うわっ。超触りてぇー…。


第一声にそう思った俺は健全な男子高校生だから決して間違ってはいない。

ゴクリと生唾を呑み込んで、まだ経験したことがないみたいにドキドキと胸を打ちながら、それに無意識に手が伸びるのもしょうがない――


「……うぅ、ひっく…っ」


…っ、ダメだ!!バカッ!俺!!

なにしようとしてんだよ!!


シャワーの音に混じって聞こえた蜜のしゃくり泣く声に再び我に返った俺はバッとすぐに伸びていた手を引っ込める。

あっぶねぇ…。

引っ込めた手をもう片方の手で押さえるように掴んで、心拍数が上がった胸はバクバクとうるさい。


とりあえずあれこれ思うのはあとにして、さっさとここを退散するのが一番は自分のためだけど、蜜のためにもいいに決まってる……のはわかってる。

心の底から重々にしっかりとわかってるんだけど、俺の身体はものすごく馬鹿正直のクソでして。

意識とは反対に身体は金縛りにあったみたいに一ミリでもここを離れようとせず動かない。

やばい。これは無理。ほんっっっとにやばいダメだってと自分に言い聞かせても負けてしまう。生まれつき持った男の本能ってやつに。


――俺は蜜の身体が、見たい!!


「バカッ、とーや…っ、早く出てけ…っ!」

「…ごっ、ごめん蜜っ!!」


クソ発言をぶっ放してから僅か数秒、ギンッ!と目を見開く前に世界一愛しくて可愛い彼女から雷がバリバリバリィッ!と落ちた。

恥ずかしさからくる怒りなのか、嗚咽混じりでも稀に見る怒りっぷりにテコでも動かなかった(動かさなかった)身体は謝ってから敏速に風呂場のドアを閉め、迷いなく脱衣所からも素早く退却。