*
(なんでだよ…)
美戎が連れて来たでかめは、みみでか達より一回り身体がでかい。
それだけではなく、ちゃんと歩くことが出来るんだ。
ゆかりさんと手をつなぎ、ゆっくりだがちゃんと自分で歩いている。
なのに、生まれたのはみみでか達よりも後だっていうのが、なんとも納得がいかない。
みみでか達はまだほとんど歩けないから、俺が背負っているんだが、身体は確かに重くなっている。
これ以上重くなったら、俺にはもう背負えないぞ。
っていうか、なんで美戎は気を遣わないんだ?
「慎太郎さん、三人も背負ってたら重いでしょう?
僕、一人背負いますよ。」
なんてことが、なぜ言えないんだ?
俺より年下なんだから、そのくらい言うべきだろう?
美戎は、ゆかりさんと何事かを話しながら、手ぶらで楽しそうに歩いている。
食料だって、ゆかりさんが背負ってるんだ。
「ゆかりさん、重いでしょう?
それ、僕が持ちますよ。」
って、なぜ言わないんだ?
かっぱとはいえ、ゆかりさんは一応女の子なんだぞ…多分。
あぁ、なんだかすごくイライラする。
こいつらが重いから…?
金が底を着いてきたから?
美戎がイケメンだから?
いや、違う!
美戎が悪いんだ!
これは気を遣わない美戎に対しての正当な怒りだ!
*
「隣町までは遠いから、この先もゆっくり行こうな。
どんなに急いだって、今夜中にはたどり着かないんだから。」
昼ご飯を食べた後、大きく膨らんだお腹をさすりながらゆかりさんが口を開いた。
「うん、そうだね。ゆっくり行こう。
あ、ゆかりさん、ここからは食料は僕がもつよ。」
「またぁ…
荷物のことは気にすんなって言ってるだろ。
あたいはかっぱだから、力はあるんだ。
こんなもの、なんともない。」
「本当に大丈夫なの?
無理しないでよ。」
「……ば、ばか。
無理なんかしてないさ。
あんたは、本当に優しいんだな。」
な、な、なんなんだ?あのキラキラした上目遣いは……
まさか、ゆかりさん……美戎のことが好きなのか!?
(なんでだよ…)
美戎が連れて来たでかめは、みみでか達より一回り身体がでかい。
それだけではなく、ちゃんと歩くことが出来るんだ。
ゆかりさんと手をつなぎ、ゆっくりだがちゃんと自分で歩いている。
なのに、生まれたのはみみでか達よりも後だっていうのが、なんとも納得がいかない。
みみでか達はまだほとんど歩けないから、俺が背負っているんだが、身体は確かに重くなっている。
これ以上重くなったら、俺にはもう背負えないぞ。
っていうか、なんで美戎は気を遣わないんだ?
「慎太郎さん、三人も背負ってたら重いでしょう?
僕、一人背負いますよ。」
なんてことが、なぜ言えないんだ?
俺より年下なんだから、そのくらい言うべきだろう?
美戎は、ゆかりさんと何事かを話しながら、手ぶらで楽しそうに歩いている。
食料だって、ゆかりさんが背負ってるんだ。
「ゆかりさん、重いでしょう?
それ、僕が持ちますよ。」
って、なぜ言わないんだ?
かっぱとはいえ、ゆかりさんは一応女の子なんだぞ…多分。
あぁ、なんだかすごくイライラする。
こいつらが重いから…?
金が底を着いてきたから?
美戎がイケメンだから?
いや、違う!
美戎が悪いんだ!
これは気を遣わない美戎に対しての正当な怒りだ!
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「隣町までは遠いから、この先もゆっくり行こうな。
どんなに急いだって、今夜中にはたどり着かないんだから。」
昼ご飯を食べた後、大きく膨らんだお腹をさすりながらゆかりさんが口を開いた。
「うん、そうだね。ゆっくり行こう。
あ、ゆかりさん、ここからは食料は僕がもつよ。」
「またぁ…
荷物のことは気にすんなって言ってるだろ。
あたいはかっぱだから、力はあるんだ。
こんなもの、なんともない。」
「本当に大丈夫なの?
無理しないでよ。」
「……ば、ばか。
無理なんかしてないさ。
あんたは、本当に優しいんだな。」
な、な、なんなんだ?あのキラキラした上目遣いは……
まさか、ゆかりさん……美戎のことが好きなのか!?