「いや、ちょっ、えっ、」
驚き、焦り、動揺。
その全てが一気に俺を襲う。
今まで散々脳内全域を埋め尽くしていたすっぽんぽんのめちゃくちゃドエロい蜜が一瞬にして吹き飛んで、頭の中は目の前の蜜でキャパオーバーになりそうなぐらいいっぱいになる。
それぐらいの、衝撃。
ギョッと目を見開いて丸くする俺の瞳に映る蜜は、あろうことか白のバスタオルを一枚身体に巻いただけの無防備すぎる格好で俺の部屋に現れた。
扉の前で少し俯いて、恥ずかしそうにバスタオルの繋ぎ目をギュッと握る蜜。
突然の急展開に感情がついていかない。なにがなんだかわかんなくて、驚きすぎて言葉が出ない俺はマヌケにもポカン、と口を開けたまま呆気にとられる。
いやいやいやいや、嘘だろ…?
夢、だよなこれ。
愕然としたままそう思って、無意識に手が自分の頬を力一杯ギューッと抓る。「…痛てぇ」リアルに感じる痛みはまぎれもない現実。だから、余計に信じられない。
人一倍恥ずかしがり屋の蜜がこんな行動するなんて。
「…っど、どどど、どど、どうし、どうしたんだよ蜜」
わざとかと思うぐらいどもりながら激しく動揺していることを前面に押し出す俺は、今の俺には刺激が強烈に強すぎる格好からあからさまに目を背け、言葉を投げかける。
本当に、マジで、どうしたんだよ蜜。なんでその格好なんだよ!?なんのサービス!?防御力5ぐらいしかねぇけど!?
面食らってもものの数秒経てば当然のようにその格好にムラムラ悶々とかき立てられる情欲。
チーン!理性との闘いの幕が切って落とされた。