「あ、それはそうと、僕、面白いこと聞いたんだ。」
「面白いこと…?」
どうせしょーもないことだろう。
今はそんな話をする気にはなれないが、かといって無視ってわけにもいかないし……
あぁ、面倒だ。
「あのね、この世界には大きく分けて二種類の名前があるんだ。」
「二種類?」
「うん、ミマカさん達には苗字がない。
苗字がない人はたいてい住んでる場所とセットになってるらしくって、ミマカさんの場合だと、ネモチカの町のミマカって感じなんだ。」
「へぇ…あの町はネモチカっていうのか。」
「そうだよ。
……それで、もうひとつが僕らみたいに苗字と名前がある者。」
「そうなんだ。」
美戎の話は思ってたよりも興味深いものだった。
「でね、苗字と名前がある者は少ないんだ。」
「なんで?」
「驚かないでよ!
それはね…苗字を持つ者は、遥か昔に他所の世界から来たからなんだって。」
「えぇーーーーっっ!」
普通ならそんな話、信じなかっただろう。
だけど、俺にはすんなり信じられた。
だって、この俺自身が、他所の世界から来たんだから。
「慎太郎さん…驚くのはまだ早いよ。
僕、その話に興味がわいて、ミマカさんの家の蔵にある古い書物を調べてみたんだ。
そしたら、そこですごいことがわかったんだ。
ねぇ…何だと思う?」
「何なんだよ、早く教えろよ!」
俺が感情的な声を出したせいか、美戎は小さく肩をすくめた。
「あのね…よその世界から来たのは、妖しを自在に操る者とその友だったらしいんだけど、その苗字が『山ノ内』と『安倍川』なんだ。」
「え…ええっ!なんで俺の苗字が…?」
「慎太郎さん…僕の苗字、一応、安倍川なんだけど……」
「ええっっ!!ど、どういうことなんだ!?」
「安倍川は、実はさゆりさんの苗字なんだけどね。」
「な、なんで……」
しょーもない話だとばかり思ってた美戎の話は、予想外に驚きの連続だった。
「面白いこと…?」
どうせしょーもないことだろう。
今はそんな話をする気にはなれないが、かといって無視ってわけにもいかないし……
あぁ、面倒だ。
「あのね、この世界には大きく分けて二種類の名前があるんだ。」
「二種類?」
「うん、ミマカさん達には苗字がない。
苗字がない人はたいてい住んでる場所とセットになってるらしくって、ミマカさんの場合だと、ネモチカの町のミマカって感じなんだ。」
「へぇ…あの町はネモチカっていうのか。」
「そうだよ。
……それで、もうひとつが僕らみたいに苗字と名前がある者。」
「そうなんだ。」
美戎の話は思ってたよりも興味深いものだった。
「でね、苗字と名前がある者は少ないんだ。」
「なんで?」
「驚かないでよ!
それはね…苗字を持つ者は、遥か昔に他所の世界から来たからなんだって。」
「えぇーーーーっっ!」
普通ならそんな話、信じなかっただろう。
だけど、俺にはすんなり信じられた。
だって、この俺自身が、他所の世界から来たんだから。
「慎太郎さん…驚くのはまだ早いよ。
僕、その話に興味がわいて、ミマカさんの家の蔵にある古い書物を調べてみたんだ。
そしたら、そこですごいことがわかったんだ。
ねぇ…何だと思う?」
「何なんだよ、早く教えろよ!」
俺が感情的な声を出したせいか、美戎は小さく肩をすくめた。
「あのね…よその世界から来たのは、妖しを自在に操る者とその友だったらしいんだけど、その苗字が『山ノ内』と『安倍川』なんだ。」
「え…ええっ!なんで俺の苗字が…?」
「慎太郎さん…僕の苗字、一応、安倍川なんだけど……」
「ええっっ!!ど、どういうことなんだ!?」
「安倍川は、実はさゆりさんの苗字なんだけどね。」
「な、なんで……」
しょーもない話だとばかり思ってた美戎の話は、予想外に驚きの連続だった。