飲~め、飲め飲め、飲みやがれ♪



手拍子に合わせ、みんなで声を揃えて歌うと、ゲームに負けたシュリはどんぶりみたいな器になみなみと注がれた酒をぐびぐびと飲み干す。



シュリがぷはーっと息を吐くと、すかさず拍手と笑いが湧き上った。
俺も笑った。腹を抱えて……そんなに面白いことではないけど、酔っぱらってるとささいなことで笑えるもんだ。



(本当にここは天国だ…!!)



部屋に入ると、美戎だけじゃなく、俺の両隣にもきれいな女の子が数人ずつ座って、まるで俺を奪い合うようにお酌をしたり、話しかけたりしてくれた。
シュリは、俺の一番近くにべったりと貼りついてたし、酒が進むにつれ、女の子たちは暑いと言って着ているものを脱ぎだすし……



俺は元々そんなにお酒を飲む方じゃないけど、ここの酒はなんだかすごく飲みやすいし、帰りのこととか、明日の仕事のこととか考える必要もないせいか、もう歯止めが効かない勢いでぐいぐい飲んでしまった。



だって…本当に楽しいんだから。
綺麗な女子に囲まれてちやほやされながら、お酒を飲んで、歌ったり、踊ったり……
楽しくないはずがないじゃないか。



「……慎太郎……そろそろ二人っきりになりたい。」



シュリの甘いささやきに、俺は我が耳を疑った。




ど、どうする、慎太郎…!?



『だめよ、だめ…そういうことは、あなたの世界じゃ禁止されてることじゃない!』

『なに言ってるんだ。
ここでは、そんなこと気にする必要なんてない。
元の世界に戻ったら、こんなおいしいことはもうないぞ!』

『だめ!だめだってば!』

『行け!おまえ、男だろ!』



「じゃ……行こうか……」



俺の中の天使と悪魔の戦いは、いとも簡単に悪魔が勝利した。