Chapter0






Chapter0






おはようございます?

こんにちは?

こんばんは?



どれか分からんけど、こにゃにゃちわ~(古っ


うちは本作の主人公、榊(サカキ)。
20代前半、ピチピチの女の子やで!


そこ!
挨拶も言い方も古いとか言わんといて。


うちも、やり過ぎたと思うて凹んでる最中やから。


………って、そんなんどーでもええねん!


この物語の中身としては、うちの勤める【蜀仙(ショクゼン)】っていう会社での出来事をうち目線で纏めたもんや。


小さい会社でな、エプロンとか服とかの受注生産と卸売りとかやっとる。

最寄り駅からは徒歩10分もかかる上に、いりくんどるから不便なとこやけど、うちの家からは徒歩3分で着くねんで!


そんな便利なとこに勤めてんねんけどな、許されへんというか、理解に苦しむというか……



会社も会社の人達も、めっちゃカオスやねん!



性格も仕事のやり方も、とにかく全部や。

社会人として働いたことがないうちが言うのもあれやけどな………



何十年生きとって、
何を学んでんね――ん!!!



って言いたなる事ばっかりや!


まぁ、心ん中ではめっちゃ言うとるけど。


最近我慢の限界越えて、つい口に出てまう時もあるから気を付けなな。

(もちろん、周りに誰もおらん時やで!)



こんな感じやから、1年ぐらい前から転活してんねんけどそないに上手くいかんな……


ストレス溜まり過ぎて休みたーい、っていう欲求の方が勝ってまうねんなー。



………まっ、転職のことは一旦おいとこか。

しばらくは出来ひんと思うし(泣



ではでは、次のページから会社の話に戻るで。

うちはとりあえず事務ってことで入ってん。

簡単に事務言うたけどな、そんじょそこらの事務とちゃうで。


ちいちゃい会社ならでは、やで。



分かりやすいように箇条書きにするな。


・仕入売上~請求書発行までの諸々
・電話諸々
・来客とお茶出し諸々
・掃除諸々
・生産管理諸々
・入荷出荷諸々




めちゃめちゃ簡単にまとめただけやからな。(ここ重要やで)

前置きでごちゃごちゃ説明するより本編で紹介するわな。(順序バラバラなんはご愛嬌やで)


まぁ多少?愚痴も混じってるかもやけど……


因みに、大きい声では言われへんけどな……


なんやコメディってゆうてるけどな、コメディかどうかは不明やねん。


むしろ、コメディやなくてカオスっぷりをお伝えしたいねん。


あるある~とかありえへんとか、ゆる~い感じで読んでいってOKやで。


あっ、因みに……

うちの会社にはもっと凄いのがおるとか、こんなかわし方あるでとかあったら是非とも共感&参考にしたいから感想ノートに簡単でも書いてくれると嬉しいで。



そして、仏の様な心と温かい目で見たってな!






それでは……………





レッツゴーや!!!!!!

Chapter1






Chapter1







最初に事務所の説明しとくわな。


事務所は2階建て。

鉄筋コンクリートの古い建物でな、雨漏りもするしシャッターなんて壊れてて上まで全部あげられへんねん……。


朝、開ける時いちいち停止ボタン押すねんで。

面倒やわ(怒


直さんのはな、お金がかかるからやで。

お金がないからちゃうねんで。

従業員が開けるからな、40代の2代目社長の自分は関係ないから出来ることやねん。



……で、話戻そか。
うちがいるんは1階。

エプロン縫うミシンやら荷物やらが密集(うちに言わせれば散乱)してる。


中2階があって、倉庫内事務所って感じや。


2階は会長と会長の奥さんの綾牝(アヤメ)さんがおる。



因みに、昔は2階に事務所で、1階が倉庫だったらしい。

けど、同室の会長が煩くて移動したらしい。(迷惑な!)


でも、会長のことは長なるからまた今度な。

倉庫やからもちろん冷暖房なし。


夏は、送風機だけやから汗ダラダラで開けっ放しの為に虫入り放題(泣

昆虫嫌い&蚊に刺されやすいうちにとっては大問題や!



冬は、分厚いダウンジャケット着こんでストーブのみで冷え冷え(泣


冷え性のうちにとっては大問題や!



大問題ばっかりやな……



2階にはエアコンあるのに、荷物で埋もれてて部屋使われへんねん!



従業員の職場環境を整えるのも
会社の義務やでー!!(叫

Chapter2






Chapter2







事務らしく、伝票入力から教えてもろうたで。



事務作業をしとるのは、うちの他に2人。


直属上司に当たる角橋(スミハシ)さん。
50代白髪混じりの男の人や。



もう一人は、お局に当たる咫穢臀(シエジリ)さん。

60代の典型的なおばさんって感じの女の人や。


咫穢臀さんは、お客さんがうちから送った仕入先のカタログ見て商品を仕入れて売る。

まぁ、いうなれば卸売りに近い業務専門。


角橋さんは、咫穢臀さん以外の業務全般やな。

受注生産管理ってとこやな。




で。

会計ソフトの入力を教えてもろて、伝票入力スタートや。

仕入先からきた伝票をソフトに入力して、入力済の印を押して終了。


……まっ、普通やな。


でもこの後が、他とはちょっと違う。

(まぁ、他知らんけど。)



入力した伝票は、普通はファイリングすると思う。

普通は。


でも、咫穢臀さんの場合は違う。


プラスチックのカゴにINや。


百均で売ってるA4サイズの便利なカゴ。


机の棚の上にあるそれにIN。



入力した順にINやから、仕入先も日付も何もかもバラバラ。


しかも、それファイリングするんはうちの役目やねんでー(泣

カゴINは許そう。


バラバラなんも許そう。



個人の自由やからな。


でも、許されへんことがある。


うちは、片付けが好きでファイリングも得意や。

それに伝票が溜まるんは性に合わん。


だから、入力済分は溜まらんうちにファイリングしててん。


誰でも見易いやろ。


ってか、ファイリングの意味ってそこやろ。



でも、咫穢臀さんは違ってん。


うちが溜まったら大変、探す時楽にしよう、そう思ってファイリングしてたら何て言われたと思う?


それはやな…………





「そんなキッチリしてたら息が詰まるわ。」

はぁぁぁぁぁっ!!!???



今、このおばちゃん何て言うた?


息が詰まる、やて?


キッチリしてたら……??



と、内心こんな感じやったけど、うちは偉い子やから文句なんて言わへんで。



「……分かりました。」



笑顔貼り付けて、これで終わりや。



因みに、息が詰まる言われたから放っておいて言われるまでやらんかったら………



「溜まってるけど、ファイリングしないの?」



…………。(怒



どないしたらええねんっ!!


おばちゃんの鈍い思考回路にはついて行かれへん……



ってか、ファイリングってキッチリしてたらあかんかったんかなぁー(遠い目

Chapter3






Chapter3







毎朝な事務所の掃除すんねんけど、うちと角橋さんだけやねん。

理由は、他の人がうちと角橋さんより30分~1時間半ぐらい遅い出勤やからや。(重役出勤かっちゅーねん!



角橋さんは、トイレの拭き掃除。

このトイレ壊れてんねんけどな。
理由は忘れてもーたけど。



で、仕方がないからトイレは2階にあるのを使ってんねん。



で、角橋さんのトイレ掃除の間にうちは……

事務所の周り(反対側の道路までやで)のゴミ取り

事務所の掃除機がけ(縫製しとるから糸屑いっぱい)

2階のトイレにある手拭きのタオル洗い(手洗いやで)



これだけしたら30分は経過する……


朝から疲れるわぁー(疲労困憊

朝一で掃除かけても、縫製しかけの商品とか移動すると糸屑落ちんねん。


マットとかひいてるから取るの絡まって余計に大変やねん。

電気配線が交錯しまくりやから、マットどかされへんしな(溜め息


そんなんですぐ散らかるから掃除機は朝かけんねんけど、今でも忘れられへん咫穢臀さんの一言があんねん。



うちが朝掃除機かけて1時間半後出勤した咫穢臀さん。


散らかってんのは日常にも関わらず……



「汚れてる。ちゃんと掃除したん?」



…………はい?



掃除機かけたし、汚してんのはうちちゃうし、1時間半も経ってりゃ汚れるやろ(怒



と、内心イラついたんやけど、まぁお局様や。

逆らわん方がええ、と判断して


「すみません。今手が離せないので、これが終わったらやります。」



と、しおらしく返事したんやけど、お局様は我が儘やった。

掃除機を持ってきて、
なんとかけ始めた!!!



角橋さんが電話をしている最中にも関わらずや!
(掃除機は業務用ででっかい音がすんねん)


立場上うちがやらなあかんから、うちが急ぎでやってたお客さんの業務を止めて、「やります」ってゆーてんのに………


無視。


仕方がないから、業務に戻ると……(忘れられへん一言、ここやで)



「私、掃除婦ちゃうねんけど。」



………はっ?



一瞬意味が理解出来ひんかったわ。



掃除婦ちゃう?



うちだって違うわぁぁぁ!!!(絶叫

余談やけど、交代制は絶対無理やねん。


出勤時間が違うからや。


しかも咫穢臀さんは、

仕事前に掃除をする、
女は掃除とお茶汲みは当然

って思い込んでるからな。



自分でせーへんくせにな。

女やったらうち以外にもおるしな。


でも、事務所のゴミ集めは帰る時でええねんで。

これもうちがやんねんけどな(呆



お局様の扱いって難しいなぁ(悩

Chapter4






Chapter4







続いては、事務には欠かせない請求書発行や。


得意先、請求書やから売先やけどな、2000件もあんねん。

ちっちゃい会社やのに、なんでこんなに多いかっていうと……


売り先におっきい会社があって、そこのグループ企業への売上が多いからやねん。



大まかやけど商品別に口座管理してて、

グループ企業別
商品別


やから、枚数が多いのなんのって!


月に4回締日があんねんけど、

咫穢臀さんは、担当外らしく全く知らん顔。


角橋さんは、「いけるやろ」と言いつつ、一番多い末締だけは10分の2ぐらい手伝ってくれる。


まぁ、手伝ってくれる理由は、昼過ぎてから締めるから、うち一人だけやったら郵便局閉まってまうからやで。

因みに、うちが勤める前は請求書発行は
社長の奥さん(両方40代やで)である鶏虎(ケイコ)さんと
角橋さんの2人がかりで

次の日(2日)までかかってたらしいで。



いくらなんでも、かかりすぎやわ……

Chapter5






Chapter5







さて、下っぱ事務員はお茶汲みも仕事や。



お客さんに淹れるんはええねんけど、従業員にまで入れろときた。


最初の何ヵ月かはやったけど、後はフェードアウトしていったで。



咫穢臀さんはグチグチ言ってたようやけど、自分が飲みたいだけやからな。


うちは秘書ちゃうねん!

自分で飲み物持ってきてるしな!



自分のついででもあれへんし、媚売るような相手でもあれへんし……

つか、強制されるようなもんやないっ!




時代は目まぐるしく動いてんねんで!!!

あぁ、そーいえば、


お茶汲みは女の仕事ゆうてた咫穢臀さんやけどな、


自分でお茶汲みなんてせーへんで。


全部うちを顎で使うだけや。



電話してても、違うお客さんの対応してても、終わったら入れる。


うちがな。


何十分経過しててもな。



「はよお茶入れや。」



………お客さん待たせてんのあんたやぁー!!!

Chapter6






Chapter6







出金処理もやってんねん。



まず、咫穢臀さんがカゴにINした伝票を丸々1ヶ月分を整理。


枚数が多い上にバラバラやから、1時間はかかんねん……(はぁ


うちが処理した伝票は、その都度ファイリングしてるから問題ないねんけどな。



そっから、仕入れ先から来た請求書と伝票を漏れがないかチェック。


未納の商品の伝票は発注書と一緒においてあるから、それ以外は大抵漏れは無いで。



それが終わったら、やっと電子の方に移る。



ここまで合計2時間。


広げへんと整理出来ひんぐらい膨大な量やから、机で出来ひんねん。


かといって、机以外に場所ないから事務所で一番でかい机がある応接室でいつも作業。


お客さん来ないかヒヤヒヤや。

電子、つまり会計ソフト

それに入力されている仕入合計額



仕入れ先からの請求書の額


が一致していたらOKや。



でも、これがすんなり一致してくれへんねや!


しかも、咫穢臀さん入力分ばっかり。



人間やから間違えることもあるやろう。


でも、間違える率が半端ないねん。




仕入れ先500件あるから、つき合わせるだけでも大変やのに、作業増やさんといてー(泣

Chapter7






Chapter7







ちっちゃい会社でも、蜀仙は出荷がやたら多い。


グループ企業向けが主やけどな。



特に、咫穢臀さん担当の商品がめっちゃややこしいねん。


数種類の仕入れ先から
数種類のカタログ(1つの仕入れ先でも幾つかあんねん)をお客さんに送る。



で、お客さんが気に入った商品を一旦蜀仙に入れて、グループ企業ごとに送んねん。



一旦入れんのは、咫穢臀さんが面倒やからや。

いちいち送り先のグループ企業の住所とか書くのが嫌らしい。


だから、咫穢臀さんの仕事はカタログから注文して伝票作って終わりや。


それを仕分けして、検品しながらまとめて、荷造りして、送り状書いて、送んのは


うちの仕事や。


頭、痛なってくんで。ほんま。

せめて、送り状書いてくれると有難いねんけどな。

咫穢臀さんは、絶対せーへん。


運送屋の人が来て、うちが早よせなって急いでる時も



「早くしーや。待ってはるで。」



椅子に座って、のんびりお茶をすすりながら咫穢臀さんは言う。



運送屋の運ちゃん苦笑いや。



ほんま、恥ずかしかったわ~



「急がんでも大丈夫やで。」



と、運ちゃんが優しくゆうて荷造り手伝ってくれたんは嬉しかったわ!



角橋さんおらんくて重い荷物1人で運ぶの大変で、めっちゃ助かったんや。



運ちゃんの仕事増やしてもーて申し訳なかったけど、運ちゃんありがとうな!

Chapter8






Chapter8







うちには、蜷縄(ニナワ)さんっていう40代の男の営業さんが1人おんねんけど、海外進出の為に海外に行ってもーてん。


まぁ、そこまではええんや。


けど、その後、蜷縄さんの代わりを誰も入れへんかってん。


だから、そのしわ寄せがうちと角橋さんに全乗せや。


蜷縄さんがやっていた営業回りはやる人おらんし、クレームの時だけ角橋さんが得意先に出向くスタイルになってもーてん。


新規開拓出来ひんから、既存ばっかでグループ企業頼みや。



子会社ちゃうねんけどなぁ~

一般事務+経理事務を目指しとったのに、こんな感じで営業事務になってもーた(泣



あんま得意ちゃうねん。

電話とか。



もう、慣れたけどな。



発注書貰って、縫製して、納期を進行状況やら考えて交渉して、伝票作って、荷造りして、納めたと連絡して……


一連の流れはこんな感じやな。

まぁ、普通やと思う。


流れ的には。



でも、普通は営業と一緒にやることや!

うちは営業ちゃうねん!



営業1人はいるわ!お客さんのこと考えたれやー!!!

Chapter9






Chapter9







(株)蜀仙には、うちが入る3年ぐらい前から外国人が1人おってん。


辞めてもーてんけど、戈殳(カシュ)ちゃんゆうねん。


戈殳ちゃん、みんながちゃん付けで呼んどったからうちもそれに倣ったんやけど、うちより10も年上やねん。


戈殳ちゃんがまたカオスやった。



私用の電話
音楽を聞く
お菓子を食べる
お喋りをする
携帯でテレビを見る
私物の宅配先を会社の住所にする




事務方やなくて、縫製の方やってんけど、自由過ぎるわ。


いくら文化の違いがあってもあかんやろ………

まぁ、間違いとか日本の働き方とか分からんからする。

と、うちは思ってんねんけど、普通は教えてくれるやろ。

間違ってるで。って。



それが、蜀仙は違ったんや。


戈殳ちゃんやからしょーがない。




…………えっ?!



間違ってることやんな?

電話も取らんと、やで?

優しくすんのと甘やかすのは違うで。




うちが戈殳ちゃんに言えたら良かってんけどな……


指導の立場やないからなぁ…



戈殳ちゃんは素直やしめっちゃ良くしてくれたから、辞めてもーて残念やわ(悲

Chapter10






Chapter10







会長のことでも話そか。


会長は70代で社長の父親や。


まーこの会長のカオスっぷりは半端ないで!


自分中心さが半端ない。

咫穢臀さんの比やないで!



普段2階おんねんけど、10分に一回は内線が鳴る

用は、書くんも面倒な下らんもんばっかり。

しかも、この会長は待てが出来ひん。

お客さんおっても、急ぎの仕事してても、荷造りしてても、


自分の用が先。


唯一待つんは電話中やな。



同じく70代の奥さんである綾牝さんを呼ぶ時何てゆうと思う?



「おーい」


しかも、大声で連呼。




何故か分かる?


動きたくないからや。


内線も連呼も、自分の机から。


で、呼んでおいて自分の用件が済むまで待て、やで!


文書作る時なんか最悪や。


そういう時って、作って欲しい文面紙に書いて渡すやんか。


この会長、うちが来てから書き始めんねん。

考えながら書くから時間かかりまくりや!


その時間で、他の仕事したいねんけどなっ!(怒

怒鳴り声も半端ない。


1階におっても聞こえてくんねん。



受話器やっておっきな音立てて置くし、女性に対して貴様とかゆうし、人が間違えると怒鳴るのに自分の間違いはすまんの一言やし。


パソコンのことを教えてくれとゆう割には、覚えようと努力せーへんし、うちが書いた紙を1時間で無くす。


小学生の方がまだ賢いわ。



それに、元気付けのつもりやろな。

背中をおもいっきりたたいてくんねん。

痛いゆうても止めへん。



セクハラとパワハラで訴えたら、勝てるレベルやで。

この年代の性格は他人がゆうても聞き入れず治らないゆーことは承知の上。


や・け・ど、後輩が入ってこーへん職場やからパソコンに詳しいのもうちしかおらん。

といっても、うちも普通より知らんからめっちゃ困るねんけど。


そんなんで、パソコンやら下っぱやから雑用とか必然的に回ってきて他の業務をめっちゃ圧迫。



仕事にならんって、社長、つまり息子にゆうても、



「すまんなぁ。堪忍な。」



まさかの一言だけで、改善する気全くあれへん!



自分の親ぐらい何とかせーや!!!



しかも、昔はデザイナーとかおったらしい。

2階にデザイン室があんねん。(今は物置やけどな)



でも会長が煩すぎて、結局みんな辞めたらしい。



………辞めて正解やわ(納得

まーこんな感じで、
会長以下一族とうちは、
性格上全く合えへんねん。



最初はな、仕事やし笑顔でスルーしてきてん。

でも、我慢の限界を越えてもーた。


温厚なうちも、堪忍袋の緒が切れたちゅーこっちゃ。


緊急の用以外は返事だけして後回しにして相手にせーへんかったり、分からんふりしてとぼけとる。

まっ、後回しやけどちゃんとやるで。

仕事やからな。



新人やからって、最初から飛ばして頑張ってもーて甘やかし過ぎたなぁ。


もっと経営の中枢に近付く仕事したいねんけど、合わせんとめっちゃ煩い。


成長出来きひんし、頑張っても評価など無意味やから、レベル落としたわ。


低レベルに合わせるんは
ストレス溜まるわ~(疲

Chapter11






Chapter11







会長繋がりでもうヒトネタいこか。


入社してすぐ、会長が窓口の得意先から打診があってエプロンのリースを始めたんや。


縫製して納品、で分割支払い。


……までは、良かったんや。


得意先がエプロンの洗濯まで注文しよった。


しかも、2、30枚を1ヶ月に1度。

納品したん300枚やねんけど!

洗濯数、ほぼ一割しかないやんか!



勿論、会長は自分でせーへん。

洗濯の仕事なんてしたことも無いのに良い顔したくて引き受けて、結局うちに押し付けや。



(株)蜀仙は、受注生産の会社!

あんたが作った会社やろっ!

洗濯(正式名知らんけど、意味は洗って乾かして畳んで納品の一連作業ってこと)なんてどーすんねん?

っと思っとった。



しかぁーし、答えは簡単やった。

うちの家の真反対方向で知らんかってんけど、蜀仙から徒歩5分のとこに、コインランドリーがあるんや。


そこで洗濯、やて。


……うん。意味が分からん。



1ヶ月に2、30枚しかないエプロンを何故蜀仙が?


納品の枚数的に専門の業者とかは?


お客さんに納めんのにコインランドリー?



そして、何故うちが?!




疑問符飛びまくっとったわ。


ほんま腹立つわぁ~!


歩いて行けるし、月一やし、2、30枚だけやし、簡単やろ。


っていう態度と顔。

歩いて行けるけど、徒歩5分ってことは往復10分。


2、30枚なんて手で持ち運びなんて出来へんから、台車へ積む。


洗いに30分、乾きに30分、洗濯機と乾燥機は別々やから一々往復。


薄手と厚手があり、厚手は乾きにくいから小分け。そのせいで、乾燥機埋まる。


埋まるから、他のお客さんの迷惑を考えたら時計チラチラ見ながらヒヤヒヤ。


両替機なくて、100円玉しか使われへんから、一々鶏虎さんにお金を貰う。

因みに、鶏虎さんの持ち合わせが無い時は銀行へ両替に行くんやけど、それさえ待たれへん。

札やるから両替してこい。


内線やけど、キレそうになったわ。



そして、金額的には1回3000円ほど使う。

リースの売上しかないから赤字やで。



赤字やのに、合計2時間以上もかけてうち何やってんだろ……(呆

Chapter12






Chapter12







さて、蜷縄さんが海外に行ってもーて早数ヶ月。


今までは外注しとった縫製作業等を事務所でやることになってん。

1階奥が物置場からミシン場へ大変身や。



新しい職員が4人増えたから一気にご紹介や。



会長時代から付き合いの襷苳(タスキドウ)さん。

会長と同じ70代で背のちっこい女の人や。


縫製作業全体を仕切っとる。


数年前までは、自営で縫製工場しとったらしいけど、旦那さんが病気で倒れて一度辞めたらしいねん。


でも、うちで自社工場作るゆうて話つけたらしいわ。


だから、内職作業の繋がりはあるらしくて重宝しとる。

次は、ミシン踏んどる杤吐(トチバ)さん。


サザエさん的なフワフワ頭の女の人。

襷苳さんとは同級生やねん。



もう一人、ミシン踏んどる人がおんねん。


番濡雌(ツガヌメ)さんや。


襷苳さんの娘さんでな、40代のお母さんや。



親子で同じ行動……主に事務所出る時に必ずといっていい程忘れもんするで。



ほんま親子って変なとこばっかり似るんやなぁ(諦



最後は、妻傳(サイヅタ)さん。


60代のちょっとアフロな女の人。


出来上がったエプロンは、所々皺がついとる。

それを、アイロンかけるのと、畳んで袋に入れるのが仕事や。

以上、新入り?紹介終了や。



と、ここまでで皆気付いたやろか。



男手がめっちゃ少ないことに。



布製品って結構重たいねんで。


会長は絶対動かんし、

社長はほとんどおらんし、

蜷縄さんは海外やし……


おかげで筋肉めっちゃついたけど、角橋さんおらん時は、ほんま大変なんや(疲

Chapter13






Chapter13







蜷縄さんが引き継ぎせんと行ってもーたし、縫製作業も手探りやしで、てんやわんやしとった。


それも、落ち着いた頃、問題発生や。


被害はうちやねんけど、大きく言えば会社にまで及ぶことが次々と。


まぁとにかく、聞いたって。

まず、定期的に出る定番のエプロンがあるんや。

海外縫製でな、めっちゃ乱雑につめらてんねん。

それを畳んで袋に入れるんや。


担当(電話の窓口)は咫穢臀さんやねんけど、作業をすんのはうちや。


どれだけ枚数があろうと咫穢臀さんは電話の窓口だけ。

まぁ、それはええねん。

諦めとるから。


で、畳む→袋詰め→出荷がうちがする流れやねんけど、

出荷が重なると間に合わんくなることがあるから

手が空くor手が空かなくても

後々自分が大変にならんように無理矢理畳むようにしてんねん。

でも、畳んどったら襷苳さんがトコトコ、うちんとこ来て



「それ、急がんね。こっちやって。」



担当エプロンをドサッと目の前に積み上げだした。


目の前の出来事に固まってしもうた。


て、手伝えと?!


特に急ぐ必要がなく、納期も迫ってないものを?!



うちが、困る理由ゆうても、



「そんなもん後で出来るやろ。」


「早く出荷しなあかんやろ。」


「皆の仕事や。断るなんて言語道断や。」



って、襷苳さんと鶏虎さんと咫穢臀さんとで非難の応酬や。



結局出来んと、発注来てから出荷の時に急いで入れへんとあかん始末。



因みに、手伝わせるのはうち私限定

杤吐さんと番濡雌さんは我関せず

妻傳さんは危機感がなく

襷苳さんは手伝わせる前提



事務では下やけど、縫製よりは先輩やねんけどなぁ

うち担当のエプロンも襷苳さん担当のエプロンも
嬉しいことに終わることはないんやけど


色んなことが重なるとまー大変!


襷苳さん担当エプロンを袋に入れた後、出荷すんねんけど、伝票を作るのはうちの役割やねん。


まぁ、営業事務やな。


で、枚数分からんから、襷苳さんが荷造り終わってから伝票作るねんけど、入力が細か過ぎて時間かかるねん。


だから普通は、余裕を持ってやるか次の日にするとか早めに言うとかするやろ?
(襷苳さんにも説明済みや)



ところが、や。

襷苳さんは、普通やなかった!


何もかもギリギリorうちが手伝っていても定時でサヨナラや。


結局、伝票作るうちだけが残業!



ほったらかしっっっ!!!

Chapter14






Chapter14







襷苳さんの迷惑っぷりはまだまだ続くで!

長いから分割やけど、付き合ったってな。



まず、自分で言った納期を守らん。


作業が中断するような緊急事態は全くあれへんよ。

単に忘れとっただけ。


襷苳さん用の大きなカレンダーに書いて、口頭で確認して、納期オーバーが前例にあるから長めにみて、襷苳さんが自分で大丈夫とゆうたのにも関わらずや。



当然得意先に迷惑がかかる。

うちも謝らなあかん。

大、大、大、大迷惑や!



それに、杤吐さんが出来ひん細かい縫製作業は内職へ出してんねんけど、襷苳さん繋がりでアナログばっかりやから手書きの伝票やねんけど、それがまた遅いのなんの。


内職さんが書くんちゃうで。
襷苳さんが書くねん。

しかも、ノートに書いたのを移す形でな。

襷苳さんが面倒くさがって後回しばっかりするから、うちの手元に来んのが遅いちゅーう話や。


その分支払いが遅なるゆうても、仕方ない、ゆうて全く改善しーひん。


今まで口約束ばっからしくて、伝票作るんがややこしいんやと。


良くトラブルもあったらしい。

それでも関係が続いてんのは、繋がりがそこしかないからなんやろなぁ。

そんで、手伝ったら手伝ったらでこれまた鬱陶しい態度やねん。



うちは、さっさと片付けて自分の仕事したいから一生懸命畳んだら



「なんや、早いやんか。」



上・か・ら・目・線!!



袋にシールを貼る物もあんねんけど、作業台の上に乱雑に置いとるから陰になって気付かんかって終わった言うたら



「ここにまだあるで。」



完・全・に・他・人・事!!



うちが自分の仕事をストップしてまで手伝っとったら



「能率を考えんと商品の原価が上がるで。」



あ・ん・た・が・ゆ・う・な!!



怒りマーク大量発生やでっ!!


能率が良う出来ひんからうちに頼わざるを得ないんちゃうの?


うちが手伝うと人件費掛かって寧ろ原価が上がるんちゃうの??



ってか、能率考えるなら自分の仕事するわ!(絶叫

細か~いことも自己中炸裂や!



在庫無くて他のと合わせて出荷せなあかん時、忘れずに全納出来る様にうちはメモ付けて紐でくくるねん。



でも、襷苳さんは



「そんなもん忘れへん。それより手伝うんが先。」



わ、忘れへん。やて?!

どの口が言っとるの!?




ある時は、事務所外に上がってきた商品を自分が置きっぱなしにしといて



「入れといたらええいいのに。」



外出しとらんから知らんし、言わんし担当あんたやし、責任転嫁もええとこや!



またある時は、うちの定時間際に発注依頼が来て出荷しとったら、妻傳さんが自分の定時前に帰るんやけどその時



「畳んだから、袋入れてシール貼っといて。」



うち、あんたの部下でも何でも無いねんけど?




ってか、仕事押し付けて定時前に帰れる会社って…………(これが所謂アットホームっていうことなんやろか

Chapter15






Chapter15







襷苳さん達の横暴は締め日にも発揮や!


月始め、つまり月末締めで休みも重なってその日に締めなあかん時の話や。


咫穢臀さんは有給、
角橋さんは得意先に外出、
鶏虎さんは子供が風邪で家、

即ちうち一人や。


目まぐるしく処理しとった時、その日に出荷するエプロンがあって



「それ今日しなあかんの?」



と聞いてきた。

しかも5回も!


その度に断っとったら、鶏虎さんに電話かけたんかしらんけど、携帯渡された。


鶏虎さんの言い分



「締めは明日でええし、榊さんは処理早いし大丈夫やろ。手伝い。」

…………いや、伝票入力も売り上げも締めも発行も郵送も

全部うち一人しかせーへんし、明日も角橋さん外出やねんけど……



他の事務処理任されんならともかく、納期守る気ない襷苳さん達の尻拭いする為に早くしとんちゃうねん!


自分の思い通りにならんかったからって、鶏虎さんに電話!?
どんだけ自己中やねん!



ってか明日って、得意先は請求書待っとるやろうに……



と、一瞬思考が停止した後、湧き出てきんは怒りと呆れ。



けど、そんな態度をとられても反論もせずに聞いてまううちは他人にめちゃ甘やな……

伝票作成するのに畳むんと違って時間かかるから、運送屋に迷惑ならんように先に終わらす。
(枚数も再三聞いてやっと答えた)


んで、にこやかに笑顔を貼り付けて声を掛けたら



「もうええ。杤吐さんと番濡雌さんがしとるから。」



は?


あれだけ自己中にしといて?


話し掛けて、電話して、うちの手止めたくせに?



……まぁええわ。


怒りマークを笑顔に隠しながら締めの作業に戻った。


んやけど!!


定時やからと



「後頼むわ。」



ほったらかしで帰りよった!!

畳み→途中
袋入れ→途中
荷造り→全く出来とらん
伝票と送り状→完璧



結局うちが全部したで。

全部な!


その後ちゃんと締め、終わらせたで!


やけど、締め以外の本来終わっとる筈の担当外の仕事までしたからもうヘロヘロや。



時計見るまでも無く、機械的に家事終わらせて寝たわ。


うち、よう頑張った……!!!

でも、こんな頑張っても当たり前やと思うとるから、誰もありがとうなんてゆえへん(泣



給与上がらんし、無駄な残業せなあかんし、負担は増える一方やし、つけあがるしで


骨折り損のくたびれ儲けやで…

Chapter16






Chapter16







またある時の月末は、無計画の襷苳さんが納期をずらしにずらしたあげく得意先に何とか月末まで納期を延ばしてもらった時の話や。


襷苳さんが社長に忙しいから納期間に合わんと怠慢を隠して嘘を付き、社長命令うちに手伝いを強制。

…襷苳さんの嘘はもう慣れっこやからスルーな。



で、こん時の締めも前(Chapter15参照や)と同じ状況でな、締めるんは一週間後の休み明けや。


前は、うちが日々コツコツ努力しててもあんなんやってん。


やから、この一週間でやらなあかんことは山程ある。

一ヶ月売上日ずれたら入金もずれるからな。はよするに越したことは無いねん。


それに何より売上しな締められへん。
(見積書あるんはええねんけど、無いのは原価出さな社長は売価決められへんねん。)


そんなんで、諸々懇切丁寧に説明しても社長曰く、



「そんなんより畳み優先や。間に合わんかったらどうするんや?伝票入力や締めなんてパッと出来るやろ。」

テン・テン・テン・・・・


なんなんこの人。


確かに畳みも大事やけど、うちの仕事はそないに重要やないんかな?


自分の成長の為や無くて、納期遅らせるばっかの会社の面子保とうと信用無くさん様にと頑張ってきたうちがアホみたいやわ。


堪忍袋の緒が切れる前に無くなってもうた。


なんかもう、一気に冷めてもーたわ。


やから、締められなくても仕方がないんやな。と了解を得たと考え手伝っだったった。


一週間通しでな。


しかもうちが手伝ったにも関わらず出荷が無理って襷苳さんがゆうから、得意先に頼み込んで週明けでOKもろたんや。



ところが、や。

襷苳さんが帰る準備終わってうちに話し掛けてきた。



「今日出荷すんの?」

は?

意味が理解出来へんかった。


説明するとな、

取り敢えず納期分の畳みと袋入れは終わった

だから帰る準備終了してうちに話し掛ける
↓↓
結論
↓↓
自分帰るけど、出荷すんならしてもええよ



荷造り出来とらんし、伝票も送り状も手伝っとったから作っとらんし、もうすぐ最終集荷の時間やし。



ゆうだけゆうてサヨナラや。


んでも出荷ちゃんとしたで!

得意先のこと考えたら、襷苳さん達の自己中なんか言ってられへん。


よう集荷時間に間に合ったわ。

うちめっちゃ頑張った!!!



そんでな、週明けに得意先から電話があってお礼言われたわ。


どんだけ遅れさせて迷惑かけたかはかり知れんのに(感涙


社交辞令やと分かっとっても嬉しすぎるで!
(もしも社交辞令やなかったらもっと嬉しいわ!)

で、時は流れて週明け、つまり締め当日。


咫穢臀さんは例のごとく知らんぷり。

角橋さんは忙しいな、と言いながら知らんぷり。

襷苳さん達は月末納期分終わったから超余裕。


当然の如くうち一人で、仕入伝票入力して、商品ごとに原価出して(見積書あるのは時間無いから原価出さんと売上)、売価決めてもろて、売上入力して、間にその日発注の商品出荷して、請求書発行して、納品書と請求書を封筒入れて………



終わりっっっ!!!!



一日が長かったぁ――――……

もう家帰ったら大の字やったわ……

Chapter17






Chapter17







会計ソフトが古すぎて、現状では政府の政策に対応出来ひんくて、ついでにガタがきとるパソコンも買い替える時の話や。



とりあえず会計ソフトの最新版買うて、後はパソコン決めて会計ソフトを入れる。


これだけの話やのに、めっちゃ簡単な話やのに、結果はありえへんかった。



第一に、パソコンを買うのが遅い。

政策の施行日は半年以上前から決まっとったことやし、大きな会社でもあれへんから台数も数台やし、決めるんになんら問題あれへん。


やのに!


パソコンを買ったんは施行日の一ヶ月前。


しかも、混んでるらしく届くんが施行日から半月後。


この時散々社長には催促してんねんで。


伝票入力もあるし、得意先に影響するからって。


けど、なんか焦っとるのうちだけで、他の皆はのほほんとしとったわ(呆

で、届いたはええねんけど今までの会計ソフトが使えへんことが判明!


勿論最新版は使えるで。

ただ、互換性が無くて更新出来ひんかってん。

つまり履歴が見られへん。

しかもその会計ソフトはディスクから落とすもんやから、他のパソコンでは使われへん。


まぁ簡単に言うと、古いパソコンでしか古い会計ソフトは使われへんちゅーこっちゃ。


結果としては、古いパソコンを一台置いておくことにしたんや。(サポートきれとって危ないねんけど仕方なく)



会計ソフトの最新版使われへんから、会計ソフト会社がやっとるクラウド版があるから機能もさほど変わらんしそれにしようと事務員満場一致やったのに、社長は



「高いからあかん。」



バッサリや。


結局、安っすいクラウドのよう分からんソフトになった。


これがまた使いにくいねん!


事務員全員に教えなあかんし。

うちしか理解出来ひんからやで。社長は



「任せた。」



って丸投げやしっ!

まぁそれはええわ。

慣れたらええし。(一年以上経っても今だに慣れへんけどなっ!


で、古い会計ソフトからクラウドへ移行するのにもまた時間が掛かった。(クラウドも作りたてらしく使い勝手もレスポンスも悪すぎ


でも、移行せんと伝票入力出来ひんし売上も出来ひんしで必死にやったわ。


一人で!



古い会計ソフトとクラウドも互換性ないから一つ一つコピペや。(データにも出来ひんってどんだけ古いねんっ!


で、移行その他諸々が終わったんが締めの5日前。


そっから入力出来ひんかった伝票なんかをして締め。



うちだけ、無駄な残業しまくりやわっっ!!!!



因みに、そのクラウドにした理由は単に安いから。


そりゃこんだけ使い勝手悪かったら安いのも納得やわ……

Chapter18






Chapter18







鶏虎さんは、年がいっちゃん近いからこんな感じでもまだマシやなぁと思うてたらやっぱり無理やった。


手伝いのせいで、原価出とらんけど見積書があるのは売上したやろ?(Chapter16参照)



当然未入力の伝票が溜まりまくりや。



次の日から処理に追われたわ…。





しかも、他のも処理しなあかんし、会長とか社長とか細々呼ぶしで溜まっとるもんが全然出来ひんかってん。





けど、鶏虎さんはうちにゆうた。







「見積書があっても原価違っとる場合あるし、原価と売上は一緒しいや。」







………出来るかっ!!!





突っ込み宜しくどついたろか、って手出しかけたわっ!(勿論出しとらんけど





伝票入力も原価も売上も締めも、全部あんたは出来るやん。



この一週間の間鶏虎さんがしたんは自分の仕事である経理関係をまったりと。







なんで出来ひんと分かりきっとるうちに言うんやろか。



一言、溜まるさかいに入力しとこか?とか言われへんのやろか?

角橋さん出てて、またまたうち一人が目まぐるしく締めの作業をしとった時でも全く無関心や。





仕舞いには、帰社した社長がうちを見て一言。







「紙って面倒?うちもそろそろ電子化せなあかんなぁ。」







うん。面倒というか大変や、一人ではな。



でも、電子化は反対やな。



うちがシステム管理せなあかんくなる。



それに時間取られんのは二度と御免や。(Chapter17参照)







戈殳ちゃん辞めたから、戈殳ちゃんがしとった襷苳さん担当の仕事をするゆうたのに、せーへんし。



結局うちがするはめになるし。





疲れるわぁ………

Chapter19






Chapter19







さあ、襷苳さん達が来て初めての年末や。







例の如く納期を守らん襷苳さんが、手伝いを強要してきた。



勿論断ったで。





年末やから出荷も売上も忙しいて、な。







そしたらな、







「納品出来んくても知らへんよ。」





「咫穢臀さんは手伝おてくれた。」





とグチグチ妻傳さんと言うとったわ。





咫穢臀さんは手伝って仕事溜めてもうちに押し付けられるからええんや。





うちは誰もおらんから無理やちゅーのに。





それに、咫穢臀と同じ考えの角橋さんが手伝おうかゆうても大丈夫やて断ったくせにな。







うちが大人の対応ばかりしとるから、ナメられとんのやろか?

Chapter20






Chapter20







こんなんでもな、襷苳さんに一度だけ、たった一度だけ、



忙しいのと出荷重なって間に合わんから、うちがしとる畳みを少しでええから手伝ってとゆうた時がある。





そしたら、襷苳さん何てゆうたと思う?







「みんな忙しいねん。そん中で何とかやりくりしてんねん。」







そうゆって自分の仕事に戻ってもうた。





…………





どの口がゆうとんのやろか。





あんたにだけは言われとーないわっ!







今までの出来事が走馬灯の様に廻ったわ。(うち、ストレスでいつか死ぬんちゃうか……







それ以降、手伝ってとは一切ゆっとらん。



うちの仕事で、襷苳さんが出来る仕事なんてそれくらいやけどな。

仕事ちゅーんは持ちつ持たれつやと思うんやけどなぁ……??





手伝いって強要するもんちゃうし、



例え断られたとしても、



相手が忙しいんならしゃーない、で終わらせるもんちゃうんかな………??







そして、手伝って貰ろうたらお礼の意味を込めて手伝う



それが社会人として普通なことやないんかなぁ……??







一方的に手伝わせて、自分は手伝わんってどないやろ??





襷苳さんの言う通りやったら、うちが襷苳さん手伝う必要どこにもあれへんし、ましてや強制やなんて………







うちの考えって、この人達からはかなりズレとんのやね……

Chapter21






Chapter21







さて、襷苳さん以外のカオスな場面もご紹介や!





まず、会長夫婦は仕事時間中に買い物に行く。





しかも私用や。



うちらにゆえへんと行くから、得意先から電話があっても戻り時間分からんし、発注入っても出荷出来ひんことがあって納品日が延びて得意先からは催促の電話や…





で、顔出した時に発注がなかったら帰ってまう。



そういう時に限って発注が入んねんなー







で、息子と嫁である社長夫婦は、子供が病気やからと突然帰る。





帰んのはしゃーないとしてもや、兄弟がたくさんおるから年がら年中。



その間の処理は勿論うちやで。







子供は子供で、小学生以下がほとんどやから会社に来ては走り回る。



挨拶せーへんから、突然おっていつもビックリや。







鶏虎さんは、危ないでー止めやーと取り敢えず怒る。





そんなんで、子供聞くわけないやんか。



子供に言い聞かせるんも親の務めちゃうんかいな?







一辺大怪我せな、親さえも危険性が理解出来ひんのかなぁ?

鶏虎さんが妊娠した時は、まだ産まれて一年も経っとらん上の子(お腹の子にとってやで)連れて仕事や。





赤ちゃんは泣くしぐずるし、ミルクあげなあかんしで、鶏虎さんが会社に居っても仕事にならん。





別に泣くんもぐずるんもええねん。



赤ちゃんやからな。





けど、赤ちゃん連れて仕事に来る神経が分からんわ。





赤ちゃんの為にも、代わりを雇うって選択肢は社長以下誰にもないんや。



だって、







「雇うにも金がかかるから。」







やで。





短期でええから雇ったらええのにな。



子供のことも会社のことも全く考えとらん。





仕事にも影響しとるのに、迷惑極まりないわ。

Chapter22






Chapter22







社長は何事も決めるんが遅い。



待ての出来ひん会長の反面教師やろか?







片付けや整理整頓がうちは好きやねんけど、蜀仙は真逆やった。





見とる、いやその空間に居るだけでも結構ストレスやねん。





けど、片付けても片付けても何にも構わず散らかすから、もう諦めて放っといてん。(片付けんのも時間取るしな





そしたらな、なんと!!





社長が片付け出した!!





うちが勤め出してから五年以上経っとるけどな……







でも、片付けが元々下手なんやろな。





何でもかんでも捨て出したんや。







まぁ、置きっぱなしで動いとらんもんばっかやからええっちゃええねんけど。







単に広うなっただけでデッドスペースありまくり。





もったいないなぁ思うけど、あれこれ指示出来る立場やないしな、うちが言い出して五年以上も経過してからやりだしたこと。





今更感満載やわ。

で、片付け出したんはええねんけど、うちが出荷担当の既に袋に入った在庫として置いてあるエプロンが移動されとってん。





移動はええねんけど、移動先が棚の最上部。



うちの頭の遥か上。





社長に取られへんゆうたら、脚立出された。





しかも簡易で古いやつ。







「これでやり。面倒やったら別に移動させてもええで。」







いや、面倒とゆうか危ないねんけど………





主に出し入れする、うちが。





従業員の安全は全く考えとらんな(呆







それに、片付けと平行して作業台の机もどっから持ってきたんか知らんけど変わっとった。





けど、うちの背丈やったら低いねん。



やからそこで作業する時は椅子に座らなすぐに腰が痛なってまう。





でも、襷苳さん曰く、







「座ってする作業やないで。」







やて。







そりゃ、あんたの背丈やったらな(怒







つーか、社長がな、片付けを自慢したいんか知らんけどうちに







「片付けたで!(どや顔」







ってゆうてくんねんけど、何かイラッとすんねんなー





子供かっ!!

Chapter23






Chapter23







さて、ちょっとここらで一息入れよか。





蜀仙で今まで働いてきて様々なもん見てきたうちの考え方とか、それに対しての事とか挟もか。







まず、うちの仕事の仕方は、一日の流れをまず大方決めて計画を立てる。





仕方とゆうか、性格的な問題やろけどな。





締日以外は仕事溜めたないねん。



サクサク片付けて次々仕事こなして、事務としては一応一人前なったから次は経理に挑戦して成長したい。





やのに!





うち以外は無計画やから計画とゆうより仕事自体台無しや。







溜まって溜まってしゃーない。





社長には入社した当初から期待しとるって言われとるけど、何かちゃうねんなぁ。





期待と押し付けは違うちゅーねん!







強制的に手伝わされた後のうちの仕事はどうするんや?





うちだけがしんどい目すればええんか?





うちの負担は何で考えてくれへんねや?







なんやうち一人が無理して会社を回してるみたいやわ(自意識過剰やったらどれだけええか……

どうせ出来ひんならゆっくり事務作業して、言われへん限りは一切手伝わないようにしてん。(普通の会社やったら絶対せーへんことやけどな







でもな、うち的にはゆっくりってめっちゃストレスでかなり疲れる!







早くやったって襷苳さん達の当てにされるだけや!



今も当てにされとるけどな!





手伝う為に仕事を早く終わらせとる訳やないねんなぁ~







でも、頑張っても評価も給与も上がれへんしなー(最低賃金で賞与も昇給もあれへんしな……







仕事が出来る人間が損する典型やな。





思い付く対処方法が聞こえんふりか諦めるやもんな~





何かええ方法ないやろか……

Chapter24






Chapter24







閑話休題。





話を戻そか。







蜀仙の人間は総じて機械に弱い。





別に、最初は出来ひんくてええ。



うちも得意やないし。







でも、学習能力がない。





同じことを何回でも聞いてくる。





特に会長な。





某携帯会社の簡単に作られた携帯を持っとるんやけど、うちに聞いてくんねん。





説明書も見んとやで!





説明書見てやで、意味が分からんとかなら分かるけどな。





親やないねん、私用の携帯の使い方なんて教えた無いわ!





しかも教えてもらって当然の横柄な態度やから尚更な!





ある時は、綾牝さんにうちんとこ来させてまで前に教えた事聞いてきよった。



自分で来いよ!



五体満足で、健康な足二本ちゃんとあるやろがっ!









全く、どんな育ち方したらこうなるんやろか……





うちもそんな性格良う無いけどな、一応社会人として恥ずかしない程度には育っとるで…

Chapter25






Chapter25







日々発注が入るもん以外にも





先に納品だけして、月々や年での分割払いもやってんねん。





政策で金額のあげ方が変わった時(Chapter17参照)、言われた通りにあげたけど確認が自分一人やと不安やんか。



やから、鶏虎さんにゆうたら







「うちは分からんから社長に見てもろて。」







いや、政策関連分かるの…というか窓口あんたやで……





と他人事の鶏虎さんに呆れつつ社長に確認を頼んだんや。





そしたらな、







「ああ。これでええわ。」







チラッと一瞥して返しよった!



ほんま他人事やなぁ~と思おてたら嫌な予感的中や!







確認せーへんから得意先から矛盾点指摘されて、やり直し。







しかも、うちが気付かれへん、社長か鶏虎さんしか分からん領域のことで、やで。







伝票発行し直しや。





締め過ぎとった分は請求書もや。







もちろん、うちがな。







最初に確認しといたら、こんな面倒なことにはならんやろうに…(面倒を掛けられるんはうちやけどな

Chapter26






Chapter26







蜀仙はな、人がすぐに辞めるねん。


うちが入った後だけでも五人以上や。


全員うちより歳上で男ばっかり。


若さでゆうと残っとるのうちだけやねん(泣



その中でも印象的だったニ人について書くで。



一人目のAさんは、蜷縄さんが海外行った後に後任の営業として入社したんや。


まずは、会社のこと知らなあかん、ということで

電話・掃除・畳み・出荷・縫製・納品・内職さん周り


をしとってん。


ここまでやったら何となく分かるやろ。


研修期間みたいなもんや。


けど、蜀仙は違った。


一年経っても営業させんと上記のことさせとる。


営業らしいことなんて一個もしとらん。


営業とは名ばかりの便利屋(雑用係)やで……

こんな感じでAさんが辞めたんは普通のことや。


話がちゃうし、そもそも職種ちゃうやんか。


やのに、社長は



「辞められたら困る。会社のこと考えとらん。社会人として非常識や!」



電話越しに怒っとったわ。



いや、辞めたくもなるやろ……


Aさんの気持ちよう分かるっ!


うちも大概求人内容とちゃうしな。



社長が非常識なんてゆうとはな……


蜀仙自体非常識極まりないのに。



ハキハキしとって、うちにも腰が低くて、雑務も積極的にやってくれて。

年上やけど、好青年って感じで良い人やってんで!


新婚さんでな、稼がなあかんから頑張ってはったんやろな…



Aさん、うちが言うのもなんやけど、辞めて正解やで!

ええ仕事見つかるよう祈っとる!

もう一人は、蜷縄さんのお兄さん(意外に似とらん。寧ろ真逆や)からの紹介のBさん。



一応事務で入ったみたいやけど、仕事内容はAさんと同じや。


結局、名称が違うだけでやること一緒やな…(一向にステップアップせーへん



BさんはAさんとは真逆で、無口タイプ。


コミュニケーションが苦手なうちもずっこける程の無口。


というか、無愛想な部類やな。


まぁ、仕事はしてくれとるから気にせんけどな。



順調にいってんなーと思おてたら、突然辞めとったことが週明け判明っ!!



滞在期間、なんと半月!


辞めたい気持ちものすご分かるけど!



「なんや辞めたいって言われてなー」



なんて、居ないことを軽く流す社長。


就業時間になっても来んから、不思議に思ったうちが聞くまで何も言わんでこれや。



危機感無さすぎや!

何人辞めてると思おてんの。


うちが来るまで、長期間募集かけとったみたいやし。


ほんま他人事やわ。

因みにな、うちが続けてられてる理由の一つが車の免許を持ってないことや。



持っとったら便利やけど、家族が運転好きちゃうし、うちもそれ見てきとるからか知らんけど好きちゃうし。

乗るんも車も嫌いやないけどな。



やから、うちは納品や内職さん周りは出来ひん。



身分証明書代わりなるから取っといても良かったかなーと思おとったけど、蜀仙に来てほんま取らんで良かったわって思う。


進められ方半端ないけど、絶対取らん!


もし取ったとしても言わん!



利用されるだけやからな。

Chapter27






Chapter27







うちの社長は、無駄に最先端を行きたがる。


まず、会計ソフトをクラウド化。(Chapter17参照や)


どこでも履歴を見たいってゆう社長の我が儘を通した結果やねんけど、全く活用せーへん。

自分のパソコンで見れるのに、会社におっても外出しとっても



「〇〇の××見て。」



やで。


クラウドの意味ないやんっ!!




そして次に、FAXを電子化。


座りながらFAXを見れるんはええねんけど、一々フォルダを見んときてるんか分からんから



「FAX見て。」



って事あるごとに言われる。


うちのパソコンや無くても見れるちゅーねん!


お次は、エクセルやワードといったデータの保存先をクラウド化(嫌な予感…


これはサイトが提供しとる既存のもんやからコピーするだけやから、会計ソフトより簡単やったけどな。


管理がちゃんとしたとこやったらええねんけど、社長の使うのは無料版。

管理も有料より甘い。


会社の大切な情報をサイト上に、ってゆうのがなぁー。

最終的には、アプリまで利用し始めたんや。


うちはそういうもん使わんけど、まぁ個人的に使うんやったら自由やし構わへん。


けど!


データの保存先と一緒で会社の大切な情報を……ってなる。


無料やからって結構浸透しとるみたいやけど、同時に個人情報が漏れとるっていう情報もあるし。



「詳しいことは〇〇に送るから。」



って電話しとるの聞くだけでイラッとするわー


詳しいことは、って、社外秘のことやんかー!!!



機械に弱いくせに見栄を張りたがる。



ネットの危険性も知らんと、人がやっとるから、金かからんからって安易に使用する会社って……

しかも、そのアプリがスマートフォンでしか出来ひんから、事あるごとに



「携帯やったら不便やろ。なんでスマホにせーへんの?便利やで。」



顔をひきつらせながら苦笑いやわ。



便利とか不便とかやなくて、必要無いからや!


パソコンも持っとるし、携帯で事足りんねん。


大体、アプリとか全然興味無いし。


必要になったら必然的に持つからほっといて。



って、思うわ。



なんや、機械に振り回されとるなーって思うのはうちだけやろか。



携帯もスマホも必要な理由があって持っとる。


勧めんのはええけど、押し売りは勘弁やわ。

Chapter28






Chapter28







ほんま蜀仙ってな、仕事の丸投げ大好きやねん。


主にうちに、な。



会長が窓口のエプロンは綾牝さんが出荷すんねんけど、あがってきたエプロンを数えんのはうちやねん。


伝票と照らし合わせてな。


綾牝さんやなくで、うちがな。


暇な時はええけど、立て込んどる時は最悪や。


会長は待つことが出来ひんからな。


綾牝さんが在庫管理しとるから、綾牝さんがすれば一番ええねんけどなぁ…(会計ソフトで在庫管理しとるしうちが数えても二度手間なだけや



あるエプロンにはな、品名を書いた紙を入れるんやけど、妻傳さんは



「見本ここにおいとくから、裁断枚数調べてコピーしといてや。」



うちが、調べてコピーするんかいっ!


何故、コピー機の使い方さえ覚えようとせんのや…



ある得意先からは、定期的に生地の発注があんねん。



担当も得意先の認識も鶏虎さんやのに



「発注きたらやっといてくれてええから。」



うち担当ちゃうわっ!


しかも、やっといてくれてええ、ってなんやねん!


お願いされるならまだしも、なんで上から目線やねん!

仕事を振るんはええねん。


大手企業やったら、うちが部下の立場やろうし。



けど、仕事を振るのと丸投げはちゃうよな……



振る仕事の配分や采配の仕方で、上司の評価ってまるで変わってまうな。



上司は部下を評価しとるやろうけど、部下だって上司の評価しとること忘れんことやな。



うちもいつか部下を持てる立場になったら気を付けなあかんな。

Chapter29






Chapter29







エプロンの資材を扱っとる会社で納品に来とる若そうなお兄さん(若いゆーても30代後半ぐらいやけど)がおんねんけど、

会長がよく近くのコンビニまで連れ回しよんねん。


そのお兄さん(便宜Cさんな)は車で来とんねやけど、そこでも会長の横暴を目撃した!



お兄さんが帰る時、角橋さんと打ち合わせで来きとった別の得意先のDさんと鉢合わせ。



お互いに挨拶して帰るんかと思ったら、会長が



「おーい!Dさん歩き?おい、C!送っていけ。」



なぬっ!?



Cさんに送れと?


思わず二度見したわ。



確かにDさんは徒歩で来とった。


けど、Cさんが送る必要ないやろ~

つーかDさん恐縮しっぱなしやで。



Cさんは会長との関係上断られへん。



自分で送るならまだしも、これは非常識やろーと思うんはうちだけやろか?



Cさんの車はCさんの会社やのに。(ガソリン代とかな



自分は行動せーへんくせに、命令だけして他人を動かして

さも自分が気の効く良い人間だと言わんばかりの横柄な態度



社長の親だけのことはある。


親の顔が見てみたいってようゆーけど、

会長と社長は反面教師のくせして根本的には同じや。


この親にして、この子あり!やで。

Chapter30






Chapter30







出金処理(Chapter6参照)に続いて、入金処理も任されたで。



事務仕事が増えるんは、うちにとってめっちゃ嬉しいことや。


なんせ肩書きが事務員やからなっ!(喜



けど、任された時に鶏虎さんからゆわれた言葉がなんや引っ掛かってんねん。



「これ入金一覧。処理しといて。好きやからええやろ。角橋さん手いっぱいいっぱいやし、ちょっとでも助けてあげなな。」



うん。確かに角橋さんは色々やっとる。



けど、うちもやっとるねんけどなぁ~……


角橋さんの業務、かなりうちに回ってきとんのやけど…


ってか、好きやからええって……


確かに好きや。

好きやねんけどっ!


仕事を振るんに、仕事するんに、

好きか嫌いとかあるか??


嫌いでもやるんが仕事やろっ!(カオスに文句たらたらなうちでさえやっとるし




まっ、この際押し付け問題は苦笑いで置いとくことにした。



事務業務の種類が増えれば転職の時ちょっこっとは書ける項目が増える。


前向きに考えるで!

ポジティブシンキングや!





活動もままならん転職、いつになるんか分からんけどな…(泣

Chapter31






Chapter31







大きい声じゃゆわれへんけど、実はうち……


正社員やなくてバイトで入ってん。


バイトになった理由はちょっとおいとくで(遠い目



家から近いし、何より繋ぎ(言い方悪いけどな)で入ってん。


そん時就きたかったんは別の職種やったから。


けど、よっぽど人が寄り付かんかったんやろな。


バイトでの契約やのに、三ヶ月経って



「休憩時間挟むと教えんの面倒やから長くして。」



……という理由であっさり正社員。


ゆったんは勿論、咫穢臀さんや。(教えてもろたのそんなないけどな…)



まぁ、正社員ゆーても時給換算やから、手当も残業代も無し。


タイムカード手書きやし、形だけ。


一応やけど時間決まっとるのに。


残業代付いとったら、給与どんだけ上がってたか……

角橋さん曰く



「うち残業とか関係ないから。」



やて。



このパターンやと、残業というもんはなきゃあかんで……



因みに、月給でっていう話も出てんけど、キッパリ断ったわ。


だってな、角橋さんは多分月給制やろうけどタイムカード付けとらんみたいやし、得意先に納品に行ったら帰るん11時とかやで。


雇用契約書も無くて、うちん時も口頭やったし。


どんだけ曖昧にされるか分かったもんやない!


時給上がった時も、上げんくて、ゆったしな!



この度タイムカードが機械に通すことにしたんは、会計事務所を変えたかららしい。


全く……はよしてくれたらええのに。


ほんまやること遅いわー。

Chapter32






Chapter32







うちの社長ってな、人の上に立っとるだけでな、全然把握しとらん。



心配性なんか確認したいんか知らんけど、めっちゃ電話をかけてくる得意先の人が一人おんねんな。


相手は角橋さんやねんけど、流石に参っとるみたいや。


そんな中、社長がうちに一言。


「榊さん、担当する?」



しかも半笑いで言いよった。


担当って……

うち、既に蜷縄さんの担当しとった得意先、全てしとんねんけど。



大体、角橋さんが得意先の人と話しとることはエプロンの縫製のことや。


形がどうの、縫い方がどうの、生地がどうの。


うちが答えられへん&決定出来ひん内容ばっかりや。


けど、そうゆーの以外は全てうちが窓口しとる。

受発注から納期確認、伝票作成、発送、謝罪含め


全てや!(納期確認なんて襷苳さんがずらしまくるから伝書鳩気分やわ



それやのに、そんないな言葉が出てくるやなんて……



ほんま、従業員のこと把握しとらん。



うちの努力、誰か見てくれとる人間はおらんのやろか…(きっと蜀仙にはおらんな…

Chapter33






Chapter33







週に一度、蜀仙にも朝礼とゆうもんが存在すんねん。


主に社長のスケジュールを聞く場やねん。


まぁ、後から勝手にアポ増やして、しかもゆえへんからあんま意味ないんやけどな。


そんな朝礼で、社長のスケジュール以外で恒例化しとるもんがある。



発言者は、襷苳さん。

時期は、月末近く。



ピンッ!ときた人はもう情報通!


そう、納期の件や。



大体の得意先から納期を月末でってお願いされる。


区切りええからな。


だから、納期が重なんねんけど、それはいつものことや。


発注もらった時から順序よう、効率よう計画したらええだけや。

狂わせるほどのアクシデントなんて、ほぼ無いからな。



それに、締めかて一緒や。



けど、ここまで来たらお分かりやろう。



襷苳さんはいう。



「月末納品たくさんあるから忙しいですわ。」



そして、社長が返す。



「分かった。榊さん、手伝いよろしゅーな。」



振られたうちは、苦笑い。



う ち か て

月 末 締 め で


忙 し い ち ゅ ー ね ん !

Chapter34






Chapter34







これだけ言っとるうちかてな、蜀仙のこの状況を打破したいと思うて色々してんで。


社長にな、



「人手が足らん。うちだけじゃ業務に大変な支障が出とる。大幅に納期も遅れとる。人を入れて欲しい。」



とゆうてんで。



そしたら社長、何てゆうたと思う?



「金がないから無理や。」



たった一言で済ませよったっ!

か、金が無いやと~!?



それやのに、海外進出したんか?!


しかも、上手くいっとらんって言う!



何やねん!!!


海外の失敗の補填に金が必要で無理やて。



分不相応なことするからやわ。


事務所すらちゃんと出来てへんのに海外なんて……



結局全てが疎かになって、悪循環にしかなれへんねや。

Chapter35






Chapter35







会議、もとい堂々巡りの打ち合わせでの社長の発言。



「襷苳さんの性格は変わらん。俺達が合わせなな。」



はあ?


合わせたことなんて一度たりとも無いやろっ!



大体、教育するきゼロや!


従業員は育てなあかん。

企業ごとにやり方ちゃうのに。


企業に勤めたことない自己流の襷苳さんは尚更や。


やのに、この発言。


単に面倒なだけやろっ!

Chapter36






Chapter36







従業員の誰かが休んだりすると、休んだ人の業務って代わりにするやんか。


担当外でも、その日にしなあかんものは特にな。


しかぁーしっ!


蜀仙は違った!(このセリフ何回目やろ…




うちが休んだら、置きっぱなしのほったらかし。



伝票も、送り状も、出荷も。

何もかも。



特に出荷は遅らせたらあかんやろ……(呆



けど、その逆はないねんで。


鶏虎さんが、咫穢臀さんが、襷苳さんが、

休んでも、その人達の業務はやらなあかん。



うちがな。(このセリフも何回目か……



普通やったら、進んでするで。

普通やったらな。



けど、こんな仕打ちされたらする気無くすわ。

Chapter37






Chapter37







海外縫製のエプロン(Chapter13参照)は、でっかい段ボール箱で一度に何十箱入るねん。


多い時は百近くな。



広ない事務所奥の狭い狭いスペースに、これでもかっ!ゆーくらいツメツメに入れんねん。


外には置いとかれへん。

シャッターが降りる位置までに収まらんからや。



うちでは動かされへん重たさやから、社長と角橋さんとで入れんねんけど、整理整頓っていう概念が欠けとるから順番とか全く考えん。



色とか大きさとか入荷日とか、色々あんねんけど、全無視。


入れるだけ入れたら、はい終わり。



出荷すんのうちやねんけど!



何処に何があるか分からんようになるから、分けてゆーても、

入った時にせめて表書きしたいゆーても、



「そんなん開けたら分かるやん。」



で終了~。


一々いらん箱まで開けなあかん。



時間かかってかかってしゃーない。



うちが持たれへん重さの荷物を運んでくれるんは有難いねんけど、運ぶだけって……



あ~、蜀仙に来て必然的に力が付いたとはいえ、うちがもっと力持ちならええのになぁ~(憧

そんなんで、うちが動かすんは無理やねん。


そんな中、一種類のエプロンが出荷する時枚数が足りんことに気付いた。


咫穢臀さんが手書きで付けとる在庫表には後百枚は残っとるってなっとったから、丸々一箱足りん計算や。



やから、咫穢臀さんが絶対あるはずやってゆーた。


社長も角橋さんも外出でおらんかったけど、動かして探したで。


必死になって!!!


一人で!!!!



けど、見つからんかった。



持ち上げることすら出来ひん重さやから、ずらしてずらして。


仕事する前からヘロヘロになって……

でな、結論をゆうとあってん。


ちゃんと百枚分一箱。


けど、何処にあったと思う?



中2階に上がる為の階段の下や。


帰ってきた角橋さんにも探してもろうて見つかったんや。


そこは社長が片付けた際に別の商品の置き場とした所や。



社長本人にこのことゆーたら、



「あーすまんすまん。(笑)」



笑い事ちゃうねんっっ!!!



無責任過ぎる!



無責任といえば、うちが無いゆうた時に咫穢臀さんと襷苳さんからゆわれたんもそないな無責任な感じ。



「全部見なきゃあかんで。」



あんたらは何もしとらんやろ!


うちが必死に探しとった時に、傍観&無視しとっただけや!


襷苳さんは、明らかうちより力あんねん。


うちが引きずるような生地も軽々抱えられるしな。


咫穢臀さんはひ弱なフリして何もせーへん。



蜀仙は、【若いから】で、何でもうちに押し付ける。


若いからって、限界が無いわけやない。


うちかて疲れるんや……


これって、老害って言ってもきっとバチ当たらんよなぁ……(疲

Chapter38






Chapter38







社長とサシでな、ちょこっと業務について話す機会があってん。


結果的には打ち合わせと同じく堂々巡りやったけど。


そん中で社長が独自の持論を展開した。


うちが、蜷縄さん海外行ってもーたから新しい営業さんおると助かるなぁってゆうた時や。



「うちにはもう営業なんていらん。育てんのも時間かかるし面倒や。売価出すんは俺しか出来ん。そんなん時間の無駄や。タブレット持たしてシステム管理して、入力すれば売価が出るシステム作りゃ営業なんていらん。システムさえあれば、得意先に行くのなんて誰でもええ。」

この人、全世界の営業さん敵に回したでっ!



確かに社長のいうシステムやったら簡単に売価出せるわ。



けど、営業がおらんくてええちゅーんは、ちゃうやろ。



いくら高性能なシステムがあっても、使う人間がシステムに使われとったらあかんで。


数値とか入力するだけなら、お客さん自身でも出来るやん。


それって得意先に行くメリットが無い。

お客さんも時間取るし、じゃネット経由で、ってなるやん。


しかも、完全に受け身発想やし……



うちはプレゼン能力無いから、お客として営業さんの話聞くと凄いな思う。


こんな営業さんのトーク力ちゅーもんは、企業にとってめっちゃ重要なポジションやと、うちは思うねんけどなぁ……



他愛ない話の中で次の仕事取るとか、持ちつ持たれつとか、

結構世の中の営業さんは、活躍してはると思うのはうちだけやろか……(疑問

Chapter39






Chapter39







つーか悟ったわ。



得意先のことも
会社のことも
従業員のことも

なぁーんにも考えとらん。



それに、何をゆうても無駄。

教えても学ぼうとせん。


馬の耳に念仏や。



会社をより良くしていこうと

提案も改善もめっちゃくちゃしてきたけど無理や。


したそばからひっくり返す。



誰かを見捨てるって

何かを見限るって


こんな感じなんかなぁ???

何もかも、

もう、どーでもええ。



うちが頑張る必要なんて、何処にもあれへん。


ただ得意先に迷惑ならんよーに仕事して、日々を過ごせばええ。


押し付けられたら、その分だけすればええ。


気を回す必要なんてない。


蜀仙の全てにおいて、諦めたわ。




バーンアウトシンドローム?やっけ。

燃え尽き症候群やないけど、ある時を境になんかやる気無くしてんなー。


仕事以外は意欲あるし大丈夫やから、病気とかやないで!(誰も心配しとらんと思うけど(笑


ストレスは日々蓄積されまくりやけどなっ!(満面の笑み

Chapter40






Chapter40







時代錯誤の体質、蜀仙



自己中心的な、会長

自由気ままな、綾牝さん



自我が強すぎる、社長

会社経営を学ばない、鶏虎さん



自分勝手な、咫穢臀さん

危機感が無さすぎる、角橋さん



押し付けと嘘が得意な、襷苳さん

だんだん親に似てきた、番濡雌さん



自分の仕事すら出来ない、妻傳さん

知らん顔が得意な、杤吐さん



何もかも自己流で分かりにくい、蜷縄さん



天然ボケをかます、戈殳ちゃん




そん中で甲斐甲斐しく(笑)頑張る、榊ことうち

ここまで蜀仙のカオスっぷりをお届けしてきたけど、そろそろお開きにしようか。



疲れきった身体と重たい腰を上げて、転職活動に本腰を入れようか思おてんねん。


色々体制変わって、うち無しやったら支障が出る業務も増えまくり。



うちが辞めたらどーなるやろか、と今から楽しみやわ。(悪い笑顔




まぁ、転職完了すんのにも時間かかる。


リピート&マンネリ化してる言動も、日々顔をつき合わせとったらまた新たなカオスが出てくるよって。



そん時は、Chapterの数が増えていくさかい。

また見たってな!

地球上、億単位の人間がおれば何かと問題もぎょーさん出てくるなぁー



けど、何もかも全く同じなんて個性が確立した世の中では気持ち悪いやんな…(双子とか三つ子やったら可愛いけど



自分以外の人間から学ぶもんってたくさんあるわ。


日々、精進せなな。



諦めへんでっ!

自分と未来の為に頑張る!







さて、本題に戻ろか。


ここまで読んでくれて、ほんまありがとうな。

感謝感激雨霰やで(嬉





ほんで、カオスな現場からは今んとこ以上や!




ほな、また会う日までっ!!!

Chapter41






Chapter41







別れを言ったそばから現れたで(笑)


そこ!
帰ってくんのが早すぎるなんてゆわないっ!



うちかて、あんま御披露目なんてしたくないんやで?


恥を晒すことなんて(ここまで書いといてなんやけどな

さあ、恥を晒そか(ウキウキ←


襷苳さんは、総じて都合の悪いことは知らないと言うねん。



得意先からきた発注書が見にくいゆうから、付箋付けてわかりやすうしたのに一年以上経ってから



「なんで付箋なんか付けてんの?見にくいやんか。」



……あんたが付けろゆうたんやっ!


分かりにくいゆうたんも
付箋付けろゆうたんも

あんたやちゅーねん!


大体そん時、あんたに確認したわ!


これでええゆうたやろっ!


だからわざわざ付けてんねや。

必要性の無い、無駄ともいえる発注書に付箋を。



だからな、言われた瞬間から止めたんや。

付箋も全部取って綺麗サッパリ見やすうなったわ。


いちいち書くのも時間取られて大変やってん。



言われたことはすぐ実行。
無駄と思われることはスルー。


無駄な労力使わんようにしてくにはこれに限るわ~

Chapter42






Chapter42







会長に続いて(Chapter11参照)、社長までリースを初めよった。

そん時の話や。


社長が全てにおいて行動するんが遅いんは散々書いてきた。


けど、得意先とうちがここまで酷い被害を受けたんは会計システム入れかえた時以来ちゃうか、っていう感じや。



まず、得意先は末締めのとこ。


リース開始日が月最終の週の真ん中。



会長とは違うとこ見せたかったんやろか。



見積書二度見したわ。
リースする品目が五十を越えとった。


しかも、四店舗同時開始。




そして、その事実を知ったんが締日当日の午後五時。


見積書があるにも関わらず、売価を決めとらん品目が多数。


社長は出掛けている。


仕入先(遠方)の担当者も不慣れらしい。


得意先は日々の数量が載った納品書とExcelで作成した表と請求書を、四店舗分を店舗へ今日中に欲しい。


その時点で、締めの作業はまだ終わっとらん。





はい、詰みましたっっ!


もう逃れようがない。

完全に包囲されましたっ!

結果、残業を四時間ほどして仕上げた。


帰ってこん社長に電話して。


全てを完璧に。


うち一人で。



やのにっ!!




「あ、ゆうの忘れとった。請求書の送り先、店舗別やったわ。」



シレッと半笑いで社長が電話越しに誤魔化す。


ふと気になり聞いたことが、大問題やった。


こんな時間や。
得意先の担当者も帰っとっておらんかった(締日関係ないリース担当やから当然やわ



社長は勿論、



「俺も住所知らんし、明日でええわ。謝りの文書つけといたら、一日くらい構へんやろ。」



うん。


我が儘炸裂。




誰もおらん会社で一人、通話が切れた携帯を握り潰すとこやったわ。



無駄な残業なんかしたないねんっ!





うちの時間を返せ―――!!!

Chapter43






Chapter43







鶏虎さんってかなり放置が好きやねん。


うちが締めをしとって忙しいて絶対分かっとるのに、配達されてきた荷物を全く受け取らん。


電話も荷物もお客さんも放置。


だんだん咫穢臀さんに似てきた。


一人で十分や!

二人もいらんちゅーねん!





それと、一件だけ得意先専用のネット経由で請求書を作成しなあかんねん。

うちと違ってハイテクやろ。(まだ一件だけやけどな


登録から入力、得意先との連絡は鶏虎さん担当やねん。

発注受けるんが鶏虎さんやからな。


でも、鶏虎さんは当然の如くうちに押し付けようとしてきた。

勿論断ったで。


振れる相手もおらんのに、これ以上は面倒みきれんからな。

本当の意味での後輩が欲しいわぁ~


無理やゆうてんのに、毎月押し付けようとするし。

で、ある時鶏虎さんが言った言葉



「しゃーないな。遅ぉなるといかんからやるわ。」



いかにもうちから押し付けた感じで。



遅くなってんのは、仕事放置してる自分のせいや!


大体、うちは誰よりも早うしてるわ!


遅なる原因はあんたらや!



これが俗に言う働き蟻の法則なのかっ…

Chapter44






Chapter44







襷苳さんってな、勝手に自己完結しよんねん。



発注書は得意先ごとにファイリングして、パソコン使えない襷苳さんが一覧で見れる様にうちがわざわざ手書きしとる。


これ以上無いくらい分かりやすうしてある。

調べたら必ず分かるように。


やのに。



「〇〇〇ってどうやった?」



いちいち聞いてくる。


こっちはあんたのせいで、自分の仕事さえも満足に出来ひんってゆーのに。


自分で調べろちゅーねん!




で、仕事や!仕方ないっ!って調べてようとしたって、すぐに答えられん場合ってあるやんか。


聞いて一分後。



「もおええわ。自分で見るから。」



五分も待たれへんのかいな…



つーか、結局自分でするなら、聞くなっ!

Chapter45






Chapter45







ある日、誰とか分からんけど、社長が電話で話とった。



「スピーディー、スピーディー!何事もスピードが命やで!」



うん。

もう、うちが言いたいこと、ここまで読んでもらった皆さんやったらお分かりやと思う。


さんざんゆうてきたけど、ゆうわ。



あんたがゆうなぁっっ!!!



何がスピーディーや!

何がスピード命や!



あんた自身が、全然スピーディーちゃうわ!


うちに言わせりゃ、有言不実行!


どれだけうちの改善案を軽い返事だけで済ませてきたか。



口先だけの、行動が全く伴っとらん。


嘘つきそのものや!

Chapter46






Chapter46







社長は流行に踊らされて(Chapter27参照)個人情報や会社情報の管理が甘甘なんはご承知の通りや。



そんな中、社長は従業員の皆にプライベートのメアドを聞いとった。



電話だけじゃ物足りんのかなぁ?


うちが古いだけやろか?


親しい間柄でもないのに。


しかも、社長に。



緊急連絡先という名目やったらちょこっとは許す。


けど、ただ単に社内状況報告したいってだけやった。



まぁ、添付ファイルもあるみたいで、会社用個人メアドがあるうちはそっちにくるようやけど。



事務員のうちに滅多に緊急連絡なんて必要ないし、本当に緊急やったら電話で留守電残すやろ~


だからメアドとかいらんやろ~


って思ううちは古い人間やろか?(電番よりメアドの方が変えれるからどっちもどっち?



同年代がおらん現時点では会社とプライベートは絶対分けたいねんな~


手当て出んのに、休日出勤しとるけどな…(諦



プライベート犠牲にしまくりやっ!

Chapter47






Chapter47







会社の備品って無くなったら困るやんか。

だから、使う人間が後少しやな、って思ったら注文するやろ?


その注文する役目は、気付いた人、ってなってんねんけど、まぁうちやな。


で、うちも言われたらするし、うちも使う側やから気付いたら注文する。




けど、咫穢臀さんは違った。



咫穢臀さんしか使わんサイズの付箋があるんや。


無くなりかけとったら言えばええのに、無くなってから



「なんで頼んどらんの?それくらいちゃんと見ときや。迷惑やで。」



あんたにいわれとーないわっ!


大体、注文の仕方が分からん、面倒、覚えたないってゆうからうちがしとんねん!


総務課なんて立派なもんこの蜀仙無いねん!


迷惑はこっちのセリフやぁ!!

Chapter48






Chapter48







蜀仙には、会社の規模に反比例して商品コードがたくさんある。


それはそれは物凄く。

何千件単位で。



仕入先別に、商品別に、細かくコードを取っとるからや。


けど、生地とかすぐ廃番になるから、使わんコードが野放しになっとった。


鶏虎さんと咫穢臀さんが作るだけ作って放置しとったからな。


やから、台帳を新しい会計ソフトに移す時に減らしたんや。


例えば、生地なら品番は変わるけど通しの頭文字は変わらんから、頭文字のコードだけ作って後は手入力することにしたんや。


コード数減るし、うちらは生地の違いなんて、見本ないと品番だけじゃ分からん。


生地は得意先の指定もしくは提案で決まるし、その都度変わる。


やからそれで問題ないと、鶏虎さんも咫穢臀さんも角橋さんもゆうたから減らした。


そんでも結構な件数あったけどな。

けど、移してから一年と半年。


社長がゆうた。



「仕入値も売価も商品別に見られへんのは邪魔くさい。しかも手入力って間違わんか?」



いや、コード入れるんそもそも手入力。


つか、いらんコードがあったって邪魔なだけやねん。


入力する時、検索かけても大量に出てくるから探さなあかん。


時間の無駄やねん!



人を使って苦労したことない、最悪なDNAをしっかり受け継いどるわ。

Chapter49






Chapter49







毎朝事務所の周りのゴミ拾い(Chapter3参照)しとるゆうたやろ。


歩道に落ちとるゴミ拾とるねんけど、車道にも落ちとる場合がある。


けど、大通りから一本入った道やけど、交通量が多いねん。

車道走っとる自転車も結構なスピードを出しよるし、歩道でも出しよる。


今話題の、ながら運転もしょっちゅう。




やから、車道にあるんは危なくて拾われへん。

高速道路のゴミ拾う人みたいなもんや。(高速みたいなスピードは無いけど危ないことには変わりない



やのに、咫穢臀さんと襷苳さんはゆうた。



「なんで拾わんの?」


「ちゃんと拾わなあかんやろ。」



危険と説明しても、



「そんなんサッと行ってパッと取ったらええやん。道路にゴミがあったら邪魔やし危ないやろ。」



「今の若者はゴミ拾いなんてせーへんし嫌がるけど、うちらの若い時は率先してやったで。」

うちの存在はゴミ以下か?


てか、事務所内を散らかし汚しとるんはうち以外の人等全員や!


大体、当番制でも無いもんをやっとんねん!


新人の仕事やゆうなら、番濡雌さんと妻傳さんと杤吐さんがやるべきや!


掃除が女の仕事やゆうなら、女全員でやればええ。



なんで、うちだけがやることになるねん!






…と、毎日毎日、常々思おとるけど、当番制は提案せーへん。


ゆうてもやらんやろうし、お金貰ろとる仕事でも滅茶苦茶しよるのに、雑務なんかさせたら…もう…あかん。

想像もしたないわ。(恐怖

Chapter50






Chapter50







こんな会社でも、募集かけるとたまぁ~に実状を知らん人が面接したいって電話が鳴る。


貴重な、ほんま貴重な応募者やのに、


うちから電話代わった鶏虎さんは、一旦保留にして渋い顔。



「社長。〇〇歳やねんけど、どうします?」



「え?〇〇歳?あかん、あかん。厳しいわ。断って。」



社長も鶏虎さんも応募者の年齢に不満らしく、即断ってもーた。



あんたら、そんなん言える立場かっ!


せっかくの応募者やのに!


根本的なことを改善せな、あんたらの望む若い人なんてけーへんわ。


辛抱も我慢も強いうちかて限界やのに。



育てる気もない、改善もせん、押し付けるばっかり、古い体質を常識と強要。



やのに、若さと戦力だけ欲しがる。



そりゃ優秀な人間は次々と辞めて人手不足にもなるわ。

Chapter51






Chapter51







若さと即戦力。

あまりにも無い物ねだりしとったら(Chapter50参照)ついには応募者は皆無になった。


流石に焦ったんか、面接を取り付けた。



しかぁーしっ!


応募者は時間になっても来んかった。

所謂ドタキャンやな。


社会人としてあるまじき行為や。


やのに社長ときたら…



「けーへんなぁ~。期待しとったのに(笑)」



笑い事やないわっ!


向こうも悪いけど、類は友を呼ぶ、やな。



狭い世界しか知らんくて、世の中の出来事を自分には関係ないと甘えて大変な事や面倒な事は全て押し付ける。



有言不実行なくせに、どや顔でリスペクトするんは有名な言葉ばっかり。


経営学の本かて、応接室の本棚に読みもせーへんのにいかにもって感じで並び立てて。


机上の空論。


自分自身の信念ってゆうもんがないんやろなー。



高すぎる理想と低すぎる現実の差に全く気付いとらんわ。

Chapter52






Chapter52







蜀仙の納品書は控え・納品書・受領書の三つに分かれるタイプで、得意先の専用伝票があって納品書と受領書がいらん時があんねん。(ほんまは受領書もいらんねんけど仕様やから仕方ない


それを自社メモに使おてんねんけど、すぐ使えるように机に置いてんねん。

電話とかで必要になるやんか。


で、別にうち専用のメモでも無いし誰が使おても構めへん。


けどその場合、メモはクリップで挟んであるから一枚とか必要な枚数取っていくやろ?


ほんで、本体は机の上そのままやろ?



机におる人がメモ無くて困らんように。




でも、襷苳さんは違うねん。



メモごと持ってくねん。



しかも元に戻さん。


一緒に使ったペンさえも。






席離れとって気付かず電話取って、書こう思うたら無いとかしょっちゅうや!



そんで、うちかて学習してん。



メモ束を引き出しの中にもう一つ忍ばせておく。


出してる方は枚数少なくしてな。


ペンかて複数持ち。


出してるんがいっちゃん書きやすいねんけどな。



メモ使うんはええねんけど、ほんま周りの事考えとらんわー

Chapter53






Chapter53







社長の書く字ってな、小学生が無理に綺麗に書いたみたいやねん。



けどな、それは得意先だけで、社内で書く字は全く読まれへんミミズ文字。


因みに会長の字もな。


会長は得意先にもミミズ文字やけどな。


字って社会人にとって重要やんか。



綺麗か汚いか、上手いか下手か。


そんなんやないねん。


読むであろう他人のことを全く考えとらん、ちゅー話や。




電話の留守電も定型文のまま、小学生が作文読んでるような感じ。



「〇〇です。またかけます。失礼します。」




なんか心が無い。

って感じるねん。




書道的な流れるような素人には読まれへん字やアナウンスのように機械的な声。


これらには心が無いとかは感じひん。



味があるというか、あたたかみがあるというか…





うちの中で、社長のんとなんかが違うんやろな~


理由は全く分からんけど(悩

Chapter54






Chapter54







会社に届くDMって、まあ結局のとこ捨てるんが多いと思うねん。



けど、捨てるにしても、社長以下うち以外は届いたそのまんまゴミ箱へ、や。


そのまんま、やで?



チラシならともかく、いくらDMでも個人情報が入っとるんが大半や。(住所も個人名もある




それを、やで?



世の中情報管理が大切や。


家庭でもシュレッダーがある時代に、そのまんまって……



会社にきとるから、載っとるんは会社名と社長名(もしくは会長社長家族名)だけやからうちが放っておいてもなんら問題ないけどな……




あ、問題あったわ。


机の側の個人用ゴミ箱やから、毎回ゴミ集める時重たいねん。


しかも詰め込むから逆さにしても出てきよらん。



手間やわ。





うちの家庭は、小さい手動のやけど、シュレッダーがある。


うちもそういうのは気になる。



家庭のしつけ?教育方針?の違いか?

Chapter55






Chapter55







蜀仙に入って三年目のある日、突然鶏虎さんから



「この日健康診断やから、ここの病院行って。いるもんとかこの封筒の中に書いてあると思う。」



健康診断?



労基違反しまくりやし、無いもんやと思おてたわ。(実際こん時まで無かったし



しかも、行く先の病院が地元でも評判の悪いとこ。

絶対入院はするな、ってみんなゆうてるとこらしい。


うちは行ったことないから分からんけど。



なんでそんな病院かゆうと、うちの推測やけど鶏虎さんの電話聞いとったら多分、期限ギリギリやったからや。


そんな病院しか空きが無かったんやと思う。


うちの年齢やと、かかりつけの診療所でも出来るめっちゃ簡単な検査やのにわざわざ電車や。



時間の無駄ぁ~!!

それにな、全員やないねん。

一日一人ずつ。


人手不足の悪影響がここにも。



それにな、病院側の案内が不十分過ぎる。


一つの検査が終わったらその度に受付に言いに行かなあかんかった。

言え、って言われた訳ちゃうで。

受付に言わな放置されそうな気配がプンプンしたからや。



案の定、診察して問題ないと言われ待合室に戻って来たんはええ。


けど、帰ってええとは言われんかったから待ってたんや。


勝手に帰ったらあかんやろし。


問診書いただけで検査内容は聞いてへんかったから、帰ってええもんか分からんかったからな。



日が悪かったんか前日の角橋さんより予想以上に時間をとってもーてた。


仕事あるし、後はどうなんやろ~って軽い気持ちで受付に聞きに言ったら、



「もう終わりなんで帰って結構です。」



おいこら。



聞かんかったら、うちずっと待っとるところやったやんけ!

因みに、聞こう思たキッカケは他の患者が受付に聞いとったからや。(内容は知らんけど



うちの判断、グッジョブ!



自分から言わな分からんもんなんかな?

受付の人も検査の人に聞きに行っとったし。


いくら、外来患者がおる待合室とはいえ、これやと時間かかってしゃーないと思うねんけどな。



分からんくて聞かずに勝手に帰ってしもーたらどーすんねんやろ?

向こうから終わりやゆうてくれな分からんちゅーねん。



健康診断の流れとかマニュアルとか指導とか無いんやろか?




システム分からんし、気ぃ使うし、病院って往々にして疲れるもんやけど、余計疲れたわ。




まったく、診療所で出来たらええのに~(多分指定か何かあるんやろうけど




健康診断かて散々上から言われて、今回に至ったらしい。



ほんま危ないわ、この会社…

Chapter56






Chapter56







会長って待てが出来ひんゆーたやろ?


それは社内だけやない。


社外の人間にも発揮され被害が及ぶねん。



前の日送った(とゆうかうちが送らされた)荷物が届かんって送り先から連絡きたらしい。


で、会長から内線



「届いてないやんけ!どーなっとんねん!ちゃんと送ったんか?」



物凄い勢いで怒鳴る。


ちゃんと送ったし、荷物も積み忘れないし、って穏やか(←ここ重要)にそして懇切丁寧に説明しても



「届いとらんねん!調べろ!」



ってまた怒鳴ってガチャンや。


受話器いつか壊れるな。



自分の頼んだもんや。自分でかけりゃええもんを。百歩譲って調べるんはええねんけど、言い方ないわー。


なんて内心ブツクサ思いながらも調べたで。


ネットで検索かけたら配達中ってことしか出ーへんかったから、支店に電話や。



問い合わせ番号ゆうて折り返しをもらう約束をした。(αとするな)


因みに、この時点で定時十分オーバー。


これ無かったら定時で帰れるんに。


ほんま無駄やわ(呆

折り返しもらう約束をした一分後。


会長から内線。



「分かったか?」



分かるわけないやろっ!

大体分かったら内線で連絡いれるわっ!


ほんで、折り返しもらうからゆうたら



「そんなん遅いねん!俺がかける!番号教えろ!」



しかし、かけたんはええけど問い合わせる為の相手先の住所が分からんくて、結局うちに代われとゆう。(βとするな)


で、うちがβと話しとる内に折り返しをもらう約束をしてたαから電話があって鶏虎さんが出る。


両方保留にして、よっぽど待たれへんのか普段下りてけーへんのに事務所に来た会長。


取り敢えずβの電話に出よった。


…が、ニ、三言話して



「もうええわっ!」



って受話器放りよった。


だから、壊れるちゅーねんっ!

で、αの答え


送り先の人がおらんくて持って帰った



…そりゃおらんかったら置いとかれへんし持って帰るやろな…


ってかそれなら不在票あるやろうに…



会話の内容から、多分今日中の再配達は(時間的に)無理と言われたんやろな、



「そんなもんなんとかしろや!ええ方法考えろ!」



と怒鳴り続けとった。




ほんで、結局どーなったかってゆうと……



会長が送り先の人の携帯番号をαに教えて本人同士で話せとゆうて終わり。




さ、匙投げよった…!



しかも、なんかため息ついとったけど、

ため息つきたいんはこっちや!



うちや問い合わせの人に怒鳴ったところで、無理なもんは無理やちゅーねん!





電話の向こうのαβのお二人…

不快な思いさせてしもーてほんま申し訳ないわ。



会社の、いや大人の恥やわ。



ほんま恥ずかしいわ…

Chapter57






Chapter57






社長が始めたリースなんやけど。(Chapter42参照)


1ヶ月経って、仕入先の担当者とうちだけやったら無理や気づいたんやろな。


リース担当者を雇うたみたいや。



鎭踪(チンソウ)さん、40代の男の人や。



ただ、リースしとるとこと同じ処に鎭踪さんもおるねん。


リースの仕入れの納品書はうちの会社にFaxがくる。


それを鎭踪さんにFaxして、うちのパソコン遠隔操作してパソコンにあるフォルダの中のエクセルに入力や。


鎭踪さんパソコンに詳しいから、遠隔操作とか楽勝みたいやわ。


うちにはチンプンカンプンやけど。



うちが半月程入力し終わった後で鎭踪さんが入力し始めたんやけど、電話が鳴る鳴る。


酷い時は10分置きぐらいに。


会長とええ勝負やわ……



分からんこと聞くんはええねんけど、纏める能力と自分で考える能力が無いらしいな。


何が言いたいか分からん。


見れば一目瞭然のことを聞く(納品書やなくて社会人としてのな



結局、長電話。


社長と一緒に仕入れ先に行って仕入担当者とも話したのにも関わらずや。


入力以外のことはうちより詳しいやろっ、ちゅーねん!

Chapter58






Chapter58






突然やけど、咫穢臀さんが辞めよった。


辞めんのはまあ個人の自由やけど、時期がな。



ほんま突然やってん。


社長から言われるまで、社長以外誰も知らんかってんで(呆



で、時期は年末。


世間はクリスマスで浮かれとる。



いつも以上にバタバタして、人手がいるのにも関わらずや。


辞めんの分かってんのやったら、咫穢臀さんが辞めるまでに人募集するやろっ!





…………って思うんは、うちの我が儘やろか。


得意先に迷惑掛けてまで、人を入れん理由は何なんやろか??

Chapter59






Chapter59






咫穢臀さんが辞めてから、早5ヶ月。


その間、鶏虎さんがする言った咫穢臀さんの仕事はほぼうちへ。




さあ、もうお分かりやね!



うちの本来の仕事が出来ん上に、残業が増えた。


ものっすごく!





はぁぁぁぁぁ~~~~~~




も、溜め息しかでーへんわ……

そして半年後、ようやく咫穢臀さんの代わりが入ってきた。



しかし、やっぱり一筋縄ではいかんねんなぁ~



新人さんは、杤吐さんの娘さん、杵鏑(キネカブラ)さんや。




未知数やけど、とりあえず鶏虎さんの仕事を手伝うらしい。



身内で固めよってからに。


ますますうち以外の思考が狭なるわ~






うちの仕事を誰かに回せる日はくるんやろか………。

Chapter60






Chapter60







さあ、みなさん。


ゆうとらんかったけど、うちの嫌な予感当たったで!



鎭踪さんがリースの入力し始めて半月………も経ってへん。



やのに、鎭踪さんが辞めた。


締め日前の忙しい時に。



忙しい時に辞めんのって社会人としてどーなん?


前々からとかちゃうで。


突然の場合や。



引き継ぎもせんと、どれだけやったか報告も無しに。



これやったらうちが自分でやった方がましやわ。



2倍、いや数倍、手間も時間も掛かる。



無駄過ぎるわっ!




で、結局うちが全てやったで。


いつもの如くな。



残業が更に増えまくった。



星座占い曰く、金運上がって稼ぎ時らしい。

でも、地道な感じやて。




占いとかあんましやんし良いことしか信じひんけど、これは当たっとるわ~



楽して金は手に入らんちゅーこっちゃな(納得




誰か助けてーーーーーー!!!

Chapter61






Chapter61







さて、襷苳さんは………、


襷苳さん以外もやけど、人にものを頼む態度ちゅーもんがなってない。



うちが昼休憩行こう思おて、行ってきますゆうたんや。

そしたら…………、



「伝票書いてくれへんの?」



は?


伝票?


いきなりゆわれても、知らんわっ!



つか、うち昼休憩!

うちはあんたらと違って、きっちり時間に帰って来なあかんねん!

1時間経たんと、帰って来なあかんねん!

あんたらだけじゃ、電話やお客さんの対応出来ひんから。

やろうと努力もせーへんしな。


ってか書かんかったんは、あんたがややこしいゆうたからや!


反物が裁断屋に行く時うちは、漏れんように反物が届いたら書くようにしとんねん。


日付空白でな。



それを自分がややこしいからって、無理矢理止めさせたんやろ?


全部押し付けて、伝票書かんくせにな。

文句だけはいっちょ前。







全てにおいて、


幼稚園からやり直せ――!!!

Chapter62






Chapter62







ある日会長が、事務所に来て言いよった……………





「俺って大事にされてへんなぁ。」




そしたら、杤吐さんさんが




「そんなことあれへんよ。」




ってゆうとった。





この会話を聞いて、うちが思ったこと。






当たり前やぁ―――!!!!!





自分の行動振り返ってみんかいっ!







と、内心毒舌吐きながら、表では黙々と仕事。





最近、怖いほど冷静になってきたわ。



会長が憐れで憐れで。



慰めとる杤吐さんも、表面上なだけやしな。


会長のおらんとこで、襷苳さんと文句たらたらやねん。




けど、ナイショ話みたいに文句ゆうてんねんけど、うちにはまる聞こえや。



うちも家族や友達には愚痴溢すことあるけど、職場ではあれへん。


職場でゆうたら、愚痴やなくて悪口になってまうと思うから。



まぁ、愚痴を溢せるような仲間や味方は職場にはおらんけどな。

ってかな、会長がなんでそないゆうたかってゆうと………




障害者、やからやねん。


なんか心臓手術してらしい。





けど、うちは思う。





それって障害者の人達に対して失礼ちゃうか、と。



障害者やから、大事にするんやない。


その人を大切にしたいと思うからするんや。




うちかて、障害者の友達おるしじっちゃんばっちゃんも年いってたからそうやった。


けど、そんなん一言も言ってへんかった。


だって大事にされてるって、分かっとったはずやから。



うちの思い、伝わっとったらの話やけど。




つか、逆に


障害者やから大事にする


やったら、障害ありきでその人みてることになるやんか。



それって一種の偏見ちゃうかなって思う。



出来ひんことは手を貸すし、逆に教えてもらうこともある。



ギブアンドテイクやないよ。

大事な人に見返りなんて求めへんしな。






…………と。


長々ゆうたけど、結局のところうちにとって会長は、障害者でも大事にする相手でもあれへん。


ストレスの原因の一つでしかないちゅーこっちゃ!

Chapter63






Chapter63







リース初めて3ヶ月目のある日。

リースの数字を入力しながら、うちは物思いに耽とった。





リース担当者から毎日納品書がFaxでくる



うちが店舗・商品別にエクセルに入力



締日前後にリース担当者が入力したエクセル表がFaxでくる



それとうちの入力したエクセルが合致



得意先へ請求書と共に郵送



以上がリースに関しての一連の流れや。



1ヶ月目は、リース担当者とうちの入力した数字が合わへんかった。



まぁ、最初やし商品数多いしで、しゃーないやろ。


………的な?



そんな軽い考えの社長で、結局リース担当者の数字に合わせることで決着。


因みに、合わん原因は、リース担当者が返品や商品名をちゃんと記載せーへんでFaxしてきて、訂正のFaxも入れへんかったからや。




ほんで2ヶ月目は、1ヶ月経っとるし訂正のこともゆったし大丈夫やろ。




………と、思ったんが間違い。


うちの考えが甘かった。



砂糖の塊みたいに甘甘やった。

2ヶ月目も数字合えへんかった!!



社長がリース担当者に会うゆうから、取り敢えずうちが入力したエクセル表持っていった。




で、結果。




うちの入力したエクセル表をリース担当者にFaxする。


それをリース担当者が照らし合わせて、合っとったら連絡なし、間違っとったらRfaxあり。



ということに落ち着いた。




って、結局直す気ないやん!


どっちかに合わせるんやなくて、事実確認しやがれっ!





リース担当者が一人でしとるから間違ってしまうねん。向こうも大変やから、しゃーない。





って、社長はゆうけど。


うちも一人でしとんねん!


しかも4つやない!



50以上も一人でや!
(リース始めたって聞き付けた得意先が引き継ぎを頼んだらしく一気に増えた。まぁこっちは商品数少ないし得意先がしっかりしとったから何ら問題無しや)



毎日の納品書と、それを入力しとるエクセル表が合わん、って致命的過ぎるわ!




まずは、その適当な事務作業と押し付けと丸投げと、分からんことをそのままにする。



そのどーしょーもない根性、叩き直してこいやぁっ!!!

Chapter64






Chapter64







リース担当者にRfaxもらうゆーたやろ。(Chapter63参照)




やっぱり間違ごうとるんか、Rfaxがきた。



まぁ、それやったらええ。


ちゃんと確認しとるんやって分かるからな。



けど、商品数多くてA4サイズ1枚に到底収まらん。


だから縮小して送ったんや。

得意先にもな。



しかし、リース担当者には見えへんかったようや。



Rfax用紙に書いてあった。





おいちゃんには、小さすぎて見えない(ハート)





キモっっっっ!!!!!





見た瞬間、鳥肌と寒気がしたわ。



リース担当者誰か分からんけど、人間性が見えた気がした。





うちは、何を真面目に、一生懸命に、残業して、しんどい目してやってきたんやろ。





うち、あんたらの間に必要やろか。



真面目にせんあんたらに、うちが指導や命令出来んのに。


命令されんのはうちやのに。



得意先もうちの説明に、飽きれとった。


電話越しでも分かる。



目先の利益に飛び付いて、築き上げなければならない筈の信用を失っとるわ。

Chapter65






Chapter65







会長がな、商品出す時仮伝付けろゆうて煩いから付けとったんや。



ほんで、控えの仮伝は会長の机の上に置いとった。



そしたら、



「納品書切っとらんの?なんで、納品書切れへんのや!」



ってゆうたから、



「売価聞いてませんし、切れとも言われてませんから。」



と言った。


会長は全部把握したいから、いつも自分で原価出して売価をうちに言う。

やから、言われとらんのに勝手には切られへん。(言ってから切れって前にゆうたしな


社長の案件も見積書出とらんものは、うちが原価出して売価決めてもらうし。


会長の案件は、会長がやる。

うちはパソコン使われへん会長に代わって、入力だけ。


やのに、



「言われてない、ちゃうやろ!聞きに来い!」





はぁぁぁぁ??????(怒)




聞きに来いって何なん?



言いにくるんが普通や!



パソコン使われへん自分に代わって入力してもらう



それが会長の立場や!



いくら会長とはいえ、うちは秘書でも召し使いでも、何でもあれへんねん!!!!


会社と得意先の為に誠心誠意働いとる、一人の従業員や!

つかな、人手不足やのに辞めるわ、掻い摘む様に新規のことやるわ、そのせいで全部押し付けられるわで、うちは毎日残業でパンクしとんねん。


社長にゆうても、ありがとう。軽いその一言だけや。


改善なんて、夢のまた夢や。


せやから、会長の戯れ言に一々返す暇もお守りしとる余裕もないねん。


で、忙しい、出来ひん、今は無理ってハッキリゆうようにしてん。



冷静に、感情を無くして、な。




高圧的ですぐ怒鳴る人ちゅーんは、威張りくさりたいからって聞いたしな。


正当な反論をされると弱いとも聞いた。




うちは、他人が怒ってんのとか物を乱暴にあつかったりして出た音とか聞くとストレス溜んねん。(ドラマとかやったら大丈夫やねんけどな



多分、怒鳴ればゆうこと聞くと思っとんのやろ。


そして、今までの人達は聞いてきたんやろ。



けど、うちは違った。


間違いは間違いってゆうしな。



そしたら、会長の態度が変わった。


なんか、恐々喋っとる。



恐怖したんやろか、うちの怒りに触れて。(普段は全く怒らんし常に笑顔やからな




うち的には願ったり叶ったりや!

ほんで、納品書切った切らんで、うちがキレたんが気に食わんかったんやろな。



事務所に降りてきて、怒鳴りよった。


そん時、社長もおってな、社長が怒鳴っとる会長に対して、



「その言い方は榊さんの為に、やない。一方的に怒鳴ったってあかん。しかも、榊さん悪ないやん。会長が言うの忘れてただけですやん。」



そうゆうた。


ゆわれた会長は、負け犬の遠吠えの如く、



「ち、ちゃんと指導しとけ。」



と捨て台詞を吐いて、出ていった。



かなりの怒鳴り声やったから、事務所にいた人達は黙々と仕事して知らんぷりやった。



で、当のうちはとゆうと………


笑いが止まらんかった(爆笑


怒鳴られとんのに、何でかって?



だって、自分が間違えとんのに怒って、怒鳴り散らして、最後は捨て台詞、やで?


しかも、息子にまで言われる始末。



爆笑はせーへんかったけど、顔は絶対にやけてたな。


自覚あるわ。



うち、真面目で慎重タイプやし、間違いは素直に認める、分からんことは知ったかぶりせずに聞く性格やし(全部友達のお墨付きやで!


ゆとり世代とかゆわれとるけど、結構肝すわってるんやで!

しかし、納得いかんことが一つ。



あれだけしても、満足いかんかったらしい。


怒鳴り散らした時おらんかった鶏虎さん呼び出してゆうたらしく



「会長は頭中で処理した気になってたみたいや。けど、分からんかったら分かるまで聞かなあかん。自分勝手に処理したらあかんよ。」



うん。

全く見に覚えがあれへんな。


分からんかったら聞くし。

自分勝手に処理したことないし。


で、極め付け。



「角立たんようにしてな。」



……角が立つって何?


もちろん意味は知っとるよ。



角を立てた覚えもなければ、立つ様な言動もしとらん。



しかも、うちは争う気もない。

穏便に冷静に、正当な理由を述べただけ。


寧ろ、騒ぎ立てたんは会長の方や。




なんで、こっちが気を使わなあかんねん。


なんで、会長の機嫌をとらなあかんねん。


なんで、うちが命令されなあかんねん。





……………と、言いたいことはめっちゃあったけど、



「そうなんですか。分かりました。」



笑顔でそう返した。


その笑顔が、引きつってたんはその場におった誰も分からんやろなぁ~

Chapter66






Chapter66







生産するエプロンに付けるボタンを仕入れる時がたまにあんねん。(大抵得意先から支給か工場へ直送やねんけどな



枚数が多い時は、もちろん使うボタンも多なるから箱で入る。


けど、たまに枚数少ないとかサンプルとかで少ない個数で仕入れる時があんねん。



そん時は袋のままできて内職さんに渡すか襷苳さん達が縫うかするから、袋ごと襷苳さんに渡すねんけど………


手渡ししたにも関わらず、無くしたらしく、



「貰っとらんで。置いといたあかんやん。小さいからどっかいくねん。」



て・わ・た・し・や!


置いとらんし。



つか、作業台の上を散らかしとんのはあんたや!



小さいゆうても、ちゃんと管理しとったらどっかいくことはあれへん!




しかも、うちにゆうな!




自分の管理能力の無さを嘆けー!!!

Chapter67






Chapter67







会長は、法律違反も時には厭わん。


会長は釣りをするみたいやねん。



そん時に許可書がいるらしいねん。


けどその許可書をコピーしろ、ゆうねん。


流されたらあかんから、ゆうて。


けど、それって犯罪やんな。


許可書をコピーって。



しかも、コピーは厚紙にってばれへん小細工までしよる。


で、コピーしたらしたで、色が似てへんと文句を垂れる。



しかもたまたま来とったコピー機の人に、


色を似せろ、だの



これ以上無理と言われたら


それくらい出来る様にしろ、だの





迷惑なことばかりいいよる。




まぁ、蜀仙自体法律違反だらけやからな。



こんくらいでは、驚かんで。





幻滅、失望、呆れ果てるけどな。

Chapter68






Chapter68







杵鏑さんが勤め始めて早数週間。



杵鏑さんの性格の片鱗が見えてきたで。



まず、受話器をガチャンと置く。



うちは習わんでも小さい時から、ソッと置くようにしていた。


社会人になってから始めて気付いたけど、ガチャンって置くと聞いてる方には結構な音がすんねんな。(会長との内線で体験済や





後、持ち上げられへんけど引きずることの出来る重さの出荷物は自分で出すねん(余りにも無理な時は頼るけど


普通重たいもん動かすゆうたら手やろ?



しかぁしっ!

杵鏑さんは違った!




足で荷物を押し………蹴っとった。



得意先に送る大事な商品の入った箱を、やで?




うちには、絶対あり得へんことやねんけど…………





家庭の躾の違いかなぁ?




蜀仙におったら、うちの過ごしてきた常識がことごとく覆されんねんけど………




こんな奴らがうちの人生の先輩やなんて…………





蜀仙以外にはおらんように願うばかりや……(必死に願

Chapter69






Chapter69







会長ってな、何でも自分でやりたがったり把握したがったりする割には、理解力が無いねん。



仕入れの伝票って会長の発注、社長の発注って分かれてないねん。


仕入先は分からんから、複数案件纏めて1枚の伝票でくんねん。


そん時は、入力済印押した後コピーして案件ごとにファイリングしとるからその中へ。



社長案件とかはそれでええねんけど…………、



会長はコピーをそのまま渡したらあかんみたいや。



伝票にたくさん商品あってどれか分からんから、自分の商品に丸付けろ、らしい。



発注は綾牝さんがすんねんけど、指示するんは会長や。


会長が伝票見て、分からんわけがあれへん。





自分のことすら満足に出来ひんのかぁぁぁ――――!!!!!

Chapter70






Chapter70







杵鏑さんが勤め始めて、初めての締日を迎えたんや。



例のごとく角橋さんは得意先に外出。

締日に限ってこんなんばっかや…



で、うちより後輩やし咫穢臀さんよりはマシかなぁ思うたけど、まぁ変わらんかった。


結局、咫穢臀さんの業務を鶏虎さんと2人でちんたらちんたらやっとるだけ。


うちの業務はだぁ~れも手伝えへん。

見向きもせーへん。



で、うちが一人で請求書(もちろん残業で)しとる時、杵鏑さんも鶏虎さんと一緒にちんたら作業をしとった。



で、たまたま社長もおってんけど、(社長もうちが一人でしとんのをガン無視)



社長が杵鏑さんにゆうた。



「定時過ぎとるけど、大丈夫なん?」


「ああ、もうちょっとだけなら。」







定時過ぎとるけど大丈夫?!


もうちょっとだけなら?!





うちもとっくに定時過ぎとるけど?


うち大丈夫なことあれへんけど?

うちが独身やから押し付けてもええと思うとるんやろか?



家が近いからどんだけ遅なってもええと思うとるんやろか?




杵鏑さんが子供おるから残業せんでええんやろか?



杵鏑さんの定時うちより遅いんやけどな




子供おって残業あかんねんやったら、最初からそういう風にしたらええ。


2人で交代でしたらええ。



独身やからって残業出来るとは限らんねんっ!


プライベートあんねん!


誰が好き好んで残業なんかすんねん!



残業せんでええように、計画的に素早く無駄なく仕事しとんのに、邪魔しとんのはお前らや!






うちが頑張る意味ないやんな……


うちがおる意味ないやんな……



押し付けられるんやったら誰でもええねん………




結局、都合良く働いてくれるんがうちやねん………



うちは都合のええ女やねんな………



自覚してても、得意先のこと思うたら放り出されへん。


無責任に、無責任な奴らに、大切な得意先に関わること預けられへん。






だからうちは、残業の日々を送る…………

Chapter71






Chapter71







襷苳さんがまたやらかしよってん。



この日に出荷せーへんとあかん商品の畳みを襷苳さんと妻傳さんがしとってん。



そん中で、角橋さんが



「出来る?出来んかったら明日って電話するよって、言ってや。」



危ない思おたんか、襷苳さんに聞いてた。


この日ゆうても、お客さん希望やし、1日ずれても大丈夫みたいや。



け・ど、襷苳さんは



「大丈夫や。今日に出す様に計画しとるから。」



とゆうたんや。

だから、角橋さんはお客さんに大丈夫やてゆうた。



ほんで、角橋さんがお客さんのとこ行かなあかんくなって出掛けた。

それから少し経って、襷苳さんが言いよった。



「なぁそれ今やんなきゃあかんの?シールすら貼る時間ないの?」



はぁ?



あんた、さっき大丈夫ゆうたよな?


ってことで、



「やっぱり出来ひんのですか?せやったら集荷の時間遅らせて貰いましょうか?」



……………あ。

本音が出てもうた。(テヘッ☆

うちはうちの仕事あるし、出来るゆうたんあんたやし、出来ひんねんやったら番濡雌さん・杤吐さん・杵鏑さんにやらせたらええ。


うちは、あんたらの戦力ちゃうねん!




自分達で、どうにもならん時、他人に頼るもんや。


しかも、他人の時間を自分の為に削らしてまでやからな。



ほんだら、襷苳さんなんてゆうたと思う?



「遅らせたって、うちは〇時には帰るよってそんなん関係ないわ。」



ナンヤソレ?

帰る?

仕事放っぽり出して?

うちだけに手伝い要求して?

〇時ってただの定時やん。

うちはあんたらの後始末で、いつも残業なんやけど?







ええ!

もちろん手伝いましたよ!

うちは外面はええからなぁ!


つか、今日大丈夫ゆうて出さんかったら信用に関わるやんか!



番濡雌さんも
杤吐さんも
杵鏑さんも

自分の仕事。



うち

他人の仕事。



結果、出荷出来たけど、うちは仕事出来んかったし、残業や。



襷苳さんも、番濡雌さんも、妻傳さんも、杤吐さんも、杵鏑さんも、



後片付けもせんと定時やからって帰りよった。

ほんま、学習能力のない人達やわ。


出来んなら出来んゆーたらええ。


うちやったら、その上で手伝ってもらうんか、明日に回してもええか相談するわ!


まぁ、そうなる前に出来なさそうやったらそん時に角橋さんに相談や。


なんで出来んことを出来ると答えんねん。


しかも、ありがとうの一言も無い。


例え、ありがとうゆわれても、感謝の欠片も無い口先だけのやけどな。





うちは、あんたらのパシリちゃうねん!


うちは、あんたらに手伝ってもらうなんてあり得へんねん!


うちの仕事は、あんたらには無理やねん!


雑用も嫌がってやらんあんたらに!


自分の好きなことしかせんと、嫌なことは全て分からん知らん。



そりゃ無理やわな。

世の中には受け入れられへんわ。


やから、こんなとこしか場所がないんやな。

若いもんが食い潰されるんや。


けど、20年後ぐらいには大丈夫やな。


うちみたいな常識ない会社には、人がおらんくなるわ。


若いもん、なめたらあかんでな。



未来見据えんと、今の自分の利益だけ考えてる様な奴の周りにつく者はおらん。


未来が楽しみやわ♪

Chapter72






Chapter72






適当なリース担当者って、数字に適当やけど、お金にも適当やねん。



仕入れた商品の代金支払う為には、仕入先からの請求書を見てうちのと合わせて合致したらOKや。


まぁ普通やな。




しかし、しかしや。



そのリース担当者は違った。



請求書が郵送でくる前に、Faxもらうねんけど、金額しか書いとらん紙1枚や。

日々の明細、うちの送った表で確認しとる筈やし、明細無かったら合っとるかどうか分からん。



やのに、1枚や。


催促して催促して、やっとや。


それが、1度目から今までずっとや。


まぁ、ゆうても直らんやらゆわんけど。




……………ああ、こうやって人は離れて行くんやな。





って、脱線したな。



請求書の話に戻るわ。



そんでもらったFaxで合わせていったら………、合えへん。



で、合えへんってリース担当者にゆったら確認するわ~で3週間経過。



結局合ったけど、確認せんとうちの送った表丸々写したんとちゃうやろな。



めっちゃ、やりそうやわぁ~

しかもな、リース担当者は表に番号を振れと言い出した。


品数多すぎて把握しきれんし、うちの管理品番やと面倒やねんて。



管理品番かて、そっちが記載せえゆうたから記載したんや。





エクセルの表は本来得意先に送るもんや。


リース担当者に送るもんやない。



それに、番号を記載せえやと?!




それ、意味ある?




結局面倒くさがった社長が、一番上からただ単に番号を振った。





意味、ないな。




得意先の人、混乱させるだけやろうに。



相手のこと考えられへん奴らやで………

Chapter73






Chapter73







ある日、おめでたいことがあった。


杵鏑さんが入ってすぐに、杵鏑さんの娘さんが赤ちゃんを産んだ。



めっちゃ、おめでたいやろ。






………それだけやったらな。





娘さんの希望か杵鏑さんの希望か、杵鏑さんが娘さんに付き添う為に休んだ。




当日だけやったらええねんけど、産まれた日の週末、週末は次の日休みやから出荷を出来るだけするんや。



で、重なって大変やろなぁ~思おて、杵鏑さんの出荷分手伝ったんや。


自分の仕事あったけどな。



うちん時は、誰も手伝わんかって大変な思いしたからな。


自分がされて嫌なことは、したらあかん。




で、出荷しとる途中で杤吐さんが定時になって帰ろうとしたら……………




杵鏑さんも帰りよった!!!



後お願いしますも、ありがとうも、ごめんなさいも、なぁ~んにも無しや。



出荷なんて自分の仕事やと思おてないんやな。


出荷も大切な仕事や!




うちが責任感強いだけか?


うちが他人を頼らんと迷惑かからん範囲で自分の力でやりたいだけか?




仕事を通して成長したいと思うんはうちだけなんやろか…??

因みに、その娘さん、17歳で通ってた高校退学すんねんて。



17歳も、子供産むんも、個人のことやからええねんけど。


高校を退学て。



なんで、高校行っとたんやろ。


なんで、高校通っとるのに子供が産まれる状況になったんやろ。





今や、出来ちゃった婚やなくて授かり婚ってゆうねんてな。



確かに、授かりもんやろうけど………



授かりの意味、間違ってないか?


そう思うんはうちだけか?



トラブルになるケースの方が多いゆうに。


授かったって、自分の生活の都合優先する奴おるやん。


育てられないだの、お金がないだの、自分のところに産まれたって不幸になるだけだの。





反対に、自分の所有物と示す様に名付けたり。




世の中どーなってんねん!



うちより長く生きとんのに。



時代の流れ?

流行り?



いや、ちゃうな。


うちが常識的とゆうんは、友達が証明してくれたわ。


友達も同じ考えやった。


そりゃ高校卒業してからわりかし早よ結婚して子供産んだ子もおるけど、ちゃんと生活や子供のこと考えとったわっ!

Chapter74






Chapter74






さて、突然やけど、うちの朝の掃除(Chapter3参照や)の項目が1つ増えましたぁ!



それは、なんと………




2階のトイレ掃除や!



綾牝さんが今までしとったんを何故か、うちらがすることに。


社長はいつも通り意味不やわ。



嫌味込めて、トイレ掃除までしとったら余計時間かかるゆうたら、



「トイレ掃除は交代やから、ええやん。」



はぁ?


その他はうちがやれと?


うちが一人で?



と内心思おたけど、ちょっと困惑した声色で



「トイレ掃除の他は一人で、ですか?」



と聞いてみたんや。


ほしたら、



「当たり前やん。襷苳さん達は仕事しなあかんしな。」



案の定、案の定や。





うちは、家政婦か何かか?


うちも仕事しに来てんねんけど?





そうか。


分かったわ。


うちに押し付けて、楽をすればええ。


堕落すればええ。



後で、困るんは、あんたらや。



ここより酷い会社そうそう無い。


嫌で辞めるんや無い、成長の為や。


辞める理由ポジティブやし、説明ならなんぼでも出来る。



上だけ見ればええんや。

Chapter75






Chapter75






トイレ繋がりで、もう1つ。




実は、2階のトイレも壊れとるみたいやねん。


水が流れっぱなしになるらしい。



気を付けて、ゆわれたけど、うちが流す時はちゃんと止まる。



普段の行いがええんやろか?




それとも、トイレも人を選ぶんやろか?





トイレも賢いな!





で、そのせいで水道代が高いって、鶏虎さんが文句垂れてた。




当たり前やろ!



修理せーへんからや!



修理代高いし、テープで止めたら、止まったからやて。




目先のことに囚われとんなぁ~

Chapter76






Chapter76






会長ってな、電話の意味を知らんらしい。



外線が会長宛に入ったから、内線掛けたら………



ガチャ



受話器取った音が聞こえたから話かけたんやけど、受話器の向こうから話声が聞こえただけで応答なし。



しばらくすると、



「なんや?」



ん?

受話器から聞こえとった話声なんやったんや?



推測するに、携帯で誰かと話とってうちが内線掛けたから受話器取って、相手に待っとれゆうてうちになにかと聞いた。

………と、こんな感じか。







携帯で話とるのに、内線とるか普通?!



でーへんかったらでーへんで対応するわ!



つか、携帯の相手に失礼やわ!

Chapter77






Chapter77







仕入先からもろうた納品書に単価が入っとらんかったから、電話したんや。



ほしたら、何を勘違いしたんか



「総額を数量で割って単価出しといて。」



やて。



………いや、単価だけやのーて総額も入っとらんけど。



手書きやからな、たまには間違えたりすることあると思うねん。


けど、間違え過ぎやわ!


請求書の合計金額もやねん。





会社の顔になる請求書やのに。


自覚無さすぎるわ!

Chapter78






Chapter78






うちのコピー機なリースやねんけど、紙詰まりするわ相手からのFaxが中抜けするわで会社ごと変えてん。



コピー代が安なったゆうて社長は嬉しそうやった。


うちも紙詰まりや中抜けから解放されて良かったぁ~




て、思おたら、これがまた………



前より酷なってん。




コピー機がパソコンみたいになった。


ネット検索も出来んねんて。


まあ使えんのうちだけやろうけから、正直いらんねんけどな。


で、他にも紙からエクセルやワードに変換したり、紙をPDFに変換してパソコン上で書き込み出来たり………


色々ハイテクになったんや。



まぁそこまでやったええねんけど。


酷なったんは、めっちゃエラーが多なってん。



古いコピー機に入っとったデータ移したのに、その番号で送ったFaxがたまにエラーになって送られへん。


通話中とか、番号なんも変わっとらんわ!



紙詰まりも起こしよった。


詰まった紙取ってもエラーのまんま。


取った紙は千切れとらん。



コールセンター曰く、内部の問題らしい。


技術者を呼ばなあかんって!


古いコピー機と変わらんやん!

で、ハイテクの極み。


エラーが出た思おたら、



エラー番号〇〇〇〇

技術者を呼んでください





素人にはどうにも出来ひんやん!



しかも、エラーの原因が内部の機械問題。



他の会社でもかなりあるらしく、随時内部機械を交換しとるって。



ピッカピカの新品やで?



リコール手前か!





どうも、ハイテクは合わんらしいな。



机上の空論ばっかで、実現はうち任せ。



協力ならせーへんこともないけどな、丸投げじゃテレビ見てヒーローになりたいゆうてる子供と変わらんわっ!!

Chapter79






Chapter79







社長はほんま現場を知らん。



決算月ってな、消費者にとっては商品が安なるみたいな感覚やと思うねん。



うちも、経理知らんかった時はそうやったからな。



けど、会社的にはギリギリまで利益上げたいとか事務的には棚卸しとかまあ色々あんねん。



で決算月の25日ぐらい。


社長がうちに聞いてきた。



「もう全部入力出来たか?締めたか?」



はぁ?


末締めがほとんどやのに、25日に出来とるわけないやん!



年末みたいに、早よ締める訳でもなしに。





どんだけ儲かっとんのか、気になりすぎやねん!



儲からなあかんけど、儲かる理由はうちら現場のおかげや!


適当なあんたら年長者が信用を貶めた言動をなんとかやって会社の信用落とさんようにやっとんねん。



あまりの適当っぷりに、得意先の人からあんたも大変やなぁって言われてもうたがなっ!





うちの苦労分かってくれんの、得意先の人だけや。



なんで、一番近こうおる自社の人間が気付かんねんっ!!!

Chapter80






Chapter80






綾牝さんが休みを取る前の日。



「明日休むから出荷あったらしてな。」



ん?


うちがか?


何故に?



綾牝さんがいない時は、鶏虎さんがしとる。


その鶏虎さんがいない時は、出荷はせーへんねん。


在庫とか連絡とかうちは分かれへんし、勝手にしたら分からんくなるからゆわれたし。



で、鶏虎さんに仕事教わっとるんが杵鏑さん。



もう、お分かりやろう。



綾牝さんが言うべき相手は杵鏑さんや。


うちに言う理由があれへん。



けど、鶏虎さんは杵鏑さんに、綾牝さん担当の出荷の仕方教えとらんねん。





はぁ…………


出荷要請Faxは3件。





まぁ、結局うちも出荷重なって出来ひんかったけどな。






…って、出来ひんかった、はおかしいな。


うちが出来ひんくてもええねんな。


ええねん、ええんや!


って思わな得意先に申し訳ない気持ちが溢れてくんねん!(焦

Chapter81






Chapter81







得意先からエプロン数枚の洗濯を依頼されたんや。


で、枚数が少ないからコインランドリーでやれって社長がゆうから行ったんや。


ほしたら休みやってん!


壁の塗装工事やて。


まあそれはしゃーないから、少し遠いけど社長が知っとるとこに行った。



で、洗濯乾燥し終わったから、得意先に送ろうと畳んどったら襷苳さんが、



「女の人おらんのやろうかねぇ。」



うん。


男でも洗濯ぐらいするで。



つか、女が~とか言う割りには掃除とか整理整頓とかお茶汲みとかはせーへんねんなぁ~



なんでやろ?

あ、お茶汲みで思い出したわ。



蜀仙で、うちは角橋さんの次のポジションやねん。


まぁ、ポジションゆうても役職ないけどな(呆



で、お茶汲みはとりあえずうちがしとってん。だぁーれもせーへんからな。



杵鏑さんが来て、事務員括りでは杵鏑さんがしなあかん。

鶏虎さんにも言われとったみたいや。


で、蜀仙は面接に来た人には出さんねんけど、それを知らん襷苳さんが、



「お茶出さなあかんで。」



うちに言いよった!



うち一応あんたらの先輩やねんけど?


なんでうちやねんっ!



咫穢臀さんはうちに押し付けてほったらかしやったし。



自分の仕事さえ満足に出来ひんし、雑用すらしーひんし……



うちが来るまでの蜀仙はどないなっとったんやっ!

Chapter82






Chapter82







杵鏑さんと襷苳さん絡みでもう一個。



うちが外で出荷作業しとったら、聞こえてきたんや。



「榊さんは、電話とらんからなぁ。」



声の主は襷苳さんや。



言葉の意味が分からん。


うちがいつとらんかったんかなぁ?


とらんのは、あんたやしなぁ。



とゆうか、蜀仙は全員の仕事に電話対応含まれとるねんけど?


それに、電話とらな得意先覚えられんやろ!


だからいまだにうちがおらんと、電話や来客対応が誰一人出来へんねん!



うちかて、電話嫌いやねん!

けど、仕事やねん!

それが、仕事やねん!





だからうちは、いつまでたっても、先に進まれへんねや………

Chapter83






Chapter83







妻傳さんは、仕事をなめとる。


うちが出荷しなあかんくて、その一件の商品が1枚足らんかってん。


けど、畳んでないもんやったから妻傳さんに頼んでん。


妻傳さんの仕事は畳むことやからな。


まぁ、うちも時間があったら1枚ぐらい畳むんやけど、出荷めっちゃあったし、妻傳さんは出荷せーへん商品を畳んどったからな。



けど、一度は分かりましたゆうたのに襷苳さんが



「1枚ぐらい畳みーや。こっちは忙しいねん。」



はぁ?



忙しい?



出荷せーへん商品やけど?



つか、畳むんはあんたらの仕事やゆうの何回目や!




結局、運送屋さんに待ってもらって出荷したわ……


その間、襷苳さんご一行様は帰りよるし、杵鏑さんはパソコンに向かってカタカタ……



うちが頑張って意味あるんやろか、分からんくなってきたわ。

Chapter84






Chapter84







襷苳さんは、性格も言葉もなんか一言多いねん。



生地の反物を裁断屋に持っていこうと、襷苳さんと角橋さんが車に運んでたんや。


で、出す反物の指示とか反物の色あるかとか、うちがせなあかんからしとってん。



ふと在庫気になったから、襷苳さんのとこ行って反物の棚確認しとったら、襷苳さんがなんや話ながら何故かうちに反物を渡しよった!!



なんでやねんっ!



と、内心突っ込もうとしたら、電話が鳴りよった。


角橋さん外で聞こえとらんし、杵鏑さんは会長に呼ばれたんか2階や。



で、早よ電話出な!

ってかけてったら………



「上手く逃げたなぁ~」



背後から聞こえた言葉に唖然としたわ…



逃げたってナニ?



在庫管理して、指示して、伝票書いて、


ほんで反物も運べと?!




在庫管理も出来ひん、指示せなほったらかし、書くだけの伝票は面倒と丸投げ、電話は分からんと出ーへん。



何も考えず、頭も使わず、ただ運ぶしか出来ひんくせして、それすらやらんのかっ!

違う日にもあってん。

角橋さんと鶏虎さんが出てて、杵鏑さんが休みやった時の話や。


普段は言わんねんけど、襷苳さん達はおっても電話出ーへんさかいに、しゃーないから2階に行く時に、



「2階行ってきます。」



って声かけて2階に行こうとしたら、



「どこ行ったん?」


「トイレやろ。絶対トイレやわ。」



妻傳さんと襷苳さんの声が聞こえた。



そりゃトイレ2階にしかないけど、2階に行く用事、それだけちゃうねんけど…


しかも、それをからかい口調でゆうって……



ガキかっ!

道理をわきまえとらんガキやんけ!




しかも、うちが持たれへん30キロぐらいの荷物とか軽々持てるにも関わらず、



「誰か手伝ってーなぁ~」



誰に言う訳でもあれへん。空間に向かってゆとった。


それを聞いた角橋さんが、持ったるで、と。



か弱いと演技して、媚売る年齢とちゃうわ!


それに乗っかる角橋さんも、角橋さんやけどな。




昔は良かったんやろな、それで。


なんでもかんでも、適当で、なあなあで。



ええなーええなー

そんな楽な昔、過ごしてみたいわー

Chapter85






Chapter85







すまんな、なんや襷苳さん達絡みばっかやな。


仕方ない、カオス度が半端ないねん!



で、気を取り直して~~



襷苳さんの話題や!


なに?気を取り直しとらんて?



うち的な問題や!

気にせんといて!




さて、襷苳さんが自分でゆった納期までに出来ひんことはうちだけ理解しとること。


営業おらんから角橋さんも出かけること多なって、うちが手伝い強制されとることの実状知らんしな。

まっ、わざわざネチネチゆうことやないし(うち大人やからなっ





角橋さんから得意先に納期連絡したんやろな、当日に確認の電話がきた。



角橋さんからとゆーことは、襷苳さんが大丈夫やゆうたから連絡したんやろう。


角橋さんは、無理な納期は極力ゆえへんし。



やから、大丈夫やろうと思おたけど、一応、一応な、万が一があるから、襷苳さんに確認したんや。



電話、保留にしてな。




ほしたら……………

「ああ、聞いとる。今日やろ?大丈夫や。」



「分かりました。そう伝えます。」



「やから、手伝ってや。こっちは忙しいねん。」



……………………??



得意先の人に返事しながら、聞こえてきた単語。



やから、手伝って?


こっちは忙しい?






う・ち・も・忙・し・い!



猫の手も借りたいほど、こっちも忙しいねん!


やけど、あんたらは何もせーへんやんけ!



せーへん上に、仕事増やすな!




まぁ、結果としては手伝わんかった。


つか、手伝えるかいな!

うちだって出荷あんねん!




大体、なんでうちにゆうんやろ?


歳がいっちゃん下やからか?



年功序列は、時代遅れやし。


再雇用に、年功序列なんかあるかいっ!




社会常識的には、杵鏑さんにゆうのが妥当や。




確かにうちはあんたらより、めっちや若いけどな………



あんたらよりは、常識的やちゅーねんっ!

Chapter86






Chapter86







杵鏑さんの娘さんの子供、産まれたゆうたやんか(Chapter73参照)



ふと気になったから聞いてん。


名前な。



ほしたら、



「〇〇やねん。可愛ええ名前やろ?字も可愛ええし。でも、みんな略して呼んどるからうちだけはちゃんとフルで呼ばななと思おてんねん!」



ものすっごい力説された。


しかも、その名前…………



巷で噂の……………



キラキラネームやった!




まぁ感想はおいといて、


その子の将来考えて、公表は差し控えとくわな。



名前の流れで、杵鏑さんの息子さんが自分の名前の漢字の画数が多いから大変や。って文句言われるってことを知った。



確かにその漢字、画数多い。


まぁ、それはしゃーないわ。


うちも画数やったら敗けへんからな。



けど、その漢字にした理由がなぁ………



「うち、名前がひらがなやから漢字の子が羨ましかってん。それにその漢字格好いいなぁ思おてん。」



大した理由やなぁ(怒






ああ、良かった。


うちは、普通の名前で(ホッ

Chapter87






Chapter87







会長の洗濯な、毎月毎月コツコツとうちがしとってん。


会長がほれ、みたいな顔してポンッて置いていきよるから。



で、まぁChapter11の様にやっとったんや。


ほしたらある日、内線にて、



「洗濯ってどこでしとるん?」



「(はぁ?!)どこって、コインランドリーですけど。」



「ああそう。で、領収書は無いんか?」



「(怒……)コインランドリーに領収書はありませんよ。」



「ほしたら、使った金額誤魔化せるやんか。なんとかしろや。」



「(誤魔化すって……)うちにゆわれてもどうにも出来ませんけど?コインランドリーはそういうもんですから。」



「ああ、さいですか。」



ガチャン



「(意味分からん!)」



自分で指示したくせに、それも忘れてしかも疑って、丸投げとか!



疑うなら自分でやらんかいっ!


頭使わんかいっ!


その脳ミソは飾りもんかいっ!





って、怒り震盪で声が低くなってなかったか心配やわ~



あ、心配せーへんでも大丈夫やな。


絶対こいつら気付かんわ。



相手の気持ちを察するなんて高等技術出来ひんからな!

Chapter88






Chapter88







社長が周りを見て、自分の至りなさを実感したんか、社長が行く研修?みたいなんに行ったんや。



まぁ、それはええねんけど……



変に感化されよってん。




日々の日記?みたいなんを付けなあかん羽目になった!





うん。



今更

面倒

時間取る



三拍子揃ってもーたぁー!!!





はぁ。




しかも、書く人間がうちと社長と鶏虎さんと角橋さんと杵鏑さんだけ。



全員ちゃうなら意味ないやん。



しかも、その書く項目がな……



1.週毎に変わる書いとる質問に対する自分の考え

→真面目に書いたら良いとこ一つもない蜀仙が露呈するから嘘書くん大変



2.挨拶出来たとか20個ぐらいの当たり前なことに対しての出来たか度を3段階で自己評価

→自己評価やったら意味ないやん



3.1日仕事の中で気付いたこと

→気付くん多すぎな上に書かれへん本音ばっか



4.1日の中で誰かへありがとう

→ありがとうって言われなあかんことはたくさんあっても、うちがありがとう言うことをされることなんてあり得無い

最初社長からゆわれた時、うちが思ったことは…………




小学生かっ!


寧ろ、幼稚園の連絡帳かっ!



つか、そんくらいも出来ひんのかいっ!



一回人生やり直した方がええんとちゃうか?


マナーとか思いやりとか、なんもかんも。



しかも、毎回毎回おんなじ皆さんありがとう的な。


頭使わんかいっ!





冊子1冊が1ヶ月分なんやけど、それを集めよった!


しかも、最後のページに赤字でコメント付き。




ますます連絡帳やん!


うちが来とるん会社なんやけど?

幼稚園ちゃうやんなぁ??





しかも、その冊子使って朝礼やて。


書いてあること唱和したり、書いたこと読んだり。


なんや、この体育会系?
鬱陶しいわぁ~



ある日には、明日やるからな!やって。


いや、やってもやらんでも、うちの来る時間一緒やし。


つか毎日しやんし。


やると言った時間にけーへんし。




なんて、内心呆れ過ぎるわ。

Chapter89






Chapter89







海外の工場でなんやトラブルがあって社長が一週間行かなあかんくなってん。


で、外回りを角橋さんがしなあかん羽目になってん。



やから当然うちと杵鏑さんが2人で……


いや、うち一人でやな。

杵鏑さんは自分の仕事しかせーへんし。




で、どーにかこーにか頑張ってこなした一週間………



はぁ。

もう、ため息しかでーへんわ…





それにな、社長が角橋さんに行く前に大変やけど頑張ってなって話とったんや。



頑張るの角橋さんだけちゃうねんけど……




ほんで、帰ってきたら帰ってきたで、



「ピンチを切り抜けられたんはみんなが成長しとるからやな!」



ってどや顔。




いや、なんも成長しとらんけど………




電話取って、伝書鳩みたく行ったり来たりしたり、荷物受け取って出荷したり、余計な仕事の合間に自分の仕事したり………


もちろん、全て一人で。



頑張ったんうちだけやん。



あとは、のほほんと自分の仕事すらせんとうちに手伝わせて………




はぁ。



疲れたって言っても、バチ当たらんよなぁ………

Chapter90






Chapter90







梅雨入りして、むし暑い日が続く時のことや。



こんな時でも、襷苳さん達の自己チューは大・大・大発揮や!



水入れて風送る、古っいでっかい送風機があんねん。


それを、奥におる襷苳さん達に向ける。


まぁ、そこまではええんやけど、うちの席は外から風が入る道筋あんねん。(入らん時は全く入らん微妙な道筋やけどな



まさかの、そこに置きよった!



うち、風来んのやけど……




しかも、杤吐さんも発揮しよった!



杵鏑さんが暑がりやから~って、中央に置いてある1台しか無い冷風機を杵鏑さんに向けて独り占めさせよった。



それを容認しとる周り。


で、うちは動きまわって、しかも席におったとしても、汗だく。




ほんま自分のことしか考えとらんわー

ほんで、そんなものすっごい自己チュー発揮しとるくせに、



「いや~大変やね。妻傳さんもアイロンでグロッキーやわ。ほんまなんとかならんかねぇこの暑さ。納期も重なっとるしねぇ。」



なんてゆう襷苳さん。




いや、アイロンのこと考慮して、妻傳さんのアイロン台の前の壁にはエアコンを設置しとる。


扇風機もな。


だから、妻傳さんとその道筋におる杤吐さん達は涼しいねん。



その証拠に、うちがそこに行くとめっちゃ涼しい。


そこの空間だけ、空気がちゃうねん。




贅沢やわぁ~、
贅沢過ぎるわぁ~




それが役に立たんくてそんな暑いんやったら、それらをうちが貰ったるわっ!

Chapter91






Chapter91







襷苳さん達は、マナーちゅーもんが無い。


まあ、それはこれまでのでお分かりやろう。


けどな、一応マナー的なもんは理解しとったらしい。



それは………………



トイレを使った後、トイレットペーパーを三角に折る



うん。



若いうちでも分かる間違ったマナーやな。





洗った清潔な手ではない。

トイレ掃除後でもない。





にも、関わらず

自分は正しいマナーを知っとって、凄いやろ!

的な?





本来の意味も知らんと、情報に振り回されとる。



こっちが迷惑やわ!

Chapter92






Chapter92







ある工場から、たまに生地だけの発注貰うねん。


それを生地屋に発注かけるんが、鶏虎さんの仕事。


生地屋の出荷の加減上、発注は午前中がええねんけどその午前中は鶏虎さんがほぼおらん。




何故なら、家におって家事やら何やらしとるからや。



ほんで、しゃーないからうちがそれをやっとるねん。



ええなぁ~、自由で。

うちに押し付けて、重役出勤やわ~



けど、鶏虎さんが来る午後やったら生地届くん遅れて、その工場に迷惑が掛かるからな。





杵鏑さんが来て、やっと本来の仕事が出来ると思うたんに……



杵鏑さんがトコトコうちんとこ来て、



「これ鶏虎さんに聞いたら、榊さんにゆうたら分かるって言われてん。うち分からんし、任せたわ。」



任・せ・た?!




うち、あんたより先輩やねんけど?



口の聞き方もなっとらんし。



どんな教育をされてきたんや。

親の顔が見てみたい…………




あ、杤吐さんやった。



この親にしてこの子あり、やな。

Chapter93






Chapter93







鶏虎さんはな、社長夫人としての自覚が無い。


まぁ、社長自体にも、社長ちゅー自覚や振る舞いが無いけどな。




うちが来て、みんな助かってるってゆうねん。


そりゃそーやわな。


うちが全部しとるからな。


そりゃ楽になるわな。



しかも、鶏虎さんは、



「榊さんが来て、ほんま助かってんねんで。昔なんか、請求書とか泣きながらやってんから。やってもやっても終わらんくて。」



なんやて?



鶏虎さんがゆった仕事は、今うちが全てやっとんのやけど?



この程度を泣きながらやて?




うちは、それプラス、自分の仕事と襷苳さん達の指示と手伝いと雑務と雑用をやっとんねんけど…………???







仕事なめとるわ。


絶対に。


完全に。


完璧に。





(学歴やなくて一般常識的に)
低レベルには、ついて行かれへんわ………

ほんで、鶏虎さんは子供の病気とか予防接種とかで、よう会社を空ける。



迎えとか付き添い程度ならええねんけど、そのまま家に帰りよる。



電話は出るけど、それ以上はせーへん。



会計ソフト変えたから、家でも伝票入力は出来ねん。


それすらせーへんと、子供が~子供が~




それは、子供のせいやない。



産んだんはあんたらや。




自己管理も出来ひんのに、子供なんか産むなや!



子供が迷惑やわ!


ひいては、押し付けられるうちが迷惑やわ!






うちが大変な時に、いつも迷惑かけとるし、何か手伝うことない?とも言わん。




その一言があればなぁ~


うちも、しゃーないなぁ(ニコッ

で終わんねんけど。





子供より、その親にイラッとすんねんな。



だから、子持ちが敬遠されんねん。



いつも、迷惑やてな。




それは、子供は悪ないねん。



そん時の親に原因があんねん。




あんな親にだけはなりたないわ。



やっぱ、仕事は持ちつ持たれつやで!!

Chapter94






Chapter94







襷苳さん達は、ほんまに電話とゆうもんにでーへん。



外線でも、内線でも、社内人間用の携帯でも、

鳴ったらな、



「電話やで~~~~~!!!」



叫びよった!



あんたが出なさい!


幼稚園児でも出来るわ!





杵鏑さんもやねん!



Chapter82でもゆうたわ!




大体3コール内で取るやんか。



何回コールが鳴っとっても、杵鏑さんは知らん顔や。


親によう似とるわっ!






で、結局うちが取る。



はぁ………………。

Chapter95






Chapter95







会長もそーやねんけど、社長も人の時間を自分の為に使わせとることを何一つ考えとらん。




ある日、社長にある複数商品のうちの売価書いてくれ言われたから書いてん。



正直ゆうと、社長のパソコンからでも、簡単に見れんねんけどな。



まぁ、そこはしゃーない。


自分一人では何も出来ん人達や。




で、書いた紙渡して、終了~~


とか思ったら、違った!




紙渡した後、出掛けた社長から電話がかかってきよった。



今しがた出掛けたのに、なんやと思って出たら、



「商品の売価、メールして。」



は?


さっき渡したやんな?!



って返す間もなく、ゆうだけゆうて切りよった。



で、社長の机見たら………



紙が置きっぱなし。




うち、何の為に書いたんや?!


それ、最初っからメールでええやん!


つか自分で見ろよ!


その手にしとるスマホは飾りもんか!




会社の携帯、うちのと会社ちゃうし打ちにくいねん!



ほんで、二度手間やねん!!!

Chapter96






Chapter96







綾牝さんは自由や。



ある連休が明け、丁度締め日やった日。


請求書をあくせくしとったら、内線が鳴ってん。


綾牝さんからで、なんや思おたら、



「出荷で疲れたから、今日は帰るわ。後よろしゅーな。」



テン、テン、テン。


出荷で疲れた!?


後で出荷した荷物の伝票見たら、たった3件やってんで?



そんなんで帰れるなら、うちだって帰りたいわっ!

Chapter97






Chapter97






杵鏑さんは電話取らんけど、荷物も取らんねん。



うちの席は入口に近いねんけど、入口を背にしとるから来客とか声掛からんかったら分からんねん。


対して、杵鏑さんはうちの真正面に座っとって入口は常に見えとる。




やのに、取らんねん。


来客も荷物も、なーんにも。


何回ゆーても、そん時だけ。



相手を待たせるんは迷惑やし、結局うちが慌ててやる羽目になるねんなー

Chapter98






Chapter98







会社の携帯は、勿論会社のもんや。


けど!

けどや!



鶏虎さんが、勝手に持って帰りよった!



それ知らんうちと杵鏑さんと角橋さんは、意味が分からんまま会社の外線で通話。



結局、携帯をなんやスマホに変えるからゆーて持って帰ったらしいねんけど、書類がいるんでその日は諦めたんやと。




意味無いやん!

替えへんねんやったら、元に戻しとけちゅーねん!

Chapter99






Chapter99







角橋さんが外回りした一週間(Chapter89参照)



いつもは角橋さんと交代でいく昼休み。


やねんけど、当然無理や。


やから、いつもはうちとおんなじ時間帯やと思う杵鏑さんと交代になる。



先輩として、一応、一応な、気を回したんや。



杤吐さんと一緒に食べてええよってな。



ほしたら、まあ次の日からは交代しましょうかと、なりそうなもんやねんけど…………




ならんかった!



次の日からも当然の如く、杤吐さんとお昼に行きよった!






気を回したうちが悪いんやろうか……?

Chapter100






Chapter100






社長が付けろゆーた日記な、(Chapter88参照)

社長がやっぱ皆でせなな~なんてゆうて、月初めに襷苳さん達にも渡したんや。


ほしたら…………



社長の言い分



「これやって俺らええ感じになっとんねん。だから、皆でやろう思おてな。」



襷苳さんの言い分



「うちはそんなん感じひん。むしろ悪なっとる。いつもあんたらだけ集まって、うちらだけのけもんみたいに。優越感振りまいて、劣等感感じまくりやったわ。」



優越感?


劣等感?


はい、意味不明~!



やけど、うちの見解は一応あんねん。



優越感は多分な、うちが手伝い断ったことやな。


急ぎの仕事やゆーてんのに、グチグチ……



「今、それ、やらなあかんの?」


「シールも貼られへんの?」


「20分で済むやん。」


「なんでそんくらい出来んの?」



結局、やりましたよ。


ええ、やりましたよ!



今、出荷せんでもええ商品をな。



最近、うちかなり自分の意見ゆうよーになったからな。


今までが甘やかし過ぎて、かなり無理しとったからな。


我慢せんことにしてん。

うち、自分でゆうのもあれやねんけど、かなり内弁慶や。


ここでも毒吐いとるけどな。


うちは相手を見て、相手のレベルに合わせて、敬意を払って対応しとる。


やから、最初は誰に対しても平等にすんねんけど、うちはそこまで人間出来とらんからな。


情けは人の為ならず、や。


親切にしたって返ってけーへんって分かってて、更に当たり前にされたら、やる気なんて起きひんしな。




で!

劣等感やけど、社長が



「そんなん言わな分からんやんか。」



うん。うちも同意見や。



またまた笑いそうになったわ。



アホらしくて。





ゆーとることも、やっとることも、幼稚園児以下や。



社長と襷苳さんの押し問答で、終わった時、時計見たら1時間経過………。




無駄な時間っ!!!!!

その押し問答の時にな、聞き逃せない襷苳さんの言葉があってん。



「うちらは、昼休みも返上してやっとんのに。」



ん?


だから?


だから、なんやのん?





昼休み返上なんて、あんたらの勝手やん。


そのくせ、3時におやつ休憩とかしとるやん。


残業もせんと、押し付けて帰るやん。



計画立てんと、時間内に出来ひんあんたらの技量不足なだけやん。


うちに関係ないやん。



それで他人に迷惑かけるとか、あり得へんやん。





自分で計画立てて、時間内にきっちりやって、出来ひん分は残業して、日々やっていくんが、うちの仕事のやり方やねんけど。




え?

うちのやり方間違っとんの?



昼休みって、法律(労働基準法やっけ)で決まっとるやんな?



あんたらは家の用事かなんか知らんけど、緊急の用やないのに当日に休むんはええの?



自分は良くて、他人はあかんの?



あんたらみたいな奴がおるから、後継者が育たんねん!



他人のこと考えられん奴等に、ついていこう思う人なんておらんわ!

Chapter101






Chapter101







杵鏑さんが勤め始めて2ヶ月。





突然辞めよったっ!!!



体調不良やて。




まぁ、体調不良は仕方ないし、おってもおらんでも一緒やし。



ええねんけど。



ええねんけどっ!





…………はぁ。

Chapter102






Chapter102






杵鏑さんが辞めて、鶏虎さんがやらへん仕事を更にやれへんくなった。



最近な、社長がなんや伝票入力出来たかとか、よう聞くようになってん。



まぁ、うちは伝票がきたらちゃんと計画的に入力しとるからかめへんねんけど。

イチイチ鬱陶しいけどな。



で、鶏虎さんの担当の伝票をな、鶏虎さんがやらへんと溜めとってん。



ほしたら、社長が一言。



「やってもろたらええやん。」



は?




で、鶏虎さんもうちに大量の伝票を押し付ける。



うち、これ以上他人の仕事せなあかんの?



尻拭いせなあかんの?



何も減らさんと増える一方で。


振る人間もおらん。





うち、スーパーマンちゃうねん。



ただの、人間やねん。



倒れても、問題ないでな。

Chapter103






Chapter103







出金処理(Chapter6参照)がな、咫穢臀さん辞めた後は鶏虎さん入力になった仕入伝票。



これもまた入力間違いが多い!

しかも、未入力も!




せやから、修正どころか本人にゆわなあかん。

時間取るわー

面倒やわー



しかも、入力し忘れあるかもー

なんて言いやがる(言葉汚くなってもーた




しかも、(2回目


未入力のその伝票、自分で探しよらん!



「引き出し(未入力の伝票を入れとるとこ)見た?」



「間違ってカゴ(入力済で未売上の伝票を入れとるとこ)に入っとらんかった?」



「他に紛れとらんかった?」



うちが知るかっ!



うちが自分で入力して売上しとる商品の伝票やったら、場所決まっとるし、そこ無かったら電話して再発行してもらうし。



なんで、それが出来ひんねんっ!



引き出しとかカゴとかは、あんたが管理せなあかんとこや。


うちが知るわけない。


伝票だって、面倒がって、机に置きっぱ、クリアファイルに乱雑に入れっぱ、しとるからやろ!



自分で見ることすら出来ひんねんやったら、最初からやるな!

ちゃんと出来る人材を探せ!

Chapter104






Chapter104







鶏虎さんって、会社より自分優先やねん。



週明けでな、出荷やら伝票やら溜まっとって、うちが誰もせーへんからあくせく働いとったんや。(あくせく働くんが仕事やねんけどな。



で、鶏虎さんはというと、学校が休みやったんやろう。

自分の子供の用事したいからって出て行きよったっ!



角橋さん外に出とって、必然的に電話やら来客やら荷物やら全部うちや!



そこまででもかなりやねんけど、戻ってきたらアポイントのある来客対応で時間経過。



結果………………、



「時間無いから、送り状と伝票作っといて!発注書机の上にあるから。」



………………。



まず、商品を準備したんはうちや。

計画的にして準備万端。



で、加えて、送り状と伝票もうちがやんの?




それって結局、全部やんっ!!



あんた何もしとらんやん!



自分の用事しかしとらん。


来客だって、アポイントあるなら分かりきっとるやんな?



なんで、自分を優先?

あんた社長の奥さんやろ?

自分の夫の会社やで?



他人に、無責任に、押し付けられる神経が分からん………!!

Chapter105






Chapter105







2階に上がる時に、お客さんにだけ履いてもらうスリッパがあんねん。



それがな、片付けした時に捨ててしもうたらしくて無かってん。



古くなってたんは知っとったけど、無いなら無いってゆうてくれなうち分からんわっ!



会長にお客さん案内して、お客さんから言われて初めて気付いたわ!




で、数日後。



スリッパ出現っ!



しかし、前は布製だったのが……



ゴム製になっとった!




良い感じのやったらええねんけど、


安っぽい安っぽい!




めっちゃ安っぽいねん!





ほんまの値段知らんけど。




見た目はめっちゃ安っぽい!




あんなんお客さんに履かせるやなんて………



恥さらしやわ……

Chapter106






Chapter106







襷苳さんからな、エプロン縫うのに使う付属品が無くなったから注文しとって、って頼まれたんや。



それ言われたん午後やったし、週末で次の日休みやから希望納期を週明けにして仕入先にFAXしたんや。



いつもは納期なんて入れへんけど、週末やから間違って次の日着いたらマズイからな。





で、週明け。



杤吐さんが、



「付属品まだ届けへんの?今日着かな間に合えへんよ。」



はぁ?



って思ったけど、とりあえず仕入先に問い合わせたら、


在庫無くてメーカー直送しか無いゆわれた。


メーカー直送やったら運賃かかるけど、しゃーないからそうしたけど。


け・ど!



杤吐さんがゆった言葉がありえへんねん!

「なんで納期聞かんの?」



はぁぁぁあっ!!!



うちから納期なんて聞いたことないし、急ぐんなら襷苳さんがうちに頼む時に言えばええ。



そんくらいの管理すら出来ひんのか?



そうすれば、うちだって仕入先に電話したり、今回のように無かったら違う仕入先探すし。



いちいち聞かな分からんのか?




急ぎって、今日って聞いとらんよ。ってゆうたらな、



「あれ?そーやったっけ?あはは!」



襷苳さんは笑うだけ。


責任はうち。





うちが管理して、うちが発注しとるんやったら分かるで?



うちは上司やないねん!



もしうちが上司やったら、あんたらは部下や。


言うこと聞かん部下なんかありえへんわ!




結局、いちいち納期を聞く羽目になった。


襷苳さん達にも、仕入先にも。




電話が大変やから、FAXやのに、なんで電話しなあかんねん!


しかも、うちだけが!




エプロンのたたみはみんなの仕事、手伝うのは当然。




ってゆうくせに、



うちの仕事はうちしかせーへん。




もう、ええわ。


ええわ、もう…………

Chapter107






Chapter107







杵鏑さんが辞めて早数ヶ月。



襷苳さんと杤吐さんから言われて、社長が採用に乗り出したんや。



たたみとアイロンのパートさんをな。



うちが散々ゆっても



「頼むな!」



で終わらしてたやつの一つを!




うち、そないに頑張らなあかんのやろか……


一人で。

で、来た人誰やと思う???





正解は……………、



なんと、社長の子供が行っとる学童の友達のおばあちゃんやった!!!!



その名も、謖蚫(ショクホウ)さん。



60過ぎで、一人ドライブが好きらしい。





またまた、身内で固めよった!




もうええちゅーねん!

Chapter108






Chapter108







謖蚫さんが入社して、ちょっと、ほんまちょっとだけマシになった。



何がって?




襷苳さん達が、自分の仕事を押し付けうちの仕事を圧迫するような行為がな!



つか、うちがしないのが本来なんやけど。




まぁ、無理か。



まぁ…、無理か…………

Chapter109






Chapter109







謖蚫さんが入社して1ヶ月。



ずっと募集かけとった杵鏑さんの代わりが決まった。



…………んやけど。


やけど、や!




その人の引き継ぎに2ヶ月かかるらしい……




2ヶ月もかかるぐらいの凄い人がなんでうちに来るんやろ…??



もっと他にええとこあったやろうに……

Chapter110






Chapter110







ほんで、2ヶ月後。


新人さんが来よったよ!




鄲鼈(タンベツ)さんゆーて、30代後半の新婚さんやで!


いつも愛妻弁当やねんて!


けど、何故か新婚多いなぁ~




なんでやろ?



まあ、うち的には、新婚はええねんけど、鄲鼈さんタバコ吸いよんねん。


誰一人吸いよらんかったのに!



外で吸いよるけど臭いですぐ分かるし…



別の意味で、ちょっちストレス発生やわ…





……ほんで!


仕事スタートや!



まずは鶏虎さんの仕事を覚えるんやと。




いつまで続くかなぁ~~

Chapter111






Chapter111







さて、鄲鼈さんのカオスが徐々に見えてきたで!




まずは、電話と荷物。



杵鏑さんと同じ、電話は取らんし荷物は受け取らんし………



なんで、なんでやろ?


うちより年上で、うちより働いとる期間長いなのに。



やのに、なんで出来ひんねんやろ?

それに荷物に貼る送り状な。



裏面に糊付いとって紙剥がして貼んねんけど、その紙は貼りやすいよーに真ん中に切れ目入ってんねん。




それをやで!


鄲鼈さんは片側だけ剥がして、もう片側は紙付けたまんま。




運送屋の運ちゃんも苦笑いやったわ。



こんなん小学生でも両方剥がすやろうに。





何がどうしてこうなったんか…




こっちが恥ずかしゅーて、理由聞かれへんかったわ……

Chapter112






Chapter112







月一で、大量に出荷せなあかん得意先があんねん。



外国から箱で入荷すんねんけど、箱に書いとる商品の合計数量は合ってんねんけど中身が1袋に1枚とか1袋に2枚とかバラバラやねん。



それに最初気付かんと出荷してもーて、てんやわんややってん!




受注も商品の発注も角橋さんやねんけど、角橋さんも知らんくて大変大変!!!





まぁ、そこまでやったら日本と違って外国はきっちりしとらんから諦めんねんけど。



こっからや!



得意先の人が在庫把握したいからって、角橋さんが報告しとるみたいやねんけど、


入荷-出荷=在庫


やんか。




けど、在庫が合わん。

なんでかって?



うちには理由が一目瞭然や!



最初、数を間違って出荷したんを棚卸しせんと次々入荷して、箱ごと押し込んどったら、そりゃ在庫合わんくなるやろ!



ほんで、合わん合わんってうちに文句を垂れる。



うちには、動かされへん箱の重さや。


積んどる箱を潰れん程度の……まあたまに潰れてまうけど、落としたり、中身を出すぐらいは出来る。


けど、動かされへん以上、手前の見えるとこの在庫しか数えられん。



それを理解出来とって、うちに丸投げしよる。



うちは箱に書いとる数字と、詰め込まれとるから数字見えんとこは箱の数(しかも個数も見た目)で数えるさかいに、きっちりは無理や。





そりゃ、合わんやろーがっ!!

で、鄲鼈さんが来たから、鄲鼈さんに出してもろたんや。



送り状やら伝票やらはもちろんうちやけど。




前の日の早い時間に、大量にあるし最初で慣れんやろうから今日少ししてもええよ。って角橋さんがゆうたんや。



けど、鄲鼈さんはせーへんかった。



で、当日。


箱の出荷が大量にある時は、運送屋に一回取りに来てもらうねん。


他の企業さんのがあるさかいに、入らんかったら二度手間やからな。


それは昼過ぎやねんけど……




案の定間に合わんかった。


厳密に言えば、うちが間に合わなさそうやと判断して手伝ったからギリギリセーフやったんやけど。




うち、鄲鼈さんの上司ちゃうのんけど。



鄲鼈さんが部下やったら、ちゃんと進み具合確認すんねんけど。



角橋さん……ほったらかしや!




ほら、また、うちの手間が増えてゆく………

Chapter113






Chapter113







前にゆーた日記(Chapter88参照)な、皆でし出して、鄲鼈さんも入社して半月経過した頃。



聞き捨てならん言葉が飛び交った。



「鄲鼈さんが来てから、毎日気持ち良う仕事が出来るわ~」



「そうそう掃除機も毎日かけてもろて。」


「外掃除なんて、向こうの方までしてるんやねぇ。」



「ゴミも集めてくれとるし、ほんま鄲鼈さんのお陰やね~」




………………(怒)



掃除機も外掃除もうちが入社してからずっとやっとったし、ゴミ集めに関してはいまだにうちやし。



お礼言われる為にやっとんのちゃうけど、なんかなぁ~



誰か一人は絶対見てくれてる………なんて、ここにはあれへん。



そんな甘甘なもん、あれへん。




ボランティアしに来とんちゃうねんけどな……

Chapter114






Chapter114







蜀仙は、消防署にも迷惑かけとんねん。





消火器は期限切れ


非常灯無し


避難通路は荷物で通りにくい


避難口は荷物で埋まっとるか、人が通られへん上にある窓か





うちが勤めてから1年間に3回は来とる。



しかもおんなじ人が。



改善せーへんし、理解しとらんしで………




誠に申し訳ないっっ!!!






で、消火器買ったんはええねんけど、ネット購入やて。



消防署の人、呆れとったわ……

Chapter115






Chapter115







得意先からエプロンの新作の依頼が来てん。



サンプルも作って、正式な発注書と生地も送ってもろて、裁断して、




さあ、縫おうかゆう時に、ネームの付け方が発注書に書かれとる絵だけじゃ分からんって縫い子さんから電話あって、得意先に問い合わせたんや。



ほしたら、得意先の人が



「それストップしてくれって、角橋さんにゆーてんけど?」



え゛っ!?



聞いてへんで!!



って思って、角橋さんにパスっ!





で、10分ほど話しとったんや。

ストップの理由、なんか分かる???



なんと!





新作発注したんは得意先の社長みたいやねんけど、電話口の営業さんと揉めてるかららしいねん。




営業さんは、新作作ったって納品先が無いから止めてくれ。



得意先の社長は、新作で他の企業と差別化を図りたい。



らしいわ。




んでな、ここでいう他の企業ちゅーのは元会社やねん。



独立したんかしらんねんけど、この得意先と元会社の商品ほぼ一緒。


品番が同じなもんはまるっきり一緒。


違うんは品質表示に書かれとる会社名だけ。


両方作っとるんは、蜀仙。




間違えんようにすんの大変やから、新作の方がありがたいねんけど………



得意先の社長の独断……




蜀仙のカオス体質が移ってもーたかなぁ???

Chapter116






Chapter116







蜀仙オリジナルエプロン用と

M社エプロン用に、

Eという生地とRという生地を在庫として置いてんねん。


EとRそれぞれ約10色、染めの関係上入荷は1色に付き10反以上。




それを社長が、



「生地在庫しとるんも無駄や。生地入れるん止めよか。Mには生地仕入れてもらって加工だけしよ。オリジナルは廃番な。」



いっちょまえに、廃番とか言い出しよった!





まぁ、生地発注すんのも、納期確認すんのも、進み具合確認すんのも、襷苳さんが言うアバウトな在庫で管理すんのも、たたむのも、梱包すんのも、出荷すんのも、伝票作んのも……




ぜーーーーんぶ、うちやから、



無くしてしもた方がええねんけどなっ!

けどな、ただ廃番ってだけで終わらんのが蜀仙や。




廃番はええけど、



オリジナルとM社との生地在庫の兼ね合い


オリジナル在庫に受注残が出た場合


生地発注のタイミング


オリジナルを売っとる得意先への連絡


M社への単価の交渉






などなど、もろもろ、



なぁ~んも考えてへんねん!




うちが、


受注残出てます


生地在庫ありませんけど、どうします?



なんて一々聞かなあかん。




丸投げもせーへん。



口先だけや!



子供が夢語ってんちゃうねんで!




40越えたおっさんが、何しとんねん!




現実見ろちゅーねんっ!!!

Chapter117






Chapter117







角橋さんが出掛けとって、うちが定時で帰ろうとした時の鄲鼈さんの一言。



「榊さん、もう帰るん?俺、時間になったら帰ろうと思っとってんけどなぁ。運送屋まだやし……」




はぁ?


何抜かしとるんや、こいつは。




うち、定時


鄲鼈さん、定時は1時間後




うち、1時間も無駄に残業しなあかんのか?


うち、定時過ぎとんのに運送屋待っとかなあかんのか?





待っとる運送屋は蜀仙の契約しとる運送屋で集荷がいっちゃん遅いから、出荷が重なっとる時は助かんねんけど、こういう時はネックやねん。



だから、事前に電話してはよ来てもらうねん。



因みに、うちが電話した。(本来は鄲鼈さんがせなあかんねんけどな。)





そこまでさせといて、うちが残業?!


あり得へんやろ!




運送屋は1時間内に来るちゅーねん!






こいつも、うちに押し付けよるんかいっ!

Chapter118






Chapter118







はてさて、蜀仙も話題の民泊を始めよったで!

なんや知り合いがそんなんが好きらしい。



で、会社の近くに住んどった会長夫婦家を改造して民泊開始!


そのせいで、会長夫婦引っ越しするわ、会社休むわで迷惑やった~





あ、話戻そか。



民泊ゆうても、準備は角橋さんと鄲鼈さん、近所や得意先には内緒、民泊のサイトにも蜀仙の名前は無しで知り合いの名前で載っとるみたいや。




けど、滅多に外人なんか来る場所やないのに、一気に出たり入ったりして。



近所に説明せんかったら、信用失うと思うんはうちだけやろか?



民泊は法律上もグレーやて社長も認識しとるくせにな。




あ~会社はともかく従業員にだけは飛び火せんといてや!(切実

Chapter119






Chapter119







会長の得意先の1つ(Sとするわな)に、海外で一括生産しとる商品があんねん。



その商品の在庫を会長は自分で付けてんねんけど………



それが面倒っ!


順に書くわな。




入社して少しして、在庫つけたいからとうちにエクセルで表を作らす。





エクセルの使い方も知らず学習せず、一々うちの時間の邪魔をする。(ちゃんと一々懇切丁寧に教える。





得意先Sは専用の伝票を書かなあかんねん。(面倒)
普段は綾牝さんか鶏虎さん、そして押し付けられるうちが書く。





専用の伝票と発注書を見比べて記入漏れが無いか確かめながら、蜀仙の会計ソフトにうちが入力。





専用の伝票か蜀仙の伝票か見て、会長がエクセルへ入力。




っていう流れやってん。

けど…………



エクセルと実在庫が合わんって文句たれよった!




定期的に棚卸しもせんと、入荷時も確かめんとしとるからやろうがっ!




つか、鶏虎さん曰く、会長の商品は絶対差違が出るねんて。(無理やん!




で…………



綾牝さんが専用の伝票書いたら、売上するより先に会長に渡すことにした。



……んやけど!





会長入力遅いから一気に来るし、締め日にそんなことされたら締められへんし、会長常時おらんし。


で、結局、うちが先に入力することになったんや。

…………それで終わらんかった!(はぁ…




やっぱり在庫が合わんって言い出しよった!(あ゛~面倒!




パソコンで自動的に出来ひんのかって言われたけど(押し付け!)、実在庫を入力せんとあかんのに言わんし、入荷と同時には仕入伝票けーへんし、入荷数言わんし。



無理やろ(呆




んで、



綾牝さんが専用の伝票書いたら会長に先に渡す。





会長が印を押す。印無しは蜀仙の会計ソフトには入力しない。





会計ソフト入力後、専用の伝票・蜀仙の伝票・発注書をセットにしてクリアファイルに入れ綾牝さんへ。





専用の伝票も会長か綾牝さんが無くすんか知らんけど、会長が無い無い言うから鶏虎さんがうちが管理しろと押し付ける。(無いとうちのせいにされるか探さなあかんくてうちの時間が無くなるけど)





で、綾牝さんが発注書と蜀仙の伝票を抜いて確認し終わったら、うちに戻ってくるから専用の伝票をファイリング。


そん時は、伝票(連番)の番号と会長の印と売上しとるかを確認。





今んとここれで落ち着いとるけど、この先どうなるやら。


どうなってもうちにとっては面倒でしかない(悩

Chapter120






Chapter120







社長が流行に飛び付いた民泊あるやんか(Chapter118参照)





その泊まる予約日を鄲鼈さんが確認したみたいで鶏虎さんと話とった。



「そういや1月2日に予約入ってますけど、どうしますの?」



「それ民泊し出して少ししてから予約になってん。」



「あ~成る程。年始でも年末に準備しとけばっていう。けど、年末にも予約入ってますけど?」



「え?まじで!1月2日に出て、入って?準備どうすんねんやろ?」



「俺、嫁の実家に帰ってますわ。」



「普通そうやんな~!1月2日って普通あかんやろ。」



「ですよね。」







………………怒



民泊って、宿泊施設やで?


どこの世界に、稼ぎ時に休む宿泊施設があるかいな!





認識甘すぎるわ!(怒)

ほんでもって、別の知り合いに施設は用意するから民泊を運営してくれゆーて、社長が引き受けてもーた!




しかも、そこの運営の代表やて(大丈夫かいな…)



で、その話の角橋さんと鄲鼈さんの会話。



「その施設、ここから遠いですよね?準備とか片付けとかどーするんですか?」



「うちは備品用意したり洗濯したりするだけらしい。片付けは簡単でええって。」






………………怒





簡単ってなに?



らしいってなに?





曖昧過ぎるわ!






絶対何か起きる。


問題が起きる。




その前に一抜けしたいぃぃいっ!

Chapter121






Chapter121







民泊絡みでもう一個いこか。




鄲鼈さんの一言。



「泊まるんなら長く泊まりゃいーのに。入ってすぐ出るとか、準備が面倒や。」



てんてんてん………





じ、自己中過ぎる……





予約入れていただけてるの、有難いと思わんのか?



泊まっていただいてありがとうとか思わんのか?





うちが神経質なだけかなぁ??(悩

そして、犯罪紛いのこともしよった!



泊まった外国人がノートを忘れてしまいよってん。


そん時のうちと鄲鼈さんの会話。



「榊さん、ノート使います?」



「なんでですか?」



「今日泊まった外人が、ノート忘れていきよったんやわ。あ、でも何か書いとるし、俺が使うわ。」





??????




疑問符イッパイやわ。



忘れていったノートを、使うやて?!



民泊の予約するホームページには会社の電話番号は載ってへん。



けど、社長にゆうたら知り合いに連絡ぐらいとるやろ。



ホームページに忘れもんやゆうて書き込みするとかあるやんか。




感想書くとこあんねんから。





遺失物横領やん!



あ゛~どないしよ…


犯罪に巻き込まれる(焦

Chapter122






Chapter122







得意先がなんや客注があるらしくて、納期確認の電話が頻繁にくるねん。



それは襷苳さんが内職さんのやりとりとか自分の感覚でやっとるから、明確な納期がでーへんからやねん。




アバウトに、今週中とか月末とかで、残量も分からんし……



把握したいんやけど、社長や角橋さんがゆうてもきかんし……





電話口で謝んの、うちやねんけどなぁ(怒)



部下とかやったらちゃんと教育すんのになぁ~~




会社自体無能やから、大変!



つか、うちが、ひょっこのうちでも分かっとる常識を叩き込みたいけど、押し付けられとる状況じゃ無理やわ……



負のサイクル……………

ほんで、客注の商品出した後に、納期確認が止んだからポロッと本音が漏れたんやろな。



次、縫う商品の話、杤吐さんとしとったんやろな。


襷苳さんが、



「次、何縫ったらええ?」



「やいやいゆうてたし、これな。」




………?????



チラッと見たら襷苳さんが指しとる商品は、客注の色ちがい。


しかも、そっちは何もゆうとらん。





つか、やいやいってなんやねん!



あんたらが納期守れんからやろうがっ!



うちがゆわんと、あ、忘れてた(笑)で済ませて結局うちに押し付けるやろうがっ!








自分の身は自分で守らなあかんな!

Chapter123






Chapter123







襷苳さんでもう一個!




襷苳さんは、自分の仕事、うちに押し付けるって何回もゆうてきたけど…………




まさかの得意先にも押し付けよった!!!





ある商品に貼るシールが足らんかってん。




シールは得意先からの支給品やねんけど、毎回送られてくる生地(これも支給品)のメーター数がちがうねん。



そのメーター数によって裁ち枚数が毎回違うから、シールとかの付属も大体で貰うから足りんかったら追加貰うねんけど………




面倒やったんやろな。



「50枚ぐらいやから、そっち(得意先)で貼ってってゆうて。」




50枚ぐらい??


そっちで貼って??







ほんま、仕事なめとるやろ。




相手に貼らせるとかあり得へんっ!



それが出来るんは、相手から申し出てくれた時だけや!






頭、痛なってきたわ………




もちろん、シールを送ってもろて貼って出荷したで。



口が裂けても、そないな自己中な発言出来ひんわ!

Chapter124






Chapter124







番濡雌さんはますます


親の襷苳さんに似てきよった!




ある日、番濡雌さんが出社時間になっても来てへんかった。



番濡雌さん、通勤車やから道路混んでんのかなぁ~なんて話しとってんけど………



実は違ったっ!




お昼過ぎに来た番濡雌さんに聞くと……………



「子供が熱出したんやけど、下がったから学校行かせて来たわ!」



なぬぅ?!



襷苳さん始め、他の人達は、良かっただの何だのってワイワイやっとった。



確かに大事やなくて良かったんやけど。




け・ど!



普通は一本電話入れるんちゃうん?


遅れるだの、休むだの、理由を!





終わり良ければ全て良し、なんてちゃうやろ!!

Chapter125






Chapter125







襷苳さんは、ほんまに電話取りたくないらしい。


ある時、襷苳さんが社長にゆうた。



「あたしら電話取っても聞き取られへんし、仕事の手止まってまうから、電話出てる最中でも、保留して出て。」



はぁ?????



電話出てる最中に、なんで保留にして他の電話を取らなあかんねん!!!



非常識、自己中、極まりないわっ!

結局、社長が笑いながら、



「そりゃ無理やろ~お客さんとのやり取りあるし。メモ置いとくさかいに、それで堪忍して。」



で落ち着いた。



笑いながら、は余計やけどな(怒





因みに、社長が自ら置くゆうたメモは一向に置く気配が無かった。



仕方ないから、うちが置いたったわ!



自分でゆったことすら出来んのかいっ!

Chapter126






Chapter126







ついに、角橋さんもうちに責任を押し付けよった!



とある荷物を送る時、角橋さんが手書きで書いたもんを元に出荷したんや。




ほしたら、なんと!



2つの送り先でええのに、3つの送り先に出荷してもーたんや!



角橋さんが書いた手書きの内容は、



A(都市名) 〇〇・枚


B(会社名) 〇〇・枚


C(会社名) 〇〇・枚



やった。




けど、AとBは同じとこを指しとったらしい。




通常AはBやないねん。



Aは都市名やけど、D(会社名)のこと。




お客さんとも角橋さんともそれで成り立っとる。



つか、その説明してくれたん角橋さんやし。

これって、うちが悪いんか?



AはDのことですよね?って確認せなあかんかったんか?




AイコールDで何回も出荷しとんねんけど。



いちいち確認したらよかったんか?



そないな奴おるか?




因みに、重たいもんやったさかいに、角橋さんと鄲鼈さんが出しよってんけど、枚数確認で角橋さんが聞きよってんけどな。



うち、AやのーてDってゆうてで会話しとってんけどな。




人の話聞いーとらんのかいな(呆



うちの話は誰も聞いーとらん(泣

Chapter127






Chapter127







会長や社長の地位にいる人間って、従業員を召し使いか奴隷やと思おてんやろか?



何でも自分の思い通りに出来る思てんかな?




まあ、うちの会社だけやと思いたいわ…………






何故いきなりこんなことゆうたかというと…、まず会長からいこか。

会長はほんま他人の時間を無駄にする。



普通、何か用事あって話しかけるやんか。


けど、相手が



「今忙しいから後にして。」



ってゆうたら、よほど急ぎちゅーか緊急事態やない限り後にするやんか。


普通は。




けど、会長は………



「10分で終わる。10分ぐらいや。たった10分や。」



しかも、うちに2階まで上がってこいやて。




何様!?



会長ってこんな自己中でなれんの?!



会長ってもっと尊敬出来る人のことやと思おててんけど(驚




秘書やないし、大会社でもない。



テレビで見る大会社や中小でも、素晴らしい人いっぱいおるんに。



なんで出来ひんねんやろ?

次いで社長や。



まーほんと親子やわな。



日々実感しまくりやわ。




パソコンのな、ウイルス防ぐソフトが更新してください。って案内が表示されてたから社長にゆったんや。



去年は社長がほったらかしで更新出来んくて、何か新規契約になったらしいから。




ほしたら…………



なんやウイルス対策の分厚い説明書とIDとパスワードが書かれた案内書を渡されて、



「そこに書いてあるとこに電話して聞いて。」



はあ?


知らんし(怒



電話して聞いてって………



契約内容もなんも分からんに。


説明もなしに。




自分の家やったら自分で調べてするし、つかうちの父親でも言わんわっ!

で、電話して聞いたら、申込書がホームページからダウンロード出来るからそれに記入して代理店で申し込みやて。



一応、親切心で最低限記入して社長に渡した。






んで、数日後。



年の瀬の金曜日。



仕事は今日までで、次の月曜日は大掃除って事やから、今日中に年明けの負担減らそうと頑張ってたんや。




この一週間かなり残業してな。

(因みに残業する羽目になってんのは、周りが押し付けた分をうちがきっちり片付けてしもうてるからや(泣)




ほしたら、



「ウイルスのんな、ネットでも出来るみたいやから、販売元の会社に電話して聞いて。代理店は面倒や。あと、期限は月曜日やから。」

はあ??



今更なにゆーとんの?



ネットでも出来るみたい?

誰に聞いた?曖昧や!




期限は月曜日?


うち更新案内の通知来た時にゆうたよ?
1ヶ月ぐらい前やで?




代理店は面倒?

知らんがな!そのソフト選んだんあんたや!





電話したら営業時間外で、だったら月曜日にかけろと。



月曜日、仕事せんよーに今やっとんねんけど?



しかも、自分は出張やて。




いやいや、出張より前にゆうとるし。



1ヶ月間放置しとったんあんたやし。




なんでうちが、あんたの尻拭いせなあかんの?



社長なら社員の尻拭いやろ?


最終責任はあんたやろ?




つか、サポート切れたパソコン使こうてるのと個人情報が漏れる無料のアプリ使こうてる時点で





ウイルス対策とか必要あるんかいな(呆