☆゚+.〈BL〉 GAME ゚+.☆

春日井貴也
(かすがいたかや)

十七歳・高二→高三

染野の気まぐれで
クラス全員(慎と張本人以外)に
追いかけられる羽目に

亮の恋人

笹山慎
(ささやましん)

十七歳・高二→高三

唯一貴也の味方で親友

染野と幼なじみ

静の恋人

染野聡太
(そめのそうた)

十七歳・高二→高三

クラス一の金持ち

嫉妬して、
最初のターゲットに
貴也を選んだ

慎がお気に入り

〃と幼なじみ

雪村静
(ゆきむらしずか)

二十六歳

国語教師

慎の恋人

貴也たちの担任

女みたいな名前だが男

染野のGAMEには
我関せず

亮の幼なじみ

的木亮
(まときりょう)

二十六歳

雪村と同じ国語教師で幼なじみ

貴也の恋人

鈴川縞
(すずかわこう)

十七歳・高二→高三

次のターゲット

足が遅い

三年では違うクラス

煤宮誠人
(すすみやまこと)

六十過ぎの
おじいちゃん先生

静と亮の
高三の時の担任

春日井 夕綺
(かすがいゆき)

貴也の母親

勘がいい

春日井陽路
(かすがいひろ)

貴也の父親

息子の恋人が
同性とは知らない

放任主義だか……?

同性愛を嫌う理由は……

笹山麻理佳
(ささやままりか)

慎の母親

わりと寛容

笹山誠之
(ささやままさゆき)

慎の父親

頑固で融通がきかない

慎が旅行に行く際にも
色々と言っていたのを
麻理佳が止めた。

洞島虹空
(どうじまここあ)

十八歳・高三

亮と雪村の
ファンクラブの会長

貴也をひっぱたいた張本人

篝紫月
(かがりしづき)

十八歳

高校は退学

貴也と慎を拐う

松葉幸樹
(まつばこうき)

十八歳・高三

虹空の幼馴染みで言いなり

石浜覚
(いしはまさとる)

十八歳・高三

虹空の友人でゲイ

バスケ部主将

宇佐田鈴華
(うさだれいか)

十七歳・高二→高三

貴也達の隣のクラス

虹空の取り巻きの一人

菱谷音和
(ひしやねお)

中学時代の貴也の恋人

三雲大知
(みくもだいち)

慎の新しい友人

同性の恋人が
いることを知らない

倉浜
(くらはま)

元陸上部エース
俺が追いかけられる
はめになったのは
染野の一言から始まった。

「春日井を一週間以内に
捕まえた奴には百万円をやろう」

この一言がクラスメイトに
追いかけられる
きっかけとなったのだった。

GAMEスタート❢❢
突然だが俺はクラスの皆に
追いかけられている。

それもこれもあいつのせいだ。

染野の奴、一週間
絶対に逃げきってやる❢❢

そして、あいつは
悔しい思いもをすればいいさ。

とは言うものの、
学校にいる間は
授業以外は男女関係なく
追いかけられるから
こっちは必至で逃げるしかない。

一番安全なのは
家か慎の家だが
学校に行かないわけにはいかない。

しかし、登下校中にも
追いかけられるから
本当に休む暇なんて
あったもんじゃない。

担任はこのことに無関係だ。

雪村曰く、
生徒の問題に口出ししないらしい。

まぁ、別にいじめじゃないから
雪村の言うことも一理ある。

そして、授業が始まる

十分間追いかけ回された後、
やっと教室に戻ってこられた。

しかし、この追いかけっこ
(一対三十九)は昨日から
始まったばかりだ。

因みに、このGAMEを
始めた張本人は
俺を追いかけてこない。

そしてもう一人、
このバカげた GAMEに
参加していないのが笹山慎。

俺の親友で中学から一緒だ。

二日でこれじゃ、
後五日ももつか自信がないが
どぉにかして逃げきるしかない。

土日は慎の家に居ようか?

いや、その前に
捕まったらお仕舞いだ。

やっぱり、週末は
家で大人しくして、過ごすか?

母さんに買い物を
頼まれないことを祈ろう。

学校での唯一の
逃げ場は雪村がいる
国語教官室だ。

それは、的木先生がいるから。

担任の雪村より仲がいいのは
去年の担任だったのと
色々な話が合うからだ。

生徒たちは休み時間に
態々教官室まで来ない。

だから、俺は此処にいる。

勿論、慎も一緒に。
兎に角、、家から出なきゃいいが
平日はそうも言ってられない。

俺が毎時間来る理由も訊かずに
相手をしてくれる。

的木先生とそれに
付き合ってくれる慎には
感謝している。

雪村は話していないのか
俺がただ遊びに来てるだけだと
思っているみたいだ。

染野のGAMEに
彼を巻き込みたくない。

校内で人気者の彼は
知らなくていいし、
知られたくない。

何時も一緒にいる慎も
あえて言わない。

それはとても
有り難かったし
親友だと改めて思った。

時は流れ、今日は金曜日。

これで、土日に捕まらなければ
俺の勝ちということになる。

クラスの奴らと染野に
悔しい思いをさせてやる。

流石に、放課後までは
教官室に行けないが
このまま帰ったら
奴らに捕まるのがオチだ……

う~ん…… どぉすか?

図書室の奥で
悩んでいたら
慎が家(うち)に来ればと
言ってくれた。

奴らもまさか、
慎の家の前でまで
待ち伏せていないだろう。
たぶん、
待ち伏せはしてないと
思うが用心することは大事だ。

裏道を通り、
バレないように帰る。

この道は中学の時に
見つけた道であいつは知らない。

知ってるのは俺たちだけだ。

裏道から出る。

そして、そこから
慎の家まで急いで走った。

玄関の中に入った時
ホッとした。

土日は慎の家で
過ごすことになり
母さんにメールをした。

だが、問題は残ってる。

此処から帰る時だ。

あいつの前で
油断してはいけない。

少しでも気を抜くと
捕まってしまう。

「なぁ慎」

「ん?」

俺は疑問に思っていたことを
慎に訊くことにした。

「土日、外に行く予定なかったのか?」

「うん、それに
予定があったとしても
貴也の方が大事だよ」

慎の優しさには脱帽だな。

「ありがとうな」

「僕たち親友でしょ?」

嬉しいな。

「あぁ」

慎がところでと前置きをした。

「聡くんはこんなこと
始めたんだろうね?」

“聡くん”とは染野のことだ。

俺たち三人は
同じ中学だったりする。

「さぁな」

あいつのやることは
たまによくわからない。

「しかも、何で貴也?」

それは、何となくわかっている。

「誰でも良かったんじゃないか?」

「じゃぁ、来週は僕かな?」

それはないな。

「慎はないんじゃないか」

お気に入りだからな。

「どぉして?」

「だって、染野は
慎がお気に入りだかな」

俺がそう言うと
キョトンとした顔をした。

「僕が聡くんのお気に入り?」

「中学の時も
慎にはちょっかい
出さなかっただろう?」

昔から慎だけは
逆に守っていた。

「確かに、
貴也にばっかり出してたような?」

何となく思い出したらしい。

「染野のは俺が邪魔なのかもな」

「何で?」

天然つうか純粋だなぁ。

「何時も慎の傍にいるからだろう」

ようは嫉妬だ。

「俺は中学からのよそ者だから
慎を取られたみたいで
気に食わないんだろう。
まぁいいさ」

後二日捕まらなければいい話だ。

「今日は沢山話そうね。
この一週間、貴也が
追いかけられっぱなしで
まともに話せなかったからね」

「じゃぁ、いっぱい話すか」

明日は土曜だし
夜更かししても
怒る人はいない。

そして、一週間分の話をした。

楽しい時間は
あっという間に過ぎてしまう。

慎と話してて、本当に
今週はまともに
話せてなかったことを知った。

今、俺は家に
帰ろうとしているところなのだが
無事に帰れるかは運次第だ。

「じゃぁな、慎」

「気を付けてね」

あいつらが何時何処で
待ち伏せてるかわからないからな。

「わかってるって」

「やっぱり、送ってこうか?」

心配性だなぁ。

「いいよ。
心配すんな、
家に着いて部屋に
入ったら電話するから」

「わかった」

心配そうな顔をする慎に
笑顔で手を振った。

**数十分後**

俺は無事に自分の
部屋に着いた。

「もしもし、慎」

「貴也!?
電話くれたってことは
無事なんだね?」

声だけで焦ってるのがわかる。

「おう❢❢
今回は染野の負けだな」

「だね」

慎が心底
ホッとした声を出して言った。
今日は月曜日。

学校に着いて教室に入ると
皆(染野以外)が俺見た。

既に皆知っているのだろう。

染野に「お疲れさま」と
言われたが別に嬉しくない。

そして、皆には
聞こえないような
小さな声で
「次は誰にするかな」と囁いた。

その後、慎が入ってきた。

「おはよう、貴也
一週間、お疲れさま」


慎に言われると嬉しい。

「おはよう
ありがとうな」

俺たちは席がわりと近い。

「次は誰だと思う?」

今週は誰がターゲットに
されるんだろうな……

「わからないよ」

幼なじみの慎でもわからないか。

「だよな、染野も
悩んでたみたいたしな」

あの囁きは
決まってないからこそだ。

「何で知ってるの?」

「さっき「 次は誰にするかな 」
って言ってからけど
放課後までには決めるんだろうけどな。
慎は参加しないだろう?」

聞くまでもないけどな。

「うん、だって
百万円なんて大金
貰っても使い道ないもん。
貴也だって参加しないでしょ?」

当たり前だ。

「勿論」

こんなくだらないGAMEに
参加する気はさらさらない。

とりあえず、俺に平和が
戻ってきたから
他の奴らのことは気にしない。

「やっと、静な
学校生活が送れる」

「そぉだね。
今日は教官室行く?」

先週はクラスの奴らから
逃げるために行っていた
教官室だが今週は
その必用がない。

「慎が行きたいなら行くけど」

「じゃぁ、行く❢❢」

この時は、まさか
的木先生と雪村が
俺たちの恋人に
なるなんて想像もしてなかった。

「わかった、昼休みに行こう」

染野を見るとターゲットが
決まったらしい。

皆も本人も
気付いていないみたいだ。

慎には後で教えてやろう。

**昼休み**

此処は国語教官室。

弁当を持って二人で来た。

「いらっしゃい」

的木先生がニコニコと
迎え入れてくれたのに対し
雪村は「また来たのか」と
呆れた顔をした。

「此処でお弁当食べていいですか?」

とりあえず訊いてみる。

「訊くまでもなく、
此処で食べる気満々じゃないか」

「雪村には訊いてない」

ばっさりと俺が言った。

「俺はいいよ」

やった❢❢ 内心大喜びの俺。

「ありがとうございます」

俺たちは教官室の
ソファーに座って弁当を食べ始めた。

「ねぇ貴也、聡君、
次のターゲット決まったのかな?」

あぁ、すっかり忘れてた。

「決まったみたいだぜ」

「えっ、誰?」

そりゃ気になるよな。

「鈴川」

「何で知ってるの?」

教室で一人で頷いてたからな。

「さっき、
納得したみたいに頷いてたから」

「そっか、鈴川君
逃げ切れるかな?」

どおかな……

「あいつの運次第だろう」

俺たちの話しが気になったのか、
的木先生が「何の話?」と訊いてきた。

「え~とですね、
今、うちのクラスで
GAMEをしてるんです」

あんまり、話したくないが
まぁ、仕方ないよな。

「GAME?」

不思議そうに
的木先生が首を傾げた。

「先週から始まったんですけど
クラスから一人ターゲットを決めて
そいつが逃げ切れば勝ち、
捕まれば負けっていうGAMEで、
ターゲットを捕まえた奴は
百万円が手に入るんですよ」

「それはまた
本格的だね。
誰が始めたの?」

「染野ですよ」

まったく、面倒な
GAMEを始めてくれたぜ。
「先週から始まったって
言ってたけどターゲットは誰だったの?」

「俺です」

その言葉で何となくわかったみたいだ。

「もしかして、先週
毎時間来てたのは
クラスメイトから逃げるためだったの?」

察しがいいな。

「はい。
先週は本当に疲れました」

「それで?」

結果が気になるのか。

「俺が勝ちましたよ。
そんで、今週っていうか
今日の放課後からは鈴川が
ターゲットにされるみたいです」

「因みに、そこに居る
雪村は何も言いませんからね」

ジト目で雪村を見た。

「静、
そぉいうことは止めろよな」

的木先生は雪村と仲いいのか?

「亮には関係ないだろう」

「あの、二人は仲いいんですか?」

俺の心の声を慎が口に出した。

「静とは幼なじみなんだよ」

へぇ~

それは初耳だ。

「雪村と的木先生が
幼なじみだなんて
初めて知りました」

「小学校からずっと一緒だ」

応えたのは意外にも雪村だった。

「初めて会ったのは
六歳の時だから、
もう二十年だね」

早いなぁと的木先生が言った。

「腐れ縁ってやつさ。
このことは他の奴らには秘密だぞ」

「わかってるよ」

言われなくたって言わないさ。

「それで、話しを戻すけど、
静、止めさせろよ」

染野のGAMEな。

「言ったところで無駄だから
止めなかったんだよ」

雪村はこういう奴だよな。

「その最初から諦めてる感じは
昔から変わらないよな……」

はぁ~と的木先生が
眉を八の字にしてため息を吐いた。

「雪村先生は昔から
こんな感じなんですか?」

慎の質問に的木先生は
雪村を指して言った。

「それはもう、
無気力でやる気のない奴だったよ」

「いらないこと言うな」

ムスッとして雪村が
すかさずつっこんだ。

「別にいいじゃないか」

一見、合わなさそうな
この二人が幼なじみかぁ~

「今度、二人の話
聞かせてくださね」

「しょうがねぇなぁ」

慎がそう言うと
応えたのはまたしても雪村だった。

「今度の土曜、空けとけよ。
亮もいいだろう?」

「勿論、
二人共、空けといてね」

休日に的木先生に会える!?

よっしゃ❢❢

「「はい」」

内心ウキウキの俺。

「それで、今週の
ターゲットは誰だって?」

「鈴川だって」

態と聞き返したな。

「そりゃ災難だったな。
あいつ走るの苦手だろう」

これっぽっちも
そんな事思ってないだろう。

目が笑ってるぜ。

「確かにな……
今週は染野の勝ちかな」

鈴川は体育が苦手で
とくに走るのはダメだ。

せめて、二日くらいは
逃げてほしいものだ。

「鈴川君大丈夫かな?
言い方が悪いけど
僕より遅いよね」

いえてるな。

「さぁ、どぉだかな」

こいつは本当に教師か?

「雪村、仮にも教師なんだから
逃げきってほしいくらいは言えよな」

「自分に正直なだけだ」

とことんマイペースだなぁ。

「俺、何で雪村が
教師になったのかわからない」

「僕も……」

今まで黙ってた慎が言った。

プッ、慎にまで言われてるよ(笑)

よく教師になったな。

「 俺が思うには
明日の朝には
捕まってるんじゃないか」

「僕は今日の帰りには
捕まってる気がする」

まぁ、運動部の奴らに
追いかけられたらアウトだろうな。

「笹山、お前何気に酷いな」

慎の言いたいことは
わかるけどな。

そんな慎の言葉に
教官室に笑い声が響いた。

「お前ら、さっさと
弁当食わないと時間なくなるぞ」

話しててすっかり
忘れてたが弁当の途中だった。

「ヤバっ」

「貴也、早く食べちゃおう」

俺たちは残りの
弁当を急いで食べた。

「じゃぁ、俺たち
教室に戻りますね」

名残惜しが仕方ない。

「またね」

教官室を出て
教室に戻った。
今日は約束の土曜。

学校の奴らに
見つからないように
しなきゃならない。

後々面倒な事になりかねない。

雪村はともかく、
的木先生に休日に
会っていたなんて知られたら
学校に居られないだろうな。

そして、俺たちは今、
学校からかなり離れた
公園に来ていた。

「此処でいいんだよね?」

その場所はタクシーで
三十分程かかる所だった。

「雪村が寄越した
地図だと此処のはずだ」

どぉやら俺たちの方が

早く着いたみたいで
雪村たちはまだ来ていなかった。

二十分後、やっと二人が来た。

運転してるのは
的木先生で雪村は
助手席に座っていた。

「先生たち五分遅刻です」

慎が膨れっ面をして言った。

「俺たち
二十分前から待ってたんですよ」

俺も拗ねた口調で言ってみた。

「え? そんな前から待ってたの!?」

「はい」

肯定の意味で慎が
返事をした。

「そりゃ悪かったな」

謝る雪村なんて貴重かも。

「まぁいいけどさ」

「それで、何処に行くんですか?」

慎は何時も俺が
思っていることを
代弁してくれる。

「まだ決めてないんだけど、
とりあえず乗って」

そぉ言われたから
慎と二人で後部座席に乗った。

「お邪魔します」と
二人で言ってみた。

「どぉぞ」

俺たちの台詞が
可笑しかったのか
的木先生は小さく笑った。

「なぁ、番号交換しないか」

いきなり雪村が提案してきた。

「そぉだね」

的木先生まで便乗している。

「いいのかよ?

雪村も的木先生も、
教師が生徒にケー番教えてちまって」

「お前ら二人にだけな」

学校にいる時より
二人が子供っぽくみえる。

まぁ、口ではこう言ってるが
俺の内心は
〈的木先生のケー番ゲット❢❢〉と
かなり興奮気味だけどな。

「誰にも言うなよ」

誰が教えてやるか。

「言わねえよ」

ファンの奴らには
絶対に知られちゃならない。

「笹山もだぞ?」

「わかってます」

「じゃぁ赤外線するか」

四人で番号交換をした。

「行き先はまだ
決まってないからドライブしよう」

的木先生が車を発進させた。

着いたのは隣の市。

雪村が「市内にいて生徒に
見つかるのは嫌だ」とぼやいたのを
慎には聞こえなかったみたいだ。

「二人共、お腹すいてない?」

言われてるみれば、
昼飯がまだだったなぁと思い出す。

「お腹すきました」

二人でハモると
的木先生がまた笑った。

「静は?」

ついでとばかりに
雪村に訊いた。

「俺はついでかよ❢❢」

雪村自身もそう思ったらしい。

「まぁ、腹はへったけどな」

本気で怒ってるわけじゃない。

「じゃぁ、
俺のおすすめの店に行こう」

「何の店ですか?」

的木先生のおすすめとは
何の店だろうか?

「イタリアンの店なんだけど
二人共好き?」

俺の好物だ。

「はい。
大好きです」

慎と二人で応えた。

まぁ、慎は
どっちかというと
和食の方が好きだけどな。

「よかった。
ご飯食べながら
俺たちの話をしてあげるね」

「ありがとうございます」

的木先生は学校の人気者だが、
本人はまったく気付いていない。

車を五分程走らせて
的木先生おすすめの店に着いた。

「喫煙席で大丈夫?」

最初は雪村のためかと
思ったが、どうやら
的木先生も喫煙者らしい。

でも、学校では吸ってないよな。

「雪村が吸ってるのは
知ってますけど、
的木先生も吸うんですね」

「学校ではあんまり
吸わないようにしてるんだよ」

何でだろ?

「理由(わけ)を訊いても?」

「秘密」

唇に人差し指を
当ててシーのポーズをした。

「それで、なんの話からする?」