空白の六ヶ月。詩織が僕の元から姿を消すまでの間に一体何があったというのか。どういう気持ちの変化があり、どういう経緯で、子供を身篭ったというのか。

 病院で妊娠の話なんて出なかった。医師の口からも詩織の口からも。もちろん、病室でそんな行為に及ぶはずもない。

「とにかく……詩織は結婚したんだね。君がいるということは……」

 僕の目の前から姿を消した詩織は、別の男と結婚し、子供ももうけた。リコが存在すると言うことはそういうことだ。それしか考えられない。