彼をわかったような気になっていただけだと恥ずかしくなり、居たたまれなくなる。
もしかしたら、それを見抜かれていたのかもしれない。
柚月は彼が連絡を寄こさなくなったのは当然だとさえ感じてくる。

「だから、こんなに気持ちがこもったもの、私なんかが受けとっちゃいけないんです」

俯いた顔を上げられないでいると
「柚月ちゃんも春のこと大事に思ってくれてるんだね。ありがとう」
保奈美さんは、穏やかな口調でお礼を述べた。

「思ってます。だけど……」
それ以上に罪悪感や恥ずかしさを感じて、その言葉さえも受け取れない。

「間違ったって自覚したら、その気持ちから離れればいいだけだよ」
「……」
「なんて、私もあの子とだいぶやりやってきたからね」
「やりやってきた?」
うんと頷く。