「僕は……慣れない山歩きで本当にお腹がすいてたんだ……」
「はぁ?なに言ってんだ、こいつ……」
「それに、あのお弁当はゆかりさんが朝早くに起きて作ってくれたもので……」
「ゆかりさん?一体、誰なんだ、そりゃあ……」
「こいつの女じゃないのか?」
飛び天狗達はにやにやしながら、美戎との間合いを少しずつ詰めていく。
どうしよう??
気持ちは焦るばかりだけど、俺は怖さで身体が動かない。
「そんなことより、早く見せてくれよ。
俺達を許さないんだろ??」
「おぉ、こわぁ……」
ふざけて笑い声をあげる飛び天狗達に、美戎はほんの少し口端を上げた。
「今、見せてあげるよ。」
そう言ったかと思うと、地面を一蹴りし、さっきの弁当箱よりも高く飛び上がって、美戎は空気の震えるような甲高い声を発した。
飛び天狗達が呆然とする中、目にも留まらぬ速さで手足を動かし…そして、華麗に着地した。
「一体、なにを……」
確かに何の変化もない。
だけど、なんだかいやな予感はする。
美戎の奴……一体、何をやらかしたんだ?
あたりにはものすごい緊迫感が広がっていて……その時、美戎がぱちんと指を鳴らした。
「うぎゃあーーーー!」
「ぱぺぽ!」
「ひぇえええーーー!」
その途端、飛び天狗達の身体はばらばらに切れて散らばった。
「ぎゃああーーー!」
なんともなかった一人だけが、青白い顔で翼をはためかせた。
「い、いてぇよ!」
「お、俺の身体が!」
ちぎれて血を流す顔達が、苦しみに歪んでいた。
「び、美戎……お、おまえ……」
「心配しなくて大丈夫だよ。
急所ははずしてるから。」
「そ、そうか……」
って、納得するなよ、俺。
奴らの身体は、頭も手足も胴体もバラバラに切り刻まれてるんだぞ。
それを急所ははずしてるって……あ、だから、死んでないのか!?
「わ、わ……」
「待て……」
美戎の顔を見て、逃げ出そうとした飛び天狗を、美戎は低い声で引き止めた。
「こいつらを持って帰ってよ。
ほら、この布を貸してあげるから……」
「へ、へいっ!」
無事だった飛び天狗は、切り刻まれた仲間の身体を集め、布にくるんで担ぎ、足早に逃げ去った。
「はぁ?なに言ってんだ、こいつ……」
「それに、あのお弁当はゆかりさんが朝早くに起きて作ってくれたもので……」
「ゆかりさん?一体、誰なんだ、そりゃあ……」
「こいつの女じゃないのか?」
飛び天狗達はにやにやしながら、美戎との間合いを少しずつ詰めていく。
どうしよう??
気持ちは焦るばかりだけど、俺は怖さで身体が動かない。
「そんなことより、早く見せてくれよ。
俺達を許さないんだろ??」
「おぉ、こわぁ……」
ふざけて笑い声をあげる飛び天狗達に、美戎はほんの少し口端を上げた。
「今、見せてあげるよ。」
そう言ったかと思うと、地面を一蹴りし、さっきの弁当箱よりも高く飛び上がって、美戎は空気の震えるような甲高い声を発した。
飛び天狗達が呆然とする中、目にも留まらぬ速さで手足を動かし…そして、華麗に着地した。
「一体、なにを……」
確かに何の変化もない。
だけど、なんだかいやな予感はする。
美戎の奴……一体、何をやらかしたんだ?
あたりにはものすごい緊迫感が広がっていて……その時、美戎がぱちんと指を鳴らした。
「うぎゃあーーーー!」
「ぱぺぽ!」
「ひぇえええーーー!」
その途端、飛び天狗達の身体はばらばらに切れて散らばった。
「ぎゃああーーー!」
なんともなかった一人だけが、青白い顔で翼をはためかせた。
「い、いてぇよ!」
「お、俺の身体が!」
ちぎれて血を流す顔達が、苦しみに歪んでいた。
「び、美戎……お、おまえ……」
「心配しなくて大丈夫だよ。
急所ははずしてるから。」
「そ、そうか……」
って、納得するなよ、俺。
奴らの身体は、頭も手足も胴体もバラバラに切り刻まれてるんだぞ。
それを急所ははずしてるって……あ、だから、死んでないのか!?
「わ、わ……」
「待て……」
美戎の顔を見て、逃げ出そうとした飛び天狗を、美戎は低い声で引き止めた。
「こいつらを持って帰ってよ。
ほら、この布を貸してあげるから……」
「へ、へいっ!」
無事だった飛び天狗は、切り刻まれた仲間の身体を集め、布にくるんで担ぎ、足早に逃げ去った。