ヨウカイ・イセカイ・キキカイカイ





(なんでだよ…)



美戎が連れて来たでかめは、みみでか達より一回り身体がでかい。
それだけではなく、ちゃんと歩くことが出来るんだ。
ゆかりさんと手をつなぎ、ゆっくりだがちゃんと自分で歩いている。
なのに、生まれたのはみみでか達よりも後だっていうのが、なんとも納得がいかない。
みみでか達はまだほとんど歩けないから、俺が背負っているんだが、身体は確かに重くなっている。
これ以上重くなったら、俺にはもう背負えないぞ。
っていうか、なんで美戎は気を遣わないんだ?



「慎太郎さん、三人も背負ってたら重いでしょう?
僕、一人背負いますよ。」



なんてことが、なぜ言えないんだ?
俺より年下なんだから、そのくらい言うべきだろう?



美戎は、ゆかりさんと何事かを話しながら、手ぶらで楽しそうに歩いている。
食料だって、ゆかりさんが背負ってるんだ。



「ゆかりさん、重いでしょう?
それ、僕が持ちますよ。」



って、なぜ言わないんだ?
かっぱとはいえ、ゆかりさんは一応女の子なんだぞ…多分。



あぁ、なんだかすごくイライラする。
こいつらが重いから…?
金が底を着いてきたから?
美戎がイケメンだから?



いや、違う!
美戎が悪いんだ!
これは気を遣わない美戎に対しての正当な怒りだ!







「隣町までは遠いから、この先もゆっくり行こうな。
どんなに急いだって、今夜中にはたどり着かないんだから。」

昼ご飯を食べた後、大きく膨らんだお腹をさすりながらゆかりさんが口を開いた。



「うん、そうだね。ゆっくり行こう。
あ、ゆかりさん、ここからは食料は僕がもつよ。」

「またぁ…
荷物のことは気にすんなって言ってるだろ。
あたいはかっぱだから、力はあるんだ。
こんなもの、なんともない。」

「本当に大丈夫なの?
無理しないでよ。」

「……ば、ばか。
無理なんかしてないさ。
あんたは、本当に優しいんだな。」



な、な、なんなんだ?あのキラキラした上目遣いは……
まさか、ゆかりさん……美戎のことが好きなのか!?