(……ん?)



そういえば、さっき、早百合はなにかおかしなことを言ってたな。

うん、そうだ。
『おまえを作る時、おれの血を使った』とかなんとか…
一体、何のことを言ってるんだ!?



「慎太郎さん…僕、やっぱり安倍川家の血が流れてるんだって。」

「……一体、どういうことなんだ?
美戎は、早百合…さんに輸血でもしてもらったのか?」

「そうじゃない。
美戎を作る時に、おれの血を混ぜたんだ。」

意味がわからない。
早百合は俺の様子を見て、そのことを悟ったのか、さらに言葉を続けた。



「だから!
式神を作るには、いろんな材料が必要だが、その材料のひとつにおれの血を使ったってこった。」



(死神…?)



「死神って…」

「慎太郎、死神ではない。
式神じゃ。し、き、が、み。
おまえ、もしや、今まで知らんかったのか?」

「式神……?
あ…あぁ、陰陽師の手下みたいなやつだな。
それがどうしたんだ?
今まで知らないって、何を?」

みんなが何を言ってるのか、俺にはまったくわからなかった。



「慎太郎…
美戎は、早百合さんの作った式神なんじゃ。」

(早百合の作った式神…?)



「あれ?僕、言ってなかったっけ?」

って、ことは……



「え……?
え…ええっ!?
び、美戎が……美戎が式神…!?」

美戎はにっこりと微笑んで頷く。



「えーーーーーーっっ!!」