「ご…ごめんな…おまえ達……」

「うがーー!」



なんだかわからない叫び声と共に、あしでかが俺の胸に飛び込んできた。
それをきっかけに、他の三人も同じように俺にべったりとくっついた。



「……やっぱり、この子達…慎太郎さんがいなくて寂しかったんだね、きっと……」

「え……」



俺の顔をじっとみつめる子供達の瞳は、きらきらと輝いて見えた。
俺の心の罪悪感は、さらに大きく広がって……



「ごめん!本当にごめんな!」

俺はあしでか達を抱きしめて、心の底から謝った。



そうだ…俺は、こいつらの父親なんだ。
こいつらにとって、本当に頼れるのは俺だけなんだ。



(なのに、俺って……)



綺麗な女の子に現を抜かしてた天国での数日間が恥ずかしくてたまらなくて、ついには熱い涙がこみ上げた。



「慎太郎さん…そんなに気にすることないよ。
突然、四人ものヨウカイを育てることになって、ストレスだってあるだろうし……
たまには息抜きも良いじゃない。
ま、お金はなくなっちゃったけど、旅人セットもあるし、またどこかでバイトでもしながら進めば大丈夫だよ。」

「お金が…そうか、ごめ……え?」



俺は反射的にそう返したわけだけど、な、なんだって?
今、確か、美戎は「お金がなくなった」と言わなかったか……!?



「え…と。
美戎……お金がないっていうのは……」

「うん、天国にお金使っちゃったから、ミマカさんの家でもらったお金はもうほとんどないよ。」

「じょ、冗談はやめろよ。
おまえ、店に全額預けたわけじゃないだろ?」

「ほぼ全額だよ。」

「だ、だって、おまえ…確かミマカさんの家では2000万程……」

「天国ってすごく高いんだよ。
しかも、あそこは最高ランクの天国だからね。」

美戎……おまえわかってるのか?
2000万程のお金を俺はたった数日で使ったって言ってるんだぞ。



小心な俺は、自分がとんでもないことをやらかしてしまったことにようやく気付き、身体ががたがたと震え出すのを感じた。