「うん!だから急いで行って一緒に食べようよ♪」

早く早く!と高木達に引きずられるように千夜子は学校を出た。

その後を黙って付いてきたのは千夜子の護衛役のおくりいぬだ。

彼はいつでも千夜子のそばにいて帰宅するまで見守ってくれる頼もしいあやかしである。

開店したばかりのジェラート屋さんは町の商店街の一番端っこにあった。

「わぁ……すごい。並んでる。」

町中の女子中高生が集まったんじゃないか?と思うくらいの行列だった。

「これはすごい!噂以上に大盛況だわね~」
のんきにそう答えたのは永田みずき。
「よし!私たちも並ぶわよ!」
威勢良く叫んで列に突進していったのはスポーツ万能な山下あかね。

小夜子たちもそれに続いて行列の一部となった。
長期戦を覚悟したのか?
小夜子の足元でおくりいぬが丸くなる。