*
「あぁ、食った、食った。腹がぱんぱんだ。
あんなにご馳走してもらった上に、宿にまで泊まらせてもらってどうもありがとうな。」
「いえ、こちらこそ、助けていただいてどうもありがとうございました。」
命を救ってもらったんだ。
かっぱになにかお礼をしなくてはと思った俺は、ちょうど夕暮れだったこともあって、近くの町でかっぱに晩御飯をご馳走した。
何も高級な店じゃない。
ただの食堂だったんだけど、かっぱはひさしぶりのまともなめしだと言ってたいそう喜んでくれた。
しかも、よほどお腹がすいていたのか、僕の五倍くらいの量をぺろっとたいらげてしまったんだ。
食事をしながら話したところによると、かっぱはお金を持ってなくていつも野宿だってことだったから、せめて今夜くらいは…と、一緒に宿に泊まることにしたんだ。
なんといっても、かっぱは命の恩人なんだから……
「さぁ、おまえ達はもう寝る時間だ。」
あしでか達を寝かし付けようとしていると、かっぱが三人を抱き抱え、優しく布団に運んでくれた。
あしでか達は、そんなかっぱにとても満足そうな柔らかな表情を浮かべている。
「おやすみ、あしでか、みみでか、はなでか。」
そう言いながら、かっぱは三人の頭を順番になで、子守歌のようなものを歌い始めた。
その歌声は、かっぱとは思えない、うっとりするような澄んだ声だったんだ。
側で聞いてる俺までが眠ってしまいそうな程、安らぎを感じる温かな声だ。
*
「子供は、眠るのが早いな。」
「あ、ありがとう。
きっと、あなたの子守歌のせいだと思いますよ。
歌…上手ですね。」
俺がそういうと、かっぱは嬉しそうな困ったような顔をした。
もしかしたら、照れてるのかもしれない。
「あたい…歌うことが好きなんだ。
だけど、人のために歌うことなんて滅多にない。
子供達が喜んでくれたなら、あたいも嬉しいよ。」
やっぱりこのかっぱは女の子なんだな。
声もそうだし、「あたい」って言い方も、そして服装も女の子っぽいとは思ってたけど、かっぱの性別なんて、俺にわかるはずがない。
でも、こういう優しい雰囲気はきっと女の子なんだと思う。
「あぁ、食った、食った。腹がぱんぱんだ。
あんなにご馳走してもらった上に、宿にまで泊まらせてもらってどうもありがとうな。」
「いえ、こちらこそ、助けていただいてどうもありがとうございました。」
命を救ってもらったんだ。
かっぱになにかお礼をしなくてはと思った俺は、ちょうど夕暮れだったこともあって、近くの町でかっぱに晩御飯をご馳走した。
何も高級な店じゃない。
ただの食堂だったんだけど、かっぱはひさしぶりのまともなめしだと言ってたいそう喜んでくれた。
しかも、よほどお腹がすいていたのか、僕の五倍くらいの量をぺろっとたいらげてしまったんだ。
食事をしながら話したところによると、かっぱはお金を持ってなくていつも野宿だってことだったから、せめて今夜くらいは…と、一緒に宿に泊まることにしたんだ。
なんといっても、かっぱは命の恩人なんだから……
「さぁ、おまえ達はもう寝る時間だ。」
あしでか達を寝かし付けようとしていると、かっぱが三人を抱き抱え、優しく布団に運んでくれた。
あしでか達は、そんなかっぱにとても満足そうな柔らかな表情を浮かべている。
「おやすみ、あしでか、みみでか、はなでか。」
そう言いながら、かっぱは三人の頭を順番になで、子守歌のようなものを歌い始めた。
その歌声は、かっぱとは思えない、うっとりするような澄んだ声だったんだ。
側で聞いてる俺までが眠ってしまいそうな程、安らぎを感じる温かな声だ。
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「子供は、眠るのが早いな。」
「あ、ありがとう。
きっと、あなたの子守歌のせいだと思いますよ。
歌…上手ですね。」
俺がそういうと、かっぱは嬉しそうな困ったような顔をした。
もしかしたら、照れてるのかもしれない。
「あたい…歌うことが好きなんだ。
だけど、人のために歌うことなんて滅多にない。
子供達が喜んでくれたなら、あたいも嬉しいよ。」
やっぱりこのかっぱは女の子なんだな。
声もそうだし、「あたい」って言い方も、そして服装も女の子っぽいとは思ってたけど、かっぱの性別なんて、俺にわかるはずがない。
でも、こういう優しい雰囲気はきっと女の子なんだと思う。