「なんじゃ!?」

「あっ!」

まぶしい光が俺を照らし出す。



「し、慎太郎!」

「その声は…じいちゃん?」

「慎太郎~!!」

じいちゃんの筋張った腕が俺の身体を抱きしめ、おいおいと涙を流す。



(じいちゃん……)



きっとずいぶん心配してくれてたんだろうな…
じいちゃんの身体の温もりに、俺まで胸が詰まって泣きそうになって来た。



「おじいちゃん、遅くなってごめんね。
やっと帰って来たよ。」

「おぉ、おぉ…美戎……ありがとう。
本当にありがとう。」

じいちゃんは、美戎の手を取り、美戎に向かって何度も頭を下げた。



「さ…とにかく、ますは母屋へ行こう。」

じいちゃんは涙を拭いながらそう言って、俺達は蔵を出て母屋を目指した。



(あれ?じいちゃん…なんでリュックなんて背負ってるんだ?
ま、まさか……)



「じいちゃん…」

「なんじゃ?あ……」

振り向いたじいちゃんの視線はゆかりさんに釘付けだった。



「慎太郎…この娘さんは?」

「はじめまして、おじいさま。
私は安倍川由香里と申します。
向こうの世界では、慎太郎さんにいろいろとお世話になりました。」

「なんと!安倍川家の…
それにしてもべっぴんさんじゃのう……
さ、とにかく中へ、ささっ!」

いつもとは全然違うゆかりさんの口調には驚いたけど…考えてみれば、ゆかりさんは安倍川家の娘なんだ。
きっと昔はあんな風に話してたのかもしれない。



(懐かしいなぁ…)



久しぶりのじいちゃんの家にあがると、なんだかすごく落ち着いて、やっと元の世界に戻ってきたんだって実感が感じられた。



「懐かしいなぁ……」

美戎までがそんなことを言って、座敷の掘りごたつに腰を降ろした。



「待っとれ。
今、すぐに食べるものを用意するからな。」

「あ、私もお手伝いします。」

そう言って、ゆかりさんはじいちゃんについて行った。