ずっとずっとずっと頭を下げ続けた。

「田野そろそろ、顔を上げて欲しいんだけど…」
三藤先輩の困った声がした。

「でも…先輩を傷つけてしまったし…先輩は何も悪くないのに。」
「違うよ!田野君こそ悪くない!」
僕はパッと顔をあげると先輩をまじまじと見た。
「私は…確かに言ってないけど…田野君に最低だって言われてから思ったの。もしかしたら私も心の底ではそう思ってたのかもしれないって。
だから、私が最低なのは本当だよ。
私こそ許してくださいっ!」
今度は先輩が頭を下げた。

「先輩…」
僕はかがむと先輩を下から除きこんだ。
「今回はおあいこってことで。仲直りしましょう。」