「お姉ちゃん、ああいう人タイプなんだ。意外」
「は?」
「送ってくれたの彼氏なんでしょ?」
「か、彼氏じゃないよ」
「え? じゃあ友達?」
「う、うん」
「……ふうん。私、あの人のこと見たことあるよ」
「えっ? 本当に? 美織もなの? どこで?」

美織の発言に柚月は驚いたけど、それ以上にその続きが知りたくてつい急かしてしまう。
ハローくんと出会った当初から感じていた懐かしい感覚の答えが掴めるかもしれないからだ。

「えっ? 美織もなのって、どういうこと?」
「私もね、前から彼に会ったことがあった気がしてたんだよ。すごい懐かしい感じがしたの。
でもね、どこで会ったか思い出せなくて。
美織も見たことあるってことは一緒に会ったことあるってことだよね?
どこで会ったのかな?」

柚月は期待で胸が膨らんだ。
例えば美織と幼い頃、どこかで会ったことがあるというのなら、柚月の記憶ということになり、柚月がハローくんに訊けずにいたことも伝えなくて済むからだ。
むしろ、今ではそっちの方がいいとさえ思っていた。