「お母さんヘ
優一です。僕はもう高校生になりました。お母さんが亡くなってから9年たったよ。僕も陸上部に入って毎日楽しくやっています。血は水よりも濃いっていうのは本当だね(笑)
そして、僕は男女混合リレーのメンバーに選ばれました。
でも…三年生が選ばれると思っていたし、二年生の女子の速い先輩が選ばれなくて、泣いてるところを見ちゃってから、不安です。プレッシャーが大きいし、うまくやれるか不安だから。
ねえ、お母さん、もしお母さんが僕と同じ立場だったらどうする?お母さんだったら、僕にとても参考になるアドバイスをしてくれるはずだから。
書いていて、ふと後悔してきました。
何で、あの時に三藤先輩に声をかけなかったんだろうって。あっ、三藤先輩はその二年生の速い先輩のことで…。
でも、僕が大丈夫ですよって言っていいのかなって。何も知らないのに。
あー、もう何かいてるかよくわからなくなってきたので終わります。お母さんヘの手紙なのに愚痴になってしまってごめんね。

優一

追伸
お母さんは知っていたんだよね。自分がもうあまり長くはないこと。あの星空のときには。」