「ごめん」

タケちゃんは、謝ると優しくわたしを抱きしめた。
そばにいてほしい、と囁かれる。
わたしは返事をするかわりに、ギュッと腕を彼の背中に回した。
涙がまた込み上げてきて、言葉に出来なかったからだ。
それに安心したのか、タケちゃんはそっと唇を重ねてから、また「ごめん」って言った。

眉根をきゅっと寄せ、申し訳ないと全身で訴えてくるような話し方だった。
いつもの優しいタケちゃんに戻ったって、その声のトーンでわかった。

思いきり首を横に振ると、そのままブラウスの中に手をいれられた。
ブラジャーがたくしあげられて、そこにチクッとした痛みがはしる。
タケちゃんはわたしを見上げると、今度は優しく胸の先を吸って、手で遊んだ。
唇はわたしのお腹や太ももを移動する。しばらくそれが続いて、ようやく、タケちゃんの唇がわたしの唇に触れる。舌先を絡めながら、タケちゃんはわたしの中に入ってきた。

こうしてわたしを傷つけたあと、タケちゃんは驚くほどの優しさをくれる。

だからタケちゃんちの家から帰るとき、たまにぼんやり思い出すんだ。