「田野!」
コーチの怒鳴り声がした。
「遅いぞ。もう少し速くしろ!お前が足を引っ張っている。」
ハハハハという笑い声。

「後で、田野は俺のところへ来い。その他のメンバーは解散。」
「「「「ありがとうございました。」」」」



あー、憂鬱だー。何言われるんだろう。メンバーから落とすとか?嫌だ嫌だ。絶対になんとしてでも、メンバーでいる。
一位になる。それで、見せたいんだ。自分がやればできること。三藤先輩に。お母さんに。


そこまで考えて初めて気がついた。
僕は本当はメンバーに選ばれたかったんだ。
それに…