それにしても……なんか和む。
優しくてほっこりした雰囲気が……温かいなぁ……



「あ、ごめんね、遅くなって……」

「い、いや…ただ、こいつらが腹がすいたって騒ぐから……
と、とにかく会えて良かった。」



なんだなんだ?
やっぱり、ゆかりさんの様子が変だ。
やけにそわそわして、顔色もいつもと違うし、美戎のことをちゃんと見ないぞ。
そんなゆかりさんを見てると、胸の奥がきゅんと痛む。
ゆかりさんが美戎のことを好きなことは、前からわかってたのに……




「本当にごめんね。
じゃあ、早く食べに行こうね。
あ、ゆかりさん…背中の子、重いんじゃない?」

「え…い、いや、こんなの全然……」

「慎太郎さん…!
代わってあげなきゃ…」

「え……お、俺……?」



なんだよ、美戎の奴……
調子の良いことばっかり言って、俺に背負わせるのかよ。




「あ、良いんだ……」

「いえ、こいつは俺が……あ、あの…ゆかりさん……」

「なんだ?」

「あ…あの…その…い、いつもこいつらのことみていただいて、本当にありがとうございます。」

「え……な、なんだよ、急に……」



自分でもよくわからない。
でも、ゆかりさんの顔を見てたら、急にそんなことを言ってしまってたんだ。
そのせいで、ゆかりさんはますますそわそわしだして……




「あ、あしでか…今日は少し歩いて行こうな。
おまえはみんなの中でも一番足が弱いから、ちゃんと運動しないとな。」

俺は照れくささをごまかすようにそんなことを言いながら、ゆかりさんの背負った籠の中からあしでかを抱きかかえて下に降ろした。



「でかめも一緒に行こうな。」

俺はゆかりさんと同じようにちび達と両手を繋いで歩き出した。




「慎太郎さん、さっき、感じの良さそうな食堂があったよね。
今日はあそこに行こうか。」

「そうだな。
あそこなら近いから、あしでかも歩けるだろうし。」



振り向くと、ゆかりさん達は黙って俺達の後を着いて来ていた。



変だよな……
どう考えてもおかしいよな。



(ゆかりさんはかっぱなのに……
俺、なんで、こんなにゆかりさんのことが気になるんだろう……)