*
(畜生……!)
朝食が済むと、あしでか達はそのまま眠り込んでしまった。
昨夜、遅くまで起きてたから眠いんだろう。
布団に並んで眠る姿は、とても可愛らしい。
ゆかりさんがあいつらに寄り添っていてくれるから、俺は、町の中をどこに行くとはなしにぶらぶらと歩き回っていた。
本当なら俺もゆっくり眠りたい所だけど、さっき旅人セットのことを聞いてから、イライラして眠れなくなったんだ。
(俺って本当に運が悪いっていうか、なんていうか……
いや…違うな。そうじゃない。
美戎がツイてるだけなんだ。
ツイてるっていうよりは、あいつがあんなに綺麗だから…
あ、綺麗に生まれるって事自体が、運を持って生まれて来たってことなのか……)
そんなことを考えていると、少し離れた所に人だかりが見えた。
女の子達が大勢集まって…そしてその中央にいるのが……
(……あ)
「あ、慎太郎さ~ん!」
女の子に囲まれた美戎が俺をみつけて手を振る。
嫌な感じだ。
あの余裕の笑顔……
僕はこんなにモテるんですよ~って、自慢でもしたいのか!?
気分が悪いから、俺はすっかり無視して知らん顔して歩き出したのに、美戎は俺の背中に向かってまたも俺の名を呼び、そして、駆けてきた。
「慎太郎さん…ちょうど良い所で会えて良かった。」
「……何なんだよ。
何か用でもあるのか?」
「ううん、そういうわけじゃないんだけど……
女の子達が集まって来て、なかなか逃げ出せない雰囲気だったから……」
むかーーー
やっぱり、自慢だ。
はいはい、あんたは男前ですよ。
俺なんかとは比べ物になりません。はいはい。
「……また、この前みたいなことになったらいやだし……」
「なんだよ、この前って。」
美戎と話したくはなかったけど、つい反射的に訊ねてしまった。
「この前ね、天国に連れられて行ってしまったんだ。
それまでお金もけっこう持ってたのに、天国に行ったらほとんどなくなっちゃって……」
「何なんだ?その天国ってのは……」
「それはね……」
美戎は、俺の傍に近付き、耳元で小さな声で説明した。
(畜生……!)
朝食が済むと、あしでか達はそのまま眠り込んでしまった。
昨夜、遅くまで起きてたから眠いんだろう。
布団に並んで眠る姿は、とても可愛らしい。
ゆかりさんがあいつらに寄り添っていてくれるから、俺は、町の中をどこに行くとはなしにぶらぶらと歩き回っていた。
本当なら俺もゆっくり眠りたい所だけど、さっき旅人セットのことを聞いてから、イライラして眠れなくなったんだ。
(俺って本当に運が悪いっていうか、なんていうか……
いや…違うな。そうじゃない。
美戎がツイてるだけなんだ。
ツイてるっていうよりは、あいつがあんなに綺麗だから…
あ、綺麗に生まれるって事自体が、運を持って生まれて来たってことなのか……)
そんなことを考えていると、少し離れた所に人だかりが見えた。
女の子達が大勢集まって…そしてその中央にいるのが……
(……あ)
「あ、慎太郎さ~ん!」
女の子に囲まれた美戎が俺をみつけて手を振る。
嫌な感じだ。
あの余裕の笑顔……
僕はこんなにモテるんですよ~って、自慢でもしたいのか!?
気分が悪いから、俺はすっかり無視して知らん顔して歩き出したのに、美戎は俺の背中に向かってまたも俺の名を呼び、そして、駆けてきた。
「慎太郎さん…ちょうど良い所で会えて良かった。」
「……何なんだよ。
何か用でもあるのか?」
「ううん、そういうわけじゃないんだけど……
女の子達が集まって来て、なかなか逃げ出せない雰囲気だったから……」
むかーーー
やっぱり、自慢だ。
はいはい、あんたは男前ですよ。
俺なんかとは比べ物になりません。はいはい。
「……また、この前みたいなことになったらいやだし……」
「なんだよ、この前って。」
美戎と話したくはなかったけど、つい反射的に訊ねてしまった。
「この前ね、天国に連れられて行ってしまったんだ。
それまでお金もけっこう持ってたのに、天国に行ったらほとんどなくなっちゃって……」
「何なんだ?その天国ってのは……」
「それはね……」
美戎は、俺の傍に近付き、耳元で小さな声で説明した。