「おばあちゃんは老耄なんかじゃないですよ。是非またこの町のこと色々教えてください。」



おばあちゃんは微笑み、「行っておいで」と言ってその場で別れた。


ようやく‘ 宮下 ’と書かれた表札を見つけお母さんから預かった鍵で開けると薄暗い部屋があった。


見た目からして大きい家なのに綺麗に管理されていてゴミも落ちていなかった。



ガサッと音がした。


この家に誰かいるの?
待って、どうしよう…。


1人でパニクっていると、ニャーという声が聞こえてきた。


どこから出てきたか分からない猫が私の後ろにいて欠伸をしながら呑気に毛繕いをしている。



「…何で猫がいるの?」



どこかから入れたのかな?
それとも先住していた?