大きな岩山だと思ったが、岩ではなく、埋まった状態になっているようだ。
もしかしたら、ダンジョンができていた所に、何らかの原因で、岩が落ちて、入り口を塞いだ。
さらに土砂が、入り口を塞いだ。岩の切れ目の洞窟を、ゴブリンたちが伸ばした結果、ダンジョンと繋がったのではないだろうか?
想像の上に、妄想を重ねた推論だから、別に当っていなくても構わない。俺が納得できればいいだけだ。この仮設が正しければ、あのダンジョンは、"若くない"という事になる。
『ぴんぽーん』
「スクルド様?」
『正解。若くないですよ。古参の部類になります。近くに、もう一個のダンジョンがありますが、そっちは若いですけどね』
「そうなのですね?・・・それよりも、勝手に、俺の思考を読まないでもらえますか?のぞき見なんて、悪趣味ですよ」
『ごめん。ごめん。もうしないから安心してね』
「はぁわかりました」
これは、のぞき見も、思考を読むのも、止めてくれないだろうな。
「カイ。ウミ。戻るよ!」
『はい』『わかった』
洞窟の寄木細工をあわせて、中に入る。
ライが待っているであろう広間に向かう。
え?なに?
「ライ?」
『あっあるじさま。おかえりなさい』
少し甲高い子供っぽい声が聞こえてきた。
「ライなのか?」
『うん!念話使ってみた!』
「え?念話なんて、どこで?」
広間を出るまで、ライにスキルカードがない事は確認している。
短時間で、どうやって?ダンジョンに・・時間的に無理だ。それならどうやって?
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 称号:カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:物理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// レベル1:火種(22)・微風(10)
// レベル2:岩(12)・水(4)
// レベル3:
// レベル4:隠蔽(4)・岩弾(8)
// レベル5:念話(2)・呼子(3)
// レベル6:眷属化(1)
// レベル7:
// レベル8:
// レベル9:
// レベル10:
// 体力:D
// 魔力:F
また、進化している。スキルカードが大量に取得している。念願の水まで得ている。
それに
// スキル:溶解
// ビッグ・スライム固有スキル
// 酸:酸で対象を溶かす(飛ばす事ができる。レベル4の弾が必要)
// 腐:取り込んだ物を腐らせる(飛ばす事ができる。レベル4の弾が必要)
// 溶:取り込んだ物を溶かす。魔力依存。
進化して、固有スキルを得て、一気に部屋を加工したのか?
「ライ。念話のスキルを出して、カイやウミと同じようにしよう」
『うん!』
ライが、スキルカードを吐き出すように出してくる。
「え?念話だけでいいよ」
『わからないから、あるじさまが持っていて!』
「いいの?」
『うん!カイ兄も、ウミ姉も、そのほうがいいって!』
「そうか、わかった。ありがとう」
ライから、出されたカードを受け取っていく。念話のカードを、一枚見つけて、ライに付ける。
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 称号:カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:物理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:念話
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 体力:D
// 魔力:F
固有スキルの枠がまだ有るようだ。
岩弾も付ける。これで、攻撃手段ができた。
// 名前:ライ
// 年齢:0歳
// 種族:ビッグ・スライム
// 称号:カズト・ツクモの眷属
// 固有スキル:収納
// 固有スキル:物理攻撃半減
// 固有スキル:スキル攻撃半減
// 固有スキル:溶解
// 固有スキル:念話
// 固有スキル:岩弾(酸弾)
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 固有スキル:---
// 体力:D
// 魔力:F
岩弾だけを付けたのだが、”酸弾”が増えている。固有スキルの酸の影響だろう。攻撃手段が増えるのは良い事だ。
それにしても、ライがどうやって、スキルカードを得たのか気になる。もしかしたら、この世界の攻略方法がそこに隠されているのかもしれない。
考察をする前に、スキルカードを取り込んでおこう。
// 固有スキル:固定化(レベル3)
// 固有スキル:眷属化(レベル1)
// 固有スキル:創造(レベル2)
// スキル枠:鑑定
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// スキル枠:----
// レベル1:火種(22)・微風(12)
// レベル2:炎(1)・岩(12)・水(4)
// レベル3:
// レベル4:隠蔽(4)・岩弾(7)
// レベル5:念話(1)・呼子(3)
// レベル6:眷属化(1)
// レベル7:
// レベル8:
// レベル9:
// レベル10:
// レベル∞:転移門(2)
// 体力:G
// 魔力:A-
そうか、固定化を行っていたからレベルが上がったのだな。
枠も増えた事だし、念話を自分につけておくか、眷属化と相性が良さそうだし、これから、カイやウミやライに、指示を出すときにも念話のほうが良い場合も有るだろうからな。
// スキル枠:念話
念話を起動する
『カイ』
『カズト様』
『よかった。これでいいのだな』
『はい。念話ですか?』
『そうだ』
念話は、起動するときに、話したい相手を指定する。指定する方法も、ARで選ぶような感じだ。GUI よりも、CUI のほうが好きなのだけど、これは"by design"だと思って諦めよう。慣れの問題なのだろう。
いろいろ問題はあるが・・・。
「ライ。沢山の部屋をありがとう。扉も付けてくれたのだな」
『はい!あるじさま』
ライが、ぴょんぴょん跳ねている。褒められて、嬉しいという感情が伝わってくる。
転移門を設置する部屋が一つあれば、後はゆっくりと作っていくつもりだったのだが、ライのおかげで一気に解決できそうだ。
広間を見渡すと、7つの部屋が作られているようだ。
一つは、注文通りの大きさで、後はサイズがバラバラだ。ライの気分で作ったのだろう。注文した部屋を真ん中にして、左右に3部屋づつ作られている。
中央を、転移門の部屋にして、右側の小さい部屋が、トイレ。その隣が、風呂。その隣が、炊事場。だな。仮だけど・・・。
左側の比較的大きな部屋が、倉庫で、その隣は開けておいて、一番出口に近い所を寝室にしよう
そうなると、灯りの問題が発生するな。何か、方法を考えないとだめだろうな。いつまでも、剣を松明代わりにしているわけにはいかない。
ゴミの中から使えそうな物を見繕って、ランタンでも作ろうかな?
「カイ。ウミ。ライ。俺は、ちょっと使える物がないか探してくる。自由にしていていいぞ」
『かしこまりました』『はい』『はぁーい』
うーん。本当にゴミだよな。
全部燃やしたい気分になってくる。匂いもきついしな。ライに全部処分してもらったほうがいいかな?鉄製品だけ分けておいて、後は処分でいいよな。布?も気分がいいものでもないし・・・。
決めた、全部処分!
一旦、皆の所に戻って、ライを連れてくる。カイとウミも一緒についてきた。
「ライ。ここに、ある物で、鉄以外の物を全部消化できる?」
『うん!食べていいの?』
「いいよ」
『やったぁぁぁ!!!』
許可を出した途端に、ライが大きくなり、ゴミを飲み込む形になった。5m四方くらいに乱雑に置かれていた、ゴミを飲み込める大きさになり、鉄以外を全部綺麗に消化してしまった。鉄の部分だけを吐き出した。それを、受け取って、形を変えておく。何かに使えるかもしれないので、”融合”させておく事にする。あぁぁ・・・どっかに、伝説の鍛冶職人とか落ちていないかな。そうしたら、道具作りとか、あれや、これや、できるのにな。
生活空間と、転移門は分けた方がいいのだろうか?
スタンピードが発生したときに、逆流してこないとも限らない。二重三重の防御壁を設置できるようにしておいたほうがいいだろうな。
まぁいい。誰かに何か言われるような事でもないし、ここに、転移門を作ってしまえ!
「ライ。その鉄を、さっきの部屋に置いておいて欲しい」
『はぁーい』
「そう言えば、カイやウミは、この暗い中でも見えるのだよな?」
『あっはい。僕たちは夜目が利きます。ライは、周りの魔素を使って、辺りを認識しています』
「そうか・・・。それなら、多少暗くても大丈夫なんだな」
『はい』『うん。このくらいの暗さなら平気!』
『あるじさま。それでは行ってきます』
「あっライ。お願いね。俺もすぐに戻ると思うから、向こうで待っていてね」
『はぁーい』
さて、転移門を取り出して・・・。床に、スキルカードを置いて”発動”。
・・・
・・・
・・・
ん?何も発生しない。スキルカードも無くならない。それに、魔力が抜けていく感じが一切しない。
あれ?
『あぁ客人』
ん?声が?
「スクルド?」
『スクルドは、末の妹になります』
「??」
『はじめましてですね。客人。ウルズといいます』
ウルズと来たか・・・北欧神話の”ノルンの女神”だったよな。
『名前は、客人にわかりやすいように変換されていると思って下さい。神名を聞くと、心が壊れてしまいますからね』
「・・・ご配慮ありがとうございます」
『いえ、いいのですよ。それで、本題に入っていいですか?』
「え?あっはい。お願いします」
『客人は、スクルドから受け取った転移門を起動させようとして、失敗していますよね?』
「そうです」
『それは、起動の為の、魔力が足りていないのです。あの子から、説明はありませんでしたか?』
「・・・いえ」
『そうですか、こちらの不手際のようですね。申し訳ない。簡単に説明します』
「お願いします」
ウルズの説明を要約すると、スキルカードのレベルは、そもそも、スキルを発動する為の、魔力を示している。レベル1は、魔力J。レベル2は、魔力I。と、いった感じで、レベル10で、魔力A。が必要になる。転移門のスキルカードのレベルは∞となっている。これは、魔力Sが必要になり、魔力Sは、魔力A+の上にあたるのだという。
ついでに価値に関しても聞いてみたら、俺にわかりやすい表現として、レベル1は1円。レベル2は、10円。相当という事だ。レベル10では、10億相当になるらしい。この辺りは、街に行って確認すればいいのだが、指標ができたのは嬉しい。
『客人。それで、転移門は、その場所に設置するのか?』
「あっはい。お願いします」
『少し離れていなさい。まったく、あの子は、スキルだけ渡しても、ダンジョンと結び付けないとだめでしょうに・・・』
なにか、ブツブツいいながら、作業をしてくれている。
何も変化は感じられない。心持ち、部屋が広くなった感じがしたくらいだ
『もういいわよ。部屋の中心で”起動”と唱えれば、転移のカウントダウンが始まるわ。魔法陣が展開するには少し狭かったから部屋も大きくしておいたわ。行った事がある階層なら、転移できるからわよ。戻ってくるのも、セーフエリアで、”帰還”と唱えれば戻ってこられるわよ』
「ありがとうございます」
部屋の中心に、俺が置いたスキルカードが残されていた
『カードは、持っておきなさい。今回は、こちらの不手際だから、プレゼントよ』
「え?あ、ありがとうございます」
『それじゃぁね』
軽い感じだけど良かったのか?何も言われなかったし、よかっと思うようにしよう。
今日も疲れた。
部屋に戻って寝よう。明日は、ダンジョン攻略を進めよう。