(俺って、最低……)



あれから三日…いや四日か……?
俺は、天国で今までに味わったことのないうはうはな毎日を過ごした。
俺をめぐって、女の子達がつかみあいの喧嘩までしてくれたんだ。
しかも、シュリは「あんたと一生添い遂げたい…」なんて言うし……
そんなわけで、俺は、完全に誤解した。
今まで自分で思ってた程、俺はしょーもない人間じゃなかったんだって。
意外とイケてるんじゃないかって。



だけど、やっぱりそれは完全な幻想で……



目が覚めたら、俺の周りにいたカワイコちゃん達は一人もいなくなってて、その代わりにしわくちゃのおばあさんがいたんだ。
そして、美戎から預かった金がもうなくなったことを告げられ、延長したいなら金を払えと言われたんだ。

俺がそんな金を持ってるはずはない。
金はないと答えたら、急き立てられ、俺は、服もまだ着ないまま、部屋から追い出された。



俺がちやほやされたのは、金のおかげだったんだ……
こんなこと、最初からわかってたはずなのに……



「はぁぁぁぁ~~~~……」



今までの俺の人生で、一番長いため息が漏れた。



あぁ、足が重いよ……
いやだな……
どんな顔して帰れば良いんだろう……
でも、俺が帰る場所はやっぱりあそこしかなくて……



(ゆかりさんは俺が天国に行ったこと、知ってるんだろうか?)