「うん。同じかもしれない」

同じような温度で会話をしている感じがすると、柚月は安心感に包まれ笑みが自然と溢れていた。
知らなかっただけで他の人でもこういう感覚があるんだと知れたことも嬉しかった。

「じゃあお花に天使を感じられるかもしれないから。受け取って」

一瞬躊躇ったが、彼は観念したかのように笑い
「うん、わかったよ。ありがとう」
とブーケを受け取り眺めた。

それにしてもと柚月はさっきのことを思い出してまたクスクスと笑いが零れてしまう。

「なんで笑ったの?」
「なんかさっきのこと思い返すとおかしくて。あんなに走ったの久しぶりだったから、気持ち良かった」
と伸びをした。

「変な子だねー」

さてと彼は携帯を見た。ここできっとお別れだと気づいて、柚月は咄嗟に

「……あ、あの。私、さっきの駅前にあるココナっていうスイートポテト屋さんで働いてるから、良かったら食べに来てください」

でしゃばったと思ったが彼はにっこり微笑むと「うん。わかった。今度行くよ。じゃあ俺、行くね。そういえばここからの帰り道わかる?」

「あ、うん。わかります。家、近いので」
「良かった。じゃあココナちゃん、またね」

そう言って彼を見送りながら、またねという言葉を反芻していた。